「シエラレオネ共和国」という国の名前を聞いたことがありますか。西アフリカにある北海道ほどの面積の国で、元々イギリスの植民地であったのが1961年に独立しました。このシエラレオネは世界で一番寿命が短い国として知られています。

平均寿命はなんと25歳~40歳。シエラレオネは新生児・乳児共に死亡率が一番高い国でもあり、1000人の出産当たり新生児は50人、乳児は110人以上が死亡するということです。

毎年260万人以上のベイビーが旅立っている

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WHOの調査では、年間260万人という新生児が亡くなっているといわれています。そのうちの98%はシエラレオネ、ソマリア、コンゴ、スーダン、パキスタンなど貧しい国の子供達ですが、低所得国に限らずイギリスのような先進国でも300人に1人の新生児が亡くなっています。

新生児の死亡率が極めて低い国はアイスランド。続いてシンガポール、日本、ルクセンブルク、ノルウェーやスウェーデンなどが挙がっています。とはいえ、日本でも辛い思いをしているママはたくさんいます。ただ、数字的に言うならば日本の死産率は非常に低いということだけで、世界中で子供を失った悲しみを抱えるママはたくさん存在するのです。

英ロンドンで去年、最愛の娘を失くしたママが勇気を出してメディアに告白。自分の妊娠を誇りに思うこと、また亡き娘への愛を綴りました。毎日7,200人もの赤ちゃんが空へと旅立っているその半分は分娩中の事故とも言われています。

33歳のアントニア・ミッチェルさんは、愛する我が子を失うことはまさに耐え難い痛みだと胸の内を語りました。

「娘は存在したのに、誰も娘のことを聞いてくれないの。」

出典 http://www.dailymail.co.uk

最愛の娘、ショシャーナちゃんはアントニアさんのお腹にいる時にへその緒が体に巻き付いて心拍停止。小さな命は空へと旅立ってしまいました。でも、アントニアさんは言います。

「みんな私が不愉快になったり悲しむと思って、娘のことを全然聞いてくれないの。どうして?私も夫も娘のことを話したいのに、どうしてみんな最初から娘が存在しなかったかのように振る舞うのかしら。」

「我が子を失う悲しみはどんなものかって?体と心がバラバラに引きちぎられる思いよ。この世の終わりに思えるわ。一生この痛みは続いていくのよ。娘には未来も何もない。生きて行くチャンスさえ与えられなかったの。」

「愛する我が子を失ったら自分の人生ももう終わり」ショシャーナちゃんが亡くなってからの自分は変わったとアントニアさんは言います。もう以前の自分には二度と戻れないと。

「でも、それでも娘を妊娠したことを悔やんではいない。誰も娘の代わりにはならないし、娘を妊娠したことを誇りに思うわ。」周りの誰もが聞いてくれなかった「子供を失う気持ち」をただひたすら語り続けるアントニアさん。

気付くのが早ければと悔やんだりもした

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アントニアさんは、我が子が既に心拍停止だと医師から聞かされた時にはなす術がなかったと話します。それでも「もっと早くに気付いてあげていれば」と自分を責める日が続いたそう。ママのお腹の中で亡くなったショシャーナちゃんは、痛みを感じることは全くなかったらしく、それだけが唯一の救いだったことでしょう。

「でも、あなたは何も恐れないで」

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愛する我が子を失うということは、どんなに辛い出来事かをアントニアさんは正直に語りました。そして今、子供を授かったママたちに訴えています。「無事に生まれてきたあなたの赤ちゃんをたくさん愛してあげて。いっぱい話しかけてあげて。あなたの元へ来てくれた赤ちゃんに心から感謝して。」

筆者もそうですが、子育てに日々追われている人は自分がいかに恵まれているかをつい忘れがち。日常の些細な事に文句を言ったり、子供のちょっとした態度に泣いたり怒ったり。その場その場の対応にただひたすら必死に向かい合って子育てしています。

子供が愚図って聞かない時などには、つい大きくため息をついたり舌打ちしたくなることも。でも、アントニアさんのように子供を失くしたママからすれば、私たちが今手にあるものはかけがえのないものなのです。アントニアさんは、自分の痛みを正直にさらけ出すことで子供がいる人たちに「子供に恵まれたことを感謝して」と訴えているのです。

貧しい国でも、先進国でも、旅立つ命の数に違いはあれど尊い命が失われているのはどこの国でも同じ。その度に地獄のように苦しく悲しい思いをするママが存在するのです。世の中に溢れている幼児虐待や事件・事故などで次々と幼い命が奪われていく社会は、更にアントニアさんのように子供を失った人を深く傷つけます。

でも、我が子という愛する人を失った辛い経験をしている人は、思慮深くもあり命の尊さを十分に知っています。アントニアさんが願うのは「周りの人が気を遣い過ぎないでほしい」ということ。娘のことだって聞いてほしい。親にとって一番つらいのは、愛する娘の存在がなくなること。

「どんなに辛くても、我が子は確かに一瞬でもこの世に存在した。」その思い出と共に生きていくことで、自分の中でもその辛さを少しずつ消化できるのかも知れません。日々、多くの命が消えています。

だからこそ生まれてくる命を大切にしてください。アントニアさんの勇気を無駄にしないように、今子育てで悩んでいる人も誰かに相談してみてください。あなたの傍にあるその小さな命は、どんなものよりも存在価値のあるかけがえのない命なのです。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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