一般的に新生児の200人に1人の割合で起こると言われている染色体異常。その原因は薬や化学物質などもありますが、大半は遺伝性によるものがほとんどです。染色体異常はその名の通り染色体の構造に異常があることで、つまり染色体が重複したり欠損していることを指します。

染色体異常の中でもダウン症は認知度が高いので、誰でも聞いたことがあるかと思います。染色体異常の種類と症状は実に多く、女性のみ、また男性のみに発症する症状もあります。筆者の住むイギリスに「ひょっとしたら世界でたった一人の」サイボーグ的体を持って生まれた少女が存在します。彼女は6番染色体の異常を持って生まれてきました。

食べず、眠らず、痛みを感じず

出典 http://www.dailymail.co.uk

ヨークシャー州、ハダスフィールド在住のオリビア・ファーンズワースちゃん(11歳)は車に撥ねられても歩いて自宅まで帰った経験を持つ「サイボーグ少女」なのです。痛みを全く感じないオリビアちゃんは、激しい打ち身と怪我をしたにも関わらず命に別状はないどころか、涙ひとつ見せず全くもって平気だったことから病院の医師を驚愕させました。

車に轢かれたオリビアちゃんは、40メートルほど引きずられたそうです。それでも痛みを感じないということで母のニッキーさん(32歳)も驚きを隠せません。オリビアちゃんは生まれて暫くしてから、6番染色体異常と診断されました。

ニッキーさんは、オリビアちゃんの異常をオリビアちゃんが生後5か月ごろから気付いたと言います。オリビアちゃんは赤ちゃんの時にも全く泣くことをせず、昼寝も一切しなかったそう。そして11歳になった今は、食べなくても眠らなくても平気というサイボーグのような生活をしているのです。

過去に転んだ時に、オリビアちゃんは唇を怪我。それでも「痛い」という感情はなかったそうです。でも傷が深かったために切った部分の縫合手術をしなければならなかったそう。

今は睡眠薬を処方してもらい、なるべく夜睡眠がとれるように計らってはいるものの感情の起伏が激しく、暴れたりする時もあるとか。「基本的には、ハッピーな子供なんです。4人のきょうだい達ともうまくいってます。」とニッキーさんは語ります。

家族に囲まれるオリビアちゃん

出典 http://www.dailymail.co.uk

オリビアちゃん以外に4人の子供の母でもあるニッキーさんは「Unique」という染色体異常を持つ子供たちをサポートするチャリティ団体に参加しています。

食べなくても平気、眠らなくても平気というのはまさにサイボーグ構造。1年間ほどバターを塗っただけのサンドウィッチを食べていたことがあるオリビアちゃんですが、ミルクシェイクしか飲まなかった時期もあったそう。今はチキンヌードルしか食べないという偏食ぶり。

見た目は健常者と何も変わらないように見えるオリビアちゃん。6番染色体異常というレアな障がいを持っているために、やはり学力面での発達もすこしのんびりなんだそう。でも何か一つのことにずば抜けた才能を発揮することもあるのが、染色体異常を持つ子供たちなのです。

6番染色体異常にも種類があるのですが、オリビアちゃんのように「眠らない、食べない、痛みを感じない」と3つ揃った例は世界でもわかっているだけでオリビアちゃんが初めてということで、「世界でただ一人のサイボーグ少女」と言われています。

5人の子供を育てているニッキーさんは、そんなオリビアちゃんのちょっと変わった症状に、既に慣れているようで家族でゆっくり、のんびりと生活している様子。きょうだいや両親、チャリティ団体といった周りのサポートに支えられて、オリビアちゃんも普通の子供と同じような生活ができるということです。

世界でたった一人といわれる「サイボーグ少女」オリビアちゃん。「痛みを感じない」といっても今後、車には十分気を付けてほしいものですね。

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公式プラチナライター。英国に住んで足掛け22年目に突入。前半ロンドン、後半ヨークシャー在住。ロンドンでの出版社勤務経験を生かして記事を書かせて頂いています。その昔英国ほとんどの場所を一人旅した経験あり。住んでいるからこそ見える英国の様々なこと、その他の海外の様子をお伝えできればと思っています。人として考えさせられる記事を中心に書いてます。いつも読んで下さる皆さんに感謝!

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