出典私の撮影とイラスト

記事提供 ロバート・熊のブログ

「もうこの業界は終わりだな」と嘆く私たち


会場に会員さんを集めて、話を聞いてもらい、健康食品や健康器具などを販売する会社に勤めていました。昔はとても景気の良かった会社で、20万円以上する高額の健康器具がバンバン売れていたのですが、時代とともにどんどん売れなくなってきていました。

私たち従業員は現状を嘆くようになりました。「景気が悪いから」「この営業スタイルはもう時代遅れだから」売れない理由をみんなで言い合い慰め合うようになりました。さらに「もうこの業界は終わりだな」と嘆くようになりました。

年々、売上は減少していました。主な客層は60代以上の年配の方だけど、昔に比べてお金を使わなくなってきている。メディアでは節約を大きく取り上げ、財布の紐が固くなってきている。「どうせ売れないだろう」いう気持ちが幅をきかせるようになりました。

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お客さんの前で「帰れ」と言われ困惑した私たち

会社には3つの営業所がありました。どこの営業所も売上は減少していましたが、特に私がいてた営業所の売上の減少は酷いものでした。そんな中、お客さんの前で商品の説明をするインストラクターとして社長がきました。いつも通り、お客さんの前で話を始める社長。私たちはそばで相槌を打ちながら場を盛り上げるアシスタントです。

突然社長から「お前ら、帰れ」と言われました。「え?」「何?」意味が分からなくて呆然とする私たち。さらに「聞こえなかったのか?帰れと言ってるんだよ」重い空気になりました。困惑しながら後ずさりする私たち。「え~~と私もですか?」と店長が聞くと「全員に決まってるだろ」耳を疑いました。

100人近く集まっている会員さんの目の前で、こんな事を言われたのです。お客さんも一体何があったんだというような表情をしていました。しぶしぶ帰ることにした私たち。「絶対に戻ってくるなよ」と社長に言われ、営業所をみんなで出ました。

営業所を出た後、みんなで喫茶店に行きました。「どうしよう?」「あれだけのお客さんの相手を社長一人じゃ無理だろ?」「でも社長が言ってるんだから仕方がないだろ」結局みんな不安な気持ちになりながらも帰ることにしました。

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次の日、普通に出勤しました。社長もいてました。昨日、私たちが帰らされたのは何だったんだ?みんな不安に思う中、お客さんが集まり、いつも通り営業が始まりました。そして時間通り社長の話が始まりました。

社長はお客さんの前で、昨日、私たちを帰らせた訳を話しました。その内容は

私はこの仕事を信念をもってやっています。私たちの商品で一人でも多くの方が喜ぶ姿を見たい。その一心でやっています。だから見えるのです。従業員がどういう気持ちでこの仕事に取り組んでいるかが。

私は自分のところの商品に絶対の自信を持ってやっています。絶対に喜んでもらえる自信です。だから真剣にお勧め出来るのです。しかし彼らにはその姿勢が見えなかったのです。だから頭に来て昨日は帰らせたのです。


そして商品の宣伝が終わり、お客さんから注文が殺到しました。今まで「どうせ売れないだろう」という気持ちが幅をきかせていただけに私たちは驚きました。販売している商品は高額ではありますが最高にいいものです。

使った人から感謝される商品です。本気でお客さんに向き合わない従業員を全員帰らせてでも、一人でも本気で宣伝をするという社長の気迫に多くのお客さんが感動をしたようでした。

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「どうせ駄目」と嘆く人が現状を変えることはない

それから営業所の売上は伸びていきました。社長の「俺は一人でもやってやる」という気迫に圧倒されて飲みこまれた私たち。一人での営業なんてほとんど不可能。なにかあったらどうするんだ?そんなリスクを取ってまでも私たちの心に火をつけてくれた社長。


「どうせだめ」と現状を嘆く人は現状を変えることはありません。仕事をしていると未来に希望をもてなくなり弱音を吐きたくなることが多々あります。そんな弱音を吐くみんなと共感し、「そうだ、そうだ」と慰め合うことがあります。そんな時にこの事を思い出します。「どうせだめ」という気持ちが希望の持てない未来に変えているということを。

最後までお読み頂き有難うございます。ブログでイラスト付きのエッセイを書いています。よろしければそちらも見に来てくださいね。

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