「こんな人生を送るなら16歳の時に精管切除でもしておけばよかった。」そう語るのは27歳のイギリス人男性。彼曰く「愛してもいない女性とうるさい二人の子供との暮らしに抜き差しならない状態」だそう。どうしてそんな状況に陥ってしまったのか。考えさせられるトピックです。

21歳の時に転機が訪れたジャック

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マンチェスター在住のジャック(仮名)は大学2回生の時に恋人と別れました。ところがその1週間後に彼女から「妊娠している」と告げられたのです。ピル(避妊薬)を飲んでいると聞かされていたためにその知らせはジャックに大きな衝撃を与えました。

パニックになったジャックですが、別れた恋人とヨリを戻した方が生まれてくる子供の為にはベストだと考え、彼女をサポートすることを決意。ジャックは彼女をもう愛してはいなかったものの、無責任に逃げることだけはしたくなかったと言います。

一緒に住んではみたものの…

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「子供のために」一緒に住むようになったジャックと元彼女。妊娠している彼女はホルモンバランスの乱れからか、日々イライラをジャックにぶつけるように。愛していない女性とのストレスフルな生活に耐えられなくなっていったジャック。同じ部屋にいることさえも息苦しく感じてしまうように。

彼女との生活の傍ら大学生活をしたジャック

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家では元カノに文句ばかり言われ大学ではパートナーのいない自由で気楽な大学の友人たちを羨ましく思ったジャック。元カノとの日常生活に疲れすぎて、大学の友人たちと夜遊びに行くこともなくなってしまったためにやがて疎遠に。「普通なら楽しむべき大学生活が惨めなものになりましたよ。」ジャックはそう言います。

生まれた子供に愛情を全く感じない

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子供の為に元カノと一緒に暮らし、子供を育てていくと決心したジャックでしたが、実際に子供が生まれてみると愛情どころか、昼夜関係なしに理由もなく泣きわめく子供に恨みや怒りが芽生えたと言います。「泣いている姿をただじっと睨みつけることもありました。」我が子を愛しいと思えない父親。子供は既に察しているかも知れません。

「自分の人生行き詰まりに」

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今は後悔しかないというジャック。「子供を持ったことをなにより後悔しています」そう言い放つ彼をみなさんはどう思いますか?「好きでもない女性とうるさい二人の子供に囲まれて、人生行き詰っている」と後悔しかないジャックを身勝手だと思ってしまう人が恐らくほとんどでしょう。

実は筆者の周りに、これと酷似した状況で子供を授かったカップルがいます。欧米ではピルを使用している女性がほとんどなので男性もつい、女性の言葉を信じてしまうのでしょう。「ピルを飲んでいるから大丈夫」そう言われて避妊をせず、女性が妊娠すれば女性を憎む男性がいるのですが、果たしてそれは女性だけが悪いのでしょうか。

「ピルを飲んでいるから大丈夫」という女性も女性ですが、その言葉を鵜呑みにする男性にも非があります。女性が本当にピルを飲んでいたとしても何万分の一の確率で妊娠する可能性もあるのです。そしてもし女性が嘘をついていたら…。男性は「妊娠した」と言う言葉を聞いて初めてその言葉を信じた自分を愚かだと思うのでしょう。

でも、新しい命が生まれるとなってはどちらが悪いと責め合っても仕方のないこと。筆者の知り合いのカップルは、「元カノに騙された」と言って男性はかなりショックを受けて怒っていましたが、女性が産むと決心して男性はサポートする決心を。

でも一緒に住むことは彼にはできなかったので別居し、子供の養育にだけ関わっています。そして今その子供は10歳になりました。お互い別々のパートナーがいてパートナーにも前のパートナーとの連れ子がいて…という何とも複雑な関係なのですが、二人とも割り切っている様子。親が憎しみあって同居していてもきっと子供にとってはプラスにはならないでしょう。

ジャックは言います。「一緒に住んでいても子育てを一緒にしているだけでカップルとしての関係はないんです。でも外に出ればカップルとして振る舞っているという変な関係が続いているんです。」そんな思いをしながらもなぜ一緒に住んでいるのかというと経済的な問題もあるとジャックは言います。

「最初は別居も考えました。でも子供を育てていかないといけないし一緒に暮らした方が経済的だと思ったんです。」自分の仕事のキャリアや友人関係、全ての幸せを犠牲にして今愛してもいない家族との間で抜き差しならない状態だというジャックですが、同情どころがそんな両親に育てられる子供が何より気の毒ではないでしょうか。

子供の感受性は鋭いもの。自分が父親に愛されていないとはっきり悟るのに時間はかからないでしょう。親の背中を見て子供は育つというように、そんな両親の関係を繊細に感じ取った子供が幸せに暮らせるはずはありません。

逃げたくなかったということで責任を取って好きでもない女性や愛してもいない子供と暮らすジャックは、当時自分をよく見られることしか考えていなかったのではと思ってしまいます。「子供を持ったことを後悔している」そう言われていると知った時、ジャックの子供はどんな気持ちになるでしょうか。

子供は親が幸せならその幸せオーラを感じて子供も幸せになります。ジャックのように人生惨めに後悔しながらの子育ては、子供の将来に深い傷を与えることでしょう。愛されるべき実の両親にそんなふうにしか思われない子供が気の毒でなりません。

良かれと思い下した決断が結果的には子供を傷つけてしまうことに。子供にプライオリティをおかない社会は子供に早く独立精神を培わせる一方で、親の愛情を十分に感じられない子供が増えるという現実を生み出しています。

こういうことをメディアを通して知るたび、そんな両親から生まれた子供たちのことを思い悲しい気持ちになります。子供が傷つきながら育っていく社会環境は決して子供のために良くないのです。ジャックの子供が「自分は愛されていない」と気付いた時、周りのサポートが充実していることを願う筆者です。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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