ある日の昼下がり。幼稚園児のお姉ちゃんと、パパ、そして生後半年になるかならないかの赤ちゃんがリビングで仲良く遊んでいました。お姉ちゃんがお気に入りのお人形や積み木遊びをし、そのそばで、赤ちゃんも自分のガラガラを振り回し、パパが二人の相手をしている……。

これは、このおうちでは日常の一コマで、特に変わった点はありません。筆者も、ママもバーバも、家事や仕事をしながら見ていました。

そのうちお姉ちゃんが、「パパ、この絵本、読んで」お気に入りの絵本を本棚から持ってきて、パパに差し出しました。「ん、じゃあ、ちょっと待っててな」と、パパは、赤ちゃんのおむつをかえて床に寝かせ、おもちゃを持たせました。

そして、お姉ちゃんが持ってきた絵本を読み始めました。お姉ちゃんは、座って静かに聞きます。これも、このお家では格別珍しいことではありません。パパやママが読む絵本を、みんなで聞きます。

が。この日は突然、赤ちゃんが怒り出したのです。くるっと寝返りをして真っ赤な顔で床を叩きます。日ごろは大人しい子の突然の感情爆発に、誰もがびっくり。しかも、理由がわかりません。

パパとお姉ちゃんが背中を向けているからいけないの?それとも抱っこしてほしいのかな?別のおもちゃが欲しいのかな?ミルク?おやつ?ママ?

おもいつく限りのことをやってみましたが、赤ちゃんの怒りはおさまりません。試行錯誤すること暫し。答えは見つかりました。「お姉ちゃんと同じように、わたしにも絵本をください」だったのです。

赤ちゃんだから、いいよね。本が読めないから、まだ渡さなくて大丈夫。そこで大人しく遊んでいるから、いいよね。一人でご機嫌だから、大丈夫。誰もがそう思っていたのです。

赤ちゃん返りが残っているお姉ちゃんには「下の子と同じようにする」を心がけているので、「一緒に読む?」「読んでほしい本を持っておいで」と声をかけているそうです。
が、今回は逆だったので「一緒に読む?」の一言を怠ったのです。

そのことに気付き、慌ててお気に入りの絵本を渡して、「はい、これが好きだよね! 次はこれをパパに読んでもらおうね」ぴたっ、と泣き止みました。お気に入りの絵本を振り回して、たちまちご機嫌です。

仲間に入れて!どうしてお姉ちゃんだけなの?ちゃんとわたしにも絵本を持ってきて!こっちも読んで!そう言っていたのでしょう。

それから数週間経ちますが、「お姉ちゃんだけ、いいな!」まるでそう言っているかのような場面が見受けられます。お姉ちゃんがおやつを食べていれば「ちょーだい!」と、お口を開け、お姉ちゃんが抱っこしてもらっていれば「わたしも!」と、腕を伸ばします。

しかし、そこには「ずるい」という気持ちではなくて、純粋に「お姉ちゃんと同じがいい」「お姉ちゃんと一緒がいい」という気持ちなのかな、と思います。

上の子には上の子の気持ちが、下の子には下の子の気持ちがあります。それを大切にしながら、きょうだい同じように扱う……のは難しいですが、悪戦苦闘する若い夫婦を見守りたいと思います。

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