うのたろうです。
たったひとりで海賊を壊滅させた日本人の男の話しを知っていますか?

アニメや映画の話じゃありません。
まごうことなき現実のお話し。

しかもその海賊というのは全世界があれだけ手を焼いていた「あの海賊」だというから驚きです。そう……


ソマリア沖海域の海賊


よく耳にしましたよね、数年まえまで。
だけど、ここのところぱったりきかなくなりませんでしたか?

では、ここで質問です。

そもそも「ソマリア沖海域の海賊」ってなに?
なんで現代に海賊がいたの?
なんで00年代あんなにばんばん流れていたニュースがまったく流れなくなったの?

というわけで。
本日、そんなソマリアの海賊たちのお話しです。

その悲しき生い立ちと彼らの顛末――

いったいどんな物語がそこにはあるのでしょうか?
政治背景という少々むずかしい話しですが、楽しく解説しますので、ぜひぜひごらんください。まずは……

ソマリアってどんな国?

ソマリアとは、正式名称「ソマリア連邦共和国」。アフリカにある国です。位置としてはアフリカの東側。いわゆる「東アフリカ」というやつですね。インド洋に面している国です。

首都は「モガディシュ」。通過は「ソマリア・シリング」。
近くにある国はケニアやエチオビア、ジブチなど。このあたりは国境を接している国です。そのほかにもタンザニアなど中学校の英語の教科書で登場するような国も近くにあるので、単語として多少はなじみがあるのではないでしょうか。

面積は637,657k㎡
日本全体の面積が377,900k㎡ですので、くらべると国土は日本の約1.7倍ということなります。

ちなみに人口は2013年時点で約1050万人
2014年時点での東京都の人口が1335万人なので、ちょっと少ないくらいといったところでしょうか。

ようするに日本の1.7倍の土地に東京都民全員(に少したりない)くらいの人が住んでいることになります。スッカスカですよね。人口密度。そんな国です。では……

ソマリアってなんで危ないの?

それはもう、ひとことでいえば「ソマリアだから」。そういうほかないんです。いっちゃ悪いが、ソマリアはもともと危ない国でした。根っからの不良というのでしょうか? そもそもがこの国、めちゃめちゃなんです。

ソマリアの国としての歴史は1960年。
イギリスとイタリアから独立したところからスタートします。

通常、強国からようやく独立したのならば国家一丸となってこれからの国づくりをしていこうと考えるのが建設的な思考回路というやつです。

しかし、ソマリアの場合は違います。
国家一丸となったはずの1960年の独立当時からクーデターがばんばん起きていました
独立できたことによるハイテンションをずっと引きずっていたのでしょうか?
とにもかくにも、めちゃくちゃでした。

そんなめちゃくちゃな状況を10年かけてようやく共産党の一党独裁という形でいったんおさめます。1970年のことでした。

独裁国家の是非はともかく、どんな形であれ国がひとつにまとまるというのは決して悪いことではありません。なぜって方向が決まるから。

これでようやく国家が一丸となって……なんて思っていたら……

一丸となって、となりの国・エチオピアと戦争をおっぱじめてしまいます(オガデン戦争)。次からつぎへと、なんともまあ、忙しい国です。

この忙しさは戦争だけにとどまりません。
戦争が起こると、とうぜんながら国のなかは落ちつかなくなります。

するとどうなるか?

このエチオピアとの戦争のさなか1988年から内戦が勃発します。外では戦争。内では内戦。外も内も忙しいという感じです。

そんなぐちゃぐちゃな状況をなんとかかんとかおさめたのがひとりの男「アリ・マフディ・ムハンマド」。彼が暫定大統領に就任し、いったん事態は収束します。委員長代理のようなものでしょうか。大統領のあとに(仮)がつくような存在といえばわかりやすいかもしれません。

感覚的には、ガールフレンド(仮)の親戚のような立ち位置です。

(仮)ということは決定ではありません。とうぜんガールフレンドでいてくれないパターンだってあります。だってガールフレンドで固定という立ち位置ではないのですから。

その感覚はソマリアの大統領(仮)に対してもおなじでした。

(仮)なら、ひっくり返してもいいんだよね?」

そういった発想をしたのは反政府勢力のモハメッド・ファッラ・アイディード将軍。彼は大統領(仮)とまっこうから対立します。もちろん武力です。やばい国のやばい不良は穏便にすませるわけにはいきません。こういった部分が恐ろしいのは女の戦いも戦争もおなじということでしょうか。

ということがありソマリアは1991年に内戦が勃発。
それが原因で国土が分断されました。

国土が分断――
するとどうなるか?

