大抵のクリニックや開業医の年内の診療は今日か明日までで、それ以降は年末年始のために休診となります。シャッターを閉めて、クリニックや医院の中は無人となります。

しかし、大きな病院や大学病院では入院患者さんもいるし、救急指定の病院や救命救急センターがある病院では、年末年始でも医師や看護師や検査技師が働いています。

大きな病院の年末年始は、どんな感じなのでしょうか?
大きな病院で働く医師、年末年始はお休み出来るのでしょうか?

もう、仕方ないとあきらめている・・・

年末年始の病院と一口に言っても、病院の規模やタイプ、診療科によって年末年始の忙しさに差はあります。

老人病院やホスピスなどでは当直と言っても、通称「寝当直」ということが多いです。仕事は死亡の確認と死亡診断書の作成くらいでしょう。

しかし、大学病院や大きな病院の救命センターや重症患者さんの多い病棟だと、一晩中救急外来やら処置室や病棟や医局を行ったり来たりして、早朝にようやく昨夜の夕食の食べかけの残り半分を食べる、と言った感じで1~2時間寝れたらまあ良し、というブログ記事もありました。

また、20年間正月に帰省したことはない。正月も休日も短時間だけど病院に顔を出している、というブログ記事もありました。

医師を夫に持つ奥様からは、
全く病院へ行かない日は、学会出張の時くらいで1年に10日ほどしかないから、もう諦めている。お正月も家に帰れない人のことを想うと、少しだけでも顔を見せに行きたいみたい。2時間ほどで帰ってくるけど・・・重症患者さんがいる時は、年末年始も休みなし。

といった記載がありました。


当直制かグループ制か主治医制か?

大きな病院や大学病院の場合、忙しさは当直制かグループ制か主治医制かで、かなり違ってきます。

医師の頭数が多い所は、グループ制や当直制としていることが多いようです。

グループ制の場合は、研修医や大学院生も含めると1人の患者さんに3~5人が1グループとなって診察を行っています。
年末組と年始組のように2班に分かれて、休みを取ることが多いです。呼び出しがなければ・・・ですが・・・
そして、休みであっても、初詣に行くついでに少し患者さんの様子を見てから・・・という医師も少なくないようです。

当直制の場合は、一人で診療をこなせるベテラン組(指導医クラス)のグループと研修医など下っ端グループとその中間的なグループの3つに分かれて(オーベン、チューベン、コベンと呼んでいます)、くじ引きで当直を決めるという病院が多いです。

患者さんに何かあれば、まず看護師が見に行って、医師を呼ぶ必要があればコベン(研修医クラス)が診察し、対処に迷ったらチューベンも見に行き、さらに人手が必要だとか判断に迷った場合はオーベン(指導医クラス)の登場という所が多いです。

そのため、オーベンは比較的寝れることも多いのですが、心配性&指導熱心なオーベンは一緒に様子を見に行ったり、傍で指導したり・・・
また、看護師の判断で最初からオーベン以下全員が呼ばれることもあります。

医師の頭数が少ないとグループ制や当直制が難しく、主治医制となっている場合が多いです。

担当している患者さんが全員軽症なら、オンコールがない限り自宅でゆっくりできますが、あまり遠くには出かけられないでしょうね。
まあ大抵、少しは様子を見に行くようですし、オンコールがないことの方が少ないでしょう

担当制の場合、担当している患者さんが重症だと、休みなしですし泊まり込みになる可能性もあります。

年末年始はベストな体制ではない

年末年始に、緊急ではないのに大きな病院や大学病院の救急外来を受診すると、診察代や検査代以外に「時間外選定療養費」を取られます。だいたい5400円から8640円という所が多いです。

さらに年末年始は、医師や看護師がいるとはいえ、ベストな体制ではありません
救急指定となっている個人病院の場合、当直は外科系1人と内科系1人というケースが多いです。

