公式発表で、女性5000人を含む1万5千人のホームレスがいるとも言われているイラン。しかし実際には、その数は2倍とも言われています。この国のホームレスの人々は、下は40日齢の乳児から80歳の男性まで、体力もない年齢の人も多く、家もなく、満足な衣服や暖をとるものもない人々は、これから訪れる冬に向け、体調を崩したり、一歩間違えば命を落とす人も出てしまうかもしれません。しかも先日、イラン全土が強烈な寒波に襲われてしまいました。

そんな中、ある活動が注目を集めています。先日、イラン北東部にあるMashhadという街に「優しさの壁」と呼ばれるものが作られました。作られたと言っても新たに何か建築されたわけではありません。元からあった壁にペイントをほどこし、そこに「必要ない人はこの場所に掛けて。必要な人は持って行って」と書かれ、ハンガーやフックが設置されたのです。

地元の人達が自分には必要のない温かな衣服を掛け、そこからホームレスの人達が必要なものを手に入れる事ができます。この衣類があれば、この冬の厳しい寒さをしのぐ事ができるのです。

これを最初に始めた人は名前を匿名を希望しており、メディアなどにも登場していませんが、この素晴らしいアイデアはSNSなどを通じ、一気にイラク全土に広まりました。

そして、Mashhad意外の街でも、市民によって自主的に親切の壁が作られ初めています。

とあるInstagramユーザーは「私たちはこの問題を、自分たちの手で解決しなければなりません。人生はとても短いのです。できる限り親切にならなくては」と訴えました。

また、あるFacebookユーザーは「壁は私たちの間に距離を作るものだけど、この壁は私たち一人一人の距離を近づけてくれる」とコメントしました。

イランは核開発問題により、長い間経済制裁を受けいましたが、今年の7月、欧米6カ国との間で核開発の大幅な縮小合意が行われ、制裁が解除される見通しとなりました。しかしイランの現状は、まだまだ制裁の影響と雇用低迷の為、国民の生活は困窮しています。そして主要都市におけるホームレスは、むしろ増加の傾向だといいます

イランでは以前にも、街の中に食料品で満たされた冷蔵庫が置かれるなどの救済活動が行われました。自分たちの力で少しでもこの問題を改善してゆけたら…という、人々の強い思いが、これらの活動を広げているのでしょう。人々の相手を思いやる優しく強い気持ちに心打たれると共に、一刻も早く国家としての適切な対策が行われ、すべての人々が、安心して眠り暮らせる様になることを切に願います。

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