2016年1月1日、新しい年を迎え、テネシー州では全米に先駆けて動物愛護管理法に触れる犯罪をおかした人物、つまり虐待などで罪に問われた経緯のある元犯罪者の登録サイト「Tennessee Animal Abuse Registry」が始動します。

いくつかの州で既に行われている性犯罪者登録サイトと同じく情報は公開され、一般市民は氏名、顔写真、住所、犯した犯罪その他の必要事項を閲覧出来るようになります。

初犯では2年間掲載された後に削除されますが、2回目以降は5年掲載で、動物を虐待したことのある人物がその経緯を隠してペットを購入したり、レスキューやシェルターから貰い受けたりするのを防げると期待されています。

対象とされる動物はペットから家畜まで、また直接手を下す虐待だけでなく放置、遺棄、闘犬や闘鶏など動物同士闘わせることも含まれます。

時を同じくして連邦捜査局(FBI)も、2016年1月より動物に対する犯罪を人間と同じレベルに引き上げ、捜査対象として情報収集をすることになりました(2015年1月発表)。

これまでは動物は器物と同等の扱いだったのですが、動物への虐待が後に誘拐や殺人などの重犯罪に繋がるケースが非常に多いことから、動物虐待犯罪をデータ化することで迷宮入りになっている事件の解決に繋がる事などが期待され、また情報公開によって動物虐待そのものを減らして行けるだろうと考えられています。

ちなみに同等の法案の審議を始めている州はコネチカット、イリノイ、テキサス、ニューヨークなど10州に及ぶそうです。

しかしながら、動物愛護の観点からは賛成するものの、個人情報保護の点からはどうだろうかという意見も出て来ています。このニュースを追って来たテネシー州ノックスビルのローカル局WBIRではFacebookで公開討論を開いています。そのなかからいくつか翻訳してご紹介します。

*よい法律だと思うし他の州でも採用されればいいと思います。統計によれば動物虐待者はDV加害者になったり未成年者への虐待や性犯罪に走る率が高いのだそうです。(同意見コメント多数)

*賛成出来ません。誤って通報された場合、システムからなかなか削除されずにそのままデータベースに載ってしまうことも有り得ます。えん罪で恥ずかしい立場に立たされ、噂はなかなか消えません。(中略)
中には悪質な警官やアニマルコントロール係員だっているんです。

 ↓
そんなことが起きれば非常に残念だけれど、でも本物の動物虐待者はいます…動物達は殴られ、撃たれ、溺れさせられ、生きたまま焼かれる事もあります。そんな事件を未然に防ぐためにはよいステップだと思います。

 ↓
悪質な警官や係員は他にいろんな手段を心得ています。自分達のために法を曲げることだってあります。でも、だからといって法律そのものが悪いわけではありません。

 ↓
(既に行われている)未成年嗜好の性犯罪者としてのえん罪を受ける可能性があるからデータベースを止めろという人はいませんよね。法は完全な物では有り得ませんが、何かを守るには出来ることから始めるしかないのです。

出典 http://www.wbir.com

法律には穴があり、法による間違いを犯すのも、法を曲解して盾に取るのも人間。でもそこに命の危険があれば、出来ることから始めなければならない。
難しい問題だと思います。

それでも動物に対する虐待が後を絶たない現実を目の当たりにすると、このシステムが善い方向に作動し、犯罪減少に役に立ってくれればと切に思います。

法律そのものが悪いわけではない。この言葉、重いですね。

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