例えば、顔面にケガをして縫合が必要な場合、診療時間中であれば形成外科の医師もいるでしょうから、傷跡が残らないように形成外科的に綺麗に縫合できます。
しかし年末年始の場合は、泌尿器科の医師が顔の縫合をすることもありますので、形成外科の医師が行うように綺麗に縫合できないことも少なくありません。

いつもは頭の写真ばかり見ている脳外科の医師が骨折か打撲か、足のレントゲン写真を見ていることもあります。

筆者も、「整形は専門外なので・・・多分打撲だと思うけど、心配なら2日の午前中の先生が整形の先生なので、2日の午前にもう一度来てください」と患者さんに言っているのを聞いたことがあります。

こういう風に正直に患者さんに言える先生ならまだしも、変に&妙に偏差値とプライドだけ高くて言えない先生もいますからね・・・・(苦笑)

また医療機関によっては、年末年始は出来ない検査もあります

そして、年末年始に救急要請があった時、「ベッドが満床」や「今、手術中で対応できる医師がいないので他の病院に搬送したほうがベターです」といった理由で救急搬送を断ることはできます。

しかし、「もう医師がクタクタで限界を超えているから、他を当たって下さい」という理由で救急搬送を断ることは通常はできません。

でも正直な所、もうクタクタで限界を超えていることが多いのです

軽症なのに、「あそこに救急病院があるから診て貰おう」と年末年始に安易に受診するのは、避けた方が良さそうです。

大みそかの当直は嫌だなあ・・・

年末年始は一般のクリニックや開業医は休診となるため、救急病院や救命センターは忙しくなります。

「こんなに沢山患者がいるんだから、休診にしないでいつも通りに診察しろよ!去年もこういう状態だったんだろう!?少しは学習しろ!偏差値高いくせに、何考えてんだ?!」とクレーマーに怒鳴られたこともあるそうです。
スーパーはお客様のニーズに合わせてオープンしているぞ!ということなのでしょうが、入院患者さんのいる病棟は365日無休ですから。

医師に、年末年始で、当直に当たりたくない日は?と尋ねると、大みそかと明日から仕事と言う1月3日や4日という回答が多いです。

大みそかは
バカ騒ぎをして急性アルコール中毒で運ばれてくる患者さんの始末が、他の患者さんの何倍も疲れる、とのこと。

年越しそばを食べている途中で呼ばれたけど、きっと処置が終わる頃には蕎麦は伸びきっているよなあ・・・
今夜は何時間寝れるのかなあ・・・ と虚しくなるそうです。

1月4日は、
年末年始に暴飲暴食をして遊びまくった人が、「明日から仕事だから何とかしてくれ」とやって来るケースがあるとのこと。

明日から仕事ね・・・・こっちはずっと仕事・・・
私、いったい何やってるんだろう。この1年で何日休んだだろう・・・はあ~・・・


いかがでしたか?

病院勤務の医師の場合、年末年始も休みはほとんどない・・・と思った方が良さそうですね。

あそこの救急病院は年末年始も受け入れてくれるから、何かあったらあそこだな。などと思っていませんか?

緊急事態の時は迷わずためらわず、救急車を呼ぶことが大切ですが、さんざん暴飲暴食をしてバカ騒ぎをして遊びまくって「明日から仕事だから何とかしてくれ!」はないですよね。

年末年始、多少羽目を外すのは良いとしても、羽目を外し過ぎて救急病院や救命センターのお世話になることがないようにしたいですね。

年末年始に仕事をするのは、病院勤務の医師だけではありません。
鉄道関係者、スーパやコンビニの関係者、警察官、ガスや電気会社の方・・・などなどたくさんあります。
本当にご苦労様です。有り難うございます。

年末年始も働いている方たちには、感謝の気持ちを忘れないようにしたいですね。


参考にしたサイト:
読売オンライン 発言小町2011.12.31付け記事 「医師の年末年始休み」、
Biglobe「お正月当直の憂鬱」、
アメーバブログ「正月当直の思い出」


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4度の手術に膠原病でバツイチで・・・と波乱万丈の人生ですが、”人生に喜びや笑いを添付したら結果は出るはず!”という「喜笑添結」で毎日を過ごしています。

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