◆ 女中(じょちゅう)とは?

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主に昭和の時代に多く存在したと言われている、女中。現代でも旅館や料理屋などで雇われている女性を女中と言いますが、今回は一般家庭で雇われていた女中を中心にまとめてみたいと思います。仕事内容はいわゆる家政婦さんとほぼ同じで、雇われた先の家庭の炊事や掃除など、様々な用事を引き受けるのが一般的でした。
また、イギリスで多く見られたメイドも女中と同じ扱いになるそうです。

①家庭や旅館・料理屋などに雇われて,炊事・掃除その他の用をする女性を言った語。お手伝いさん。
②宮中や将軍家・大名家などに仕えている女性。 「御殿-」
③女性に対する敬称。 「これ備前岡山の-さま/浮世草子・織留4」

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女中奉公は、明治の中頃までは口減らしのためだけのものではなかった。江戸時代の娘たちはそれぞれの身分に応じ、上の階層の家に奉公に上がったが、武家や、裕福な商家・農家では、娘を女中奉公にだすのは花嫁修業の一環だった。

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◆ 映画「小さいおうち」にも登場

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女中、と言われてもピンと来ない方も多いと思われますが、近年公開された映画「小さいおうち」の主人公の設定は女中でした。女中の目線からその家の主について、物語は進んで行くのですが、その劇中に当時の女中の生活ぶりや仕事内容なども細かく描写されており、今回の記事をまとめるにあたり参考にさせて頂いた部分も多いです。

今回、秀逸に感じたのは女中描写、「女中」という存在の演じ方です。でしゃばらず、話しかけられてもうつむき、返事も十分にできない。やや卑屈に見えもするし、言語コミュニケーションが一方通行になってしまっている様子は、別の生き物に見えてしまえなくもありません。

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◆ 女中の1日

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特にお金持ちの家、という訳ではなく、ごく一般的な中流家庭においても女中がいる事がさほど珍しくなかった昭和の時代。現在のような家電が充実していた訳でもなく、家事にも手間暇がかかっていた為、主婦ひとりで家の事をすべてこなすのは難しかったそうです。そんな女中の一日とは一体どんなものだったのでしょうか?

戦前までは、とくに裕福なわけではない中流家庭でも、女中を置いていることはめずらしくありませんでした。
当時の日本家屋は開放的で塵埃が入りこみやすかったため手入れの手間がかかり、衣類も食事も寝具もすべて家庭で手作り。裁縫ひとつとっても夏のあいだにいったん着物を解いて洗い張りをし、冬にかけて仕立て直したり、繕いものをしたりと、一年がかりで常に作業をしなくてはならならず、洗濯物はたらいと洗濯板を使っての手洗い。現代に比べて家族の人数も多かったので、主婦ひとりですべての家事をこなすのは難しかったのです。

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いわゆる家政婦の仕事と同じく、その家の事をすべて引き受けるのは当たり前の事だったようです。当時は家電も充実していませんので、ひとつの家事をこなすにもかなり時間がかかった事でしょう。
また、その家庭にお子さんがいた場合は子守から学校への送り迎え、病院への付き添い、習い事への送り届けなどさらに用事が増えていたみたいです。

掃除、洗濯、御飯炊き......あらゆる家事を電気の力を借りずにこなさなくてはならかった時代は、たとえ核家族でも一日の家事は重労働だったから、中流以上の家庭なら、女中を置くのはごく普通のことだった。

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大きなお屋敷やお金持ちの家に奉公にあがると、まずは先輩女中の補佐からスタートします。ほとんどの女中は長年同じ家に務め、その家を守り続ける事が仕事となっていくのですが、「小さいおうち」の主人公・タキは、間もなく家主のお知り合いの家へと回されます。そこはその名のとおり小さいおうちであり、タキ一人でご家族のお世話をするには十分だったのです。
タキは一人で掃除、炊事、洗濯、お使い、子守、などなど家事全般をこなしていました。

◆ 主に台所が仕事場

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女中さんの多くは一日の大半を台所まわりで過ごす事が多かったようです。家族の為の食事を作るのはもちろん、その他の作業も台所で行う事がほとんどだったそう。
また、来客の相手や準備などもする為、女中の部屋は台所や玄関に通じる場所に置かれています。

「戦前の中流家庭の家の典型的なパターン」と語る間取りは、中島京子の原作に添ってつくられた。中でも特徴的なのは、黒木華演じる女中・タキの部屋。「当時のいろんな新興住宅の本を探していたら、女中部屋は実際あったんです。2畳と狭く、寝るだけの部屋ですがね」。実際のタキの生活を考えて、お客が来る玄関と作業の多い台所に通じる場所に配置。

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◆ 御用聞きと仲良くなるのも仕事のうちだった

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戦争中は食料が手に入りにくかった為、常日頃から御用聞きと良い関係を築いておくのも良い女中のコツのひとつだったそうです。例えば、物が売れなくて困っている御用聞きから助けてあげるつもりで多めに物を買っておけば、食料が出回らない時期でも優先的に物を回してくれたりなど…。
家事だけではなく、外回りとのお付き合いや遣り繰りも仕事のうちだったのですね。

たとえば、御用聞きの視点に立つと、世の奥様方(各家庭)はこういうふうに分類できるらしい。
・大ざつぱな奥様は用心物です。
・「奥さん女中」は苦手です
・噂話の好きな奥さんは感心しませんなア
・愛想のいゝお断りは嬉しいものですよ
・名コンビには敵ひませんよ
・我れ関焉(かんせず)の旦那さまの家庭は信用出来ますよ
・知つたか振りの奥さんは軽蔑の的ですよ
・包丁の光つてゐる家は必らず栄えます
・身奇麗な奥様/お洒落な奥様

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◆ 奥様の命令には絶対

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基本的に女中は奥様の命令にまずは従う、というのが原則だったみたいです。奥様を通り越して旦那様の命令を聞いてしまうと、奥様の顔を潰す事になってしまうんだそう。また、直接旦那様とやり取りをしてしまうと、奥様の知らないところでいい仲になってしまう恐れもある為、お暇を出されない為にも賢い女中は必ず奥様にまずは仕える事を心がけていました。

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まだ少女の時代から女中として働き始めた場合、のちの奥様とは長年の付き合いとなります。その嫁ぎ先に女中がついて行く事も珍しくなく、家族以上の絆を育む事も。
また、奥様の方でも女中の身を案じて、結婚の世話までする事も珍しくなかったそうです。

◆ 女中にとって必要なものとは?

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女中にとって必要な要素とは一体なんでしょうか?家事全般を任せられるのですから、家事スキルは当然です。掃除や炊事の手際のよさはもちろんの事、奉公先のご家族や出入り業者、近所の方とのコミュニケーションをはかる人付き合いのスキルも必要となってきます。ですが、小さいおうちの原作にはこう書かれていました。
それは、「ある種の頭の良さ」です。わかりやすく言うと、頭の回転というか機転がきくというか、空気が読めるというか…。映画では後半に差し掛かり、主人公・女中のタキの「ある種の頭の良さ」がストーリーの鍵を握るようになります。

◆ 昭和を境に消えていった女中

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女中について色々調べて行くと、必ず昭和の時代に辿り着きます。昭和戦前期まで、女中がいることは珍しいことではなかったのです。ではなぜ、女中は姿を消したのでしょうか?また、どのような女性がなぜ女中になったのか?
女中のおかれた境遇について、もっと知りたい方はぜひ参考になさってください。

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