記事提供:子どものこころが穏やかに育つ魔法の育児法

ゆうちゃん4歳の頃に記録したものです。

毎朝、ゆうちゃんを幼稚園バスが迎えに来る場所まで連れて行く。

その時間に間に合うように子どもたちを起こし、朝ごはんを用意し、ゆうちゃんの髪の毛を結び、水筒や給食セットを用意し、おーちゃん(2歳)とトウくん(0歳)を連れてわたわたと自宅を出る。

ある朝、いつものようにわたわたと準備をし、いつものようにわたわたとゆうちゃんを見送り、いつものようにわたわたと自宅に戻ってきた後、私はトイレに入った。

そしてトイレに入って、ふと、あるものに気付いた。

それは、キレイに折りたたまれているトイレットペーパー。

私はそれをしたのが誰なのか、すぐに分かった。

『ゆうちゃんだ』

その前日の日曜日、家族で小さなショッピングモールに出かけた。

そこでトイレへ行きたいと言ったゆうちゃんを連れてトイレへ行ったら、一つしかない個室のドアを半開きにした状態で清掃員さんが掃除や補充をしてくれていた。

「お掃除してくれているから待ってようね」とゆうちゃんに声をかけてしばらくすると、清掃員さんがこちらに気付いて「どうぞ」と言って個室から出てきた。

「ありがとうございます」と言い、出てきたその人とお互いに会釈をして、ゆうちゃんと一緒に個室へ入った。

ゆうちゃんが自分のスカートを下ろして便座に座った時、ゆうちゃんが何かを見つけて言った。

「あれ?ねぇ、ママ!トイレの紙が三角になってる~♡」

言われて見たそこには、先が三角形に折られたトイレットペーパー。

「なんで三角になってるんだろ~?」と嬉しそうに聞くゆうちゃんに、私は言った。

「三角形に折られてると、ゆうちゃん、トイレットペーパー取りやすいでしょう?」

「うん、そうだね!」

「この三角形にはね、次にトイレを使う人が嬉しいといいなぁっていう優しい気持ちが入ってるの。

次に入ったゆうちゃんが取りやすいように多分、さっきお掃除してくれてた人が折ってくれたんだね。

さっきの人がプレゼントしてくれたんだね。お掃除の人、優しいね。優しいと嬉しくなっちゃうね」

「うん。なんか嬉しいー♡ママ、私も折りたいー♡」

と言うゆうちゃんに三角形の折り方を教えてあげると、

「折り紙みたいで楽しいね。よし!もう私折り方覚えたぞー♡これで、次に入った人、嬉しくてびっくりしちゃうかもね♡喜んでくれるかなぁ~♡」

と言うゆうちゃん。

そんな話をゆうちゃんとした。

その次の日、慌ただしい朝の中で家のトイレのトイレットペーパーを、一人で一生懸命三角形に折っていただろうゆうちゃんの姿を想像すると、

自然と笑みがこぼれて、ゆうちゃんの想いに触れた気がして涙が出そうだった。

次に入った人、喜んでくれるかな。

誰かにもらったしあわせな気持ちは、次の人、そしてまたその次の人へ、ずっと、ずっと、優しい気持ちは、ぐるぐる、ぐるぐる、ずっと回るから。

トイレットペーパーの三角形には、まだ見ぬ次の人を想う誰かの、優しい、が入っている。

三角形に折られているのを見ると、なんだか嬉しくなっちゃうのは、誰かの優しさにそっと触れたから。


小さな優しさが小さなしあわせが、この世界にはたくさん溢れていて、

その優しさを見落とさないように、そのしあわせに触れた瞬間の喜びに、

いつまでも、素直に感謝出来る人でいたいと思う。

『誰かが嬉しくなったら私も嬉しいから』

ママも三角形に折っておくよ。

幼稚園から帰ってきてイレに入ったあなたは、きっと、嬉しそうに笑うだろうな。

大それたことじゃないかもしれない。人から賞賛されるようなことじゃないかもしれない。

でも、この世界には、そんな小さな優しさを人知れず作り続けてくれている人がたくさん、たくさんいること忘れないでいて。

大それたことなんてしなくてもいい。人から賞賛されるようなことなんてしなくてもいい。

ただ、目の前の人のしあわせを願って、

目の前の人をほんの少ししあわせに出来るチカラが自分たちの手にあること、

忘れないでいて。


ずっと、忘れないでいてね。

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