絵画を自分の手で触れて実感すること

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ライターであり、ポッドキャストを務めるRomeo Edmeadさんは、生まれて初めて指先を使って、1度も経験したことが無かった新しい世界への一歩を踏み出しました。

2才の頃に視力を失ったEdmeadさんは、美術と美術館という存在を理解することはとても複雑なプロセスでした。遠足で訪れる美術館はとても居心地の悪い場所だったそうです。同級生が美術館で何を経験してそこから何を得るのか、なんとなくわかってはいても、それをEdmeadさんが、自分自身で体験することはできませんでした。なんといっても美術館では絵画に触ることは禁じられているのですから、美術館に足を運ぶということは意味の無いことでした。

そんなEdmeadさんが、昨年12月にニューヨーク市にある点字図書館で、人生の転機になる素晴しい経験をしました。1851年にEmanuel Leutzeが描いた ”デラウェア川を渡るワシントン ”(Washington Crossing the Delaware)”の3D絵画に実際に指で触れてみることができたのです。

「ある意味 ”解放(freedom)”されたような気持ち。」
とその時のことを表現しています。

小さな頃からすばらしい画家や彼らが描いた絵画について、いろんな話を聞いてきました。でも、私のように目が見えていたという記憶が無い人にとって、それは全く無意味なことで、単に語彙でしかありませんでした。こうして、実際自分の指で触れることで、これまでの世界から解放され、絵画を自分自身でもっと深く理解することができるようになりました。

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3D絵画を制作したのは、John Olson率いる「3D Photoworks」という会社で、世界の絵画をデジタル彫刻に変換し、目の見えない人でもアートを楽しみ経験してもらうという機会を広めようという目的で設立されました。

モナリザの絵に触れているRowanaさんは、28才のときに視力を失いました。彼女の場合は、絵画を実際触ることで、記憶の中にある絵と実際の絵を照らし合わせて、自分で確かめることができるようになりました。他人が口頭で説明する方法ではできなかったことです。

3D写真が、まるで彫刻のように

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フィンランドでも3Dで視覚障害者にもアートを楽しんでもらおうという活動をしている人たちがいます。

モナリザを手で触って・・・

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3Dプリンターで名画を再現!

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世界中の目の見えない人たちが、ギャラリーや大学の図書館、または自宅でパソコンから無料ダウンロードし、3Dプリンターでアートが印刷ができるようにしたいと、将来を語る、フィンランド人デザイナーMarc Dillonさん。”Unseen Art”というプロジェクトを立ち上げ、現在は寄付を募って活動を続けています。

どちらのプロジェクトも、活動を続けていくために企業や団体、一般から寄付を募っていますが、昨年末の段階でゴールにはほど遠い額しか集まっていませんでした。

世界には2億8千万人の視覚障害者がいます。アメリカでは11分に1人の割合で視力を失う人がいます。このプロジェクトの活動が途切れることなく、より多くの人々に理解され、少しでも早く目の見えない人たちに絵画を楽しんでもらえる日が来ることを願います。

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公式プラチナライター。テキサス州在住。料理研究家でフリーランスのコラムニスト

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