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女性なら、子宮内膜症という病名はよく聞くことがあるかと思いますが「子宮筋層炎」という病名は聞いたことがありますか? 子宮内膜と子宮筋膜はどう違うのでしょうか?

今回は「子宮筋膜炎」について、医師に詳しい話を聞いてみました。

■ 子宮筋層炎って何?どうしてなるの?

子宮は、内側から順に

・子宮内膜
・子宮筋層
・漿膜(しょうまく)

の3つの層からできていますが、このうち子宮筋層が細菌に感染し、炎症を起こすことを子宮筋層炎といいます。

子宮に細菌が入っても、生理周期にともない子宮内膜は周期的にはがれ落ちるので、子宮内膜は感染が起こりにくいといわれています。しかし、分娩後、流産・中絶後、閉経後など定期的な生理がない場合には感染が起こりやすくなってしまいます。

また、抵抗力が落ちている時や、子宮筋腫や帝王切開の手術後など子宮に何らかの処置をした後も感染しやすくなります。また、まれにですが、性交渉やタンポンを長時間置いておくことから感染する場合もあります。

子宮に何か細菌が入り感染を起こした場合には、まずは一番内側の子宮内膜の炎症(子宮内膜炎といい、子宮内膜症とはまた別の病気ですので注意しましょう)になることが一般的ですが、その時後、子宮内膜に起きた炎症が子宮筋層にまで波及することで子宮筋層炎になります。

■ 子宮筋層炎は、どのような症状が出るの?

・発熱
・下腹部の激しい痛み・不快感
・腰痛
・排便・排尿時の腰痛
・おりものの増加
・不正出血

などの症状がみられます。子宮内膜炎と症状は似ていますが、子宮内膜炎よりも症状が重くなることが多いです。

重症化してしまった場合には、子宮からさらに卵管にまで炎症が広がってしまうこともあり、

・卵管筋層炎
・卵管漿膜炎(らんかんしょうまくえん)
・卵管留膿腫(らんかんりゅうのうしゅ)

になってしまう場合もあります。

■ 子宮筋層炎の検査・治療・予防

【検査】
・内診をして、子宮に痛みがないか、子宮が腫れていないかを確かめます。
・感染の原因になっている菌を見きわめるために、血液検査や子宮からの分泌物の培養検査を行います。

【治療】
1. 抗生剤
子宮筋層炎と診断されたら、抗生剤による治療が基本です。症状が比較的軽い場合には経口の抗生剤を使いますが、効果が不十分な場合には抗生剤の点滴が必要になることもあります。また、痛みが強い場合には痛み止めの薬を併用することもあります。

2. 治療中の注意
子宮が炎症を起こしているため、下腹部を温めるのは避け、湯船につからず、シャワーだけにしましょう。また痛みがある間は性交渉も控えましょう。

3. その他
流産後や分娩後に子宮筋層炎になった場合には、子宮収縮薬を併用して子宮内腔に残った組織の排出を促すこともあります。子宮筋層炎が悪化して子宮瘤膿腫(りゅうのうしゅ)になっている場合には、子宮頸管(けいかん)を開大し、うみを排出することもあります。

【予防法】
生理中のセックスは控えること、また生理不順の場合には子宮内膜炎が慢性化しやすくなるので、規則正しい生活を送り、生理不順にならないようにする心がけも大切です。

■ 医師からのアドバイス

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子宮筋層炎が慢性化・重症化してしまうと、不妊症になるリスクが高まると言われています。下腹部痛や異常な帯下があれば、早めに産婦人科を受診しましょう。

(監修:Doctors Me 医師)

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