(仮)は意味をなさず、事実上の無政府状態が続きます。中学校の教室でいうところの「担任の先生がいない状態」といえばわかりやすいでしょうか。仮の存在として委員長的な存在の人がクラスをまとめようとしますが、先生じゃないのに不良がいうことをきくわけがありません。その結果、誰も彼もが思いおもいの勝手なことを始めます。

中学校のときの自習の時間のようなものです。担任の先生がいないと、みんな勝手なことをしますよね。

でも、それでいいわけがありません。(仮)だった大統領・アリ・マフディ・ムハンマドが国連に助けを求めます。先生にちくったという感じです。

そしてこの密告(?)によってクラス(ソマリア)のようすを知った先生(国連)は「それじゃあいかん」ということで1992年、PKO部隊、多国籍軍を派遣してきます。

委員長の密告により先生の大群が教室に押し寄せてくるのです。
いうことをきかない不良生徒たちを静まらせるために。

これでよかった――

通常に考えて、これで、なんとか教室はおさまるはずです。

しかし。
事態はそれほど単純ではありませんでした。問題なのはここから先。それがまた険呑(けんのん)なんです……

ソマリアのここが危ない!

暫定大統領・アリ・マフディ・ムハンマドが国連にちくり、事態を鎮静化させるために
国際連合平和維持活動(PKO)がソマリアに多国籍軍を派遣しました。

すると……

モハメッド・ファッラ・アイディード将軍は国連に宣戦布告をぶちかますのです。

あ、もう、これ、だめだ。
そんな感じがありありと伝わるようです。

…………

と。
まあ、そんな歴史があり、その後もずーっとめちゃくちゃ。アイディード将軍は1996年8月に死去するのですが、それでも事態の鎮静化はいっこうに進みません。あっちがおさまれば、こんどはこっちで問題が起こるといった感じです。

完全に学級崩壊の様相を呈しています。

そんな事態が現在までずっと続いています。
するとどうなるのでしょうか?

ソマリアで海賊が誕生した真実……

国(クラス=教室)がぐちゃぐちゃになって、もう収集がつかなくなってしまいました。
そんな状況で一番ワリをくうのは誰でしょうか?

そう、それはそのクラスにいる不良以外のほかの生徒です。
つまりソマリアの一般市民たち。

彼らは先生と対立するヤンキ―生徒たちとのあいだにはさまれ、居場所をうしないます。それはそうです。クラスにいたら危ないほか、通常の生活もままならないのですから。

そこであぶれた人たちはいったいどうなるのでしょうか?
逃げるしかありません。でもどこへ?

国のそとへ。つまり……

インド洋に投げだされます。船にのって。

まあ、廊下にでるしかないといった感じでしょうか。
しかし、廊下では授業はできません。とうぜん生活なんてできません。生きていくための選択肢は彼らにはほとんどありませんでした。

そしてその結果、彼らは「海賊」になったのです。Gulf Of Aden(アデン湾)と書かれた場所、そこを根城に彼らは海賊行為を繰り返します。

そしてその海(廊下)を通る船を襲い、金品、食糧、そのたもろもろを強奪する。
そうして生計を立てなければいけなくなったのです。まじめなだけじゃやってられない。キレイゴトじゃいられない。なんとも耳の痛い話です。

その結果「ソマリア沖海域には海賊アリ」という景色になったというわけです。

ソマリアの海賊をひとりで壊滅させた日本人

これが、ソマリア海域で海賊が生まれた理由です。
その後、海賊は世界的にたくさんの迷惑(被害)をうんできました。

しかし。
話しはそこで終わりません。

そこにあらわれたのが、ひとりの日本人の男。
木村清氏。人気寿司チェーン「すしざんまい」の社長です。

じつは彼が、この海賊をたったひとりで(事実上)壊滅させたのです。
しかも武力ではない商売という力で。

彼は、いき場をなくしみずからの生き場を海と定めた悲劇の海賊たちに漁船を貸し、マグロのとり方を教え、自身のお店で買い取るという流通ルートを確保しました。

だってきみらが今いるここ、インド洋ってまぐろがチョー有名な場所じゃん。
すげーいっぱいとれるんだよ?
そしてそのまぐろは、すげー金になるんだよ?

そんな口説き方をしたかどうかは定かではありませんが、内容としてはこのようなことを伝えたのだろうと思います。

その結果。
海賊は、血眼になり船を探し襲うのではなく、海中のマグロに目を光らせ漁業に精をだすまっとうな漁師に変貌したのです。

そして、なんと木村清氏が海賊と直接コンタクトをとった2011年から、ソマリア海域での海賊被害は急激に減少したのです。

まとめ

いかがでしたか?
こんな理由があったからこそ、今までずっと世界が頭を悩ませていた海賊被害の問題は、現在、ほぼ耳にしなくなったのです。

もっとも、海賊は国家資格でもなければなんでもないので、海賊から漁師にジョブチェンジしたといっても当の本人たちでさえピンときてはいないのでしょう。

なにはともあれ、本日、ソマリアという国とソマリアの海賊の話でした。
たまにはまじめなニュースもね。

うのたろうでした。

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