2015年はギリシャは特に大変な一年を迎えました。2010年から続いている放漫な財政運営による経済危機と共に、今年はシリアからの難民が数千人単位でギリシャ離島に流れ着きました。イギリスのメディア「the Guardian」のギリシャ出身専属カメラマンが、故郷で起こった出来事をカメラに収めた様子が「the Guardian」に掲載されました。

感慨深く受け止めたこの一年

出典 http://www.theguardian.com

メディアカメラマンのヤニス・ベラキスさんは25年間、世界中の難民を取材してきました。「でも今年は感慨深いものがありました。自分の故郷に多くのシリア難民が流れ着いたからです。」毎晩離島に到着するボート。

小さなボートに押し潰されるように乗っている難民たち。どんなに荒い天候でも彼らはやって来ました。でも小さなボートからは難民たちが抱える恐怖が伝わってきたとベラキスさんは言います。「ギリシャに着いても、受け入れてもらえるかわからない。警察に捕まるかも知れない。そんな不安があったのでしょう。」

毎日何千人と流れ着く途中で何十人もの人が犠牲になった

出典 http://www.theguardian.com

無事に漂流できずに海で命を落とした幼い子供たちのことが世界中で大きく報道され、私たちい衝撃を与えました。命を懸けて子供を連れてシリアから逃げた家族。子供を救うはずが辛い漂流で子供を失うことになってしまった両親。彼らの必死な思いがカメラ超しに痛いほど伝わってきたことでしょう。

顔見知りの難民にも出会った

出典 http://www.theguardian.com

長年難民を撮影し続けているベラキスさん。去年、トルコとシリアの国境である男性に出会いました。その男性はベラキスさんの顔を覚えていました。今回ギリシャに流れ着いた時にベラキスさんの姿を見て「やったぞ!とうとう脱出できたぞ!」と叫んだそうです。

日々何回も繰り返される同じシーンが悲しみと共に胸に焼き付く

出典 http://www.theguardian.com

故郷ギリシャで難民の姿をカメラに収め続けたべラキスさん。「たくさんの感情と葛藤がありました。毎日何度も同じ光景を目にしたことが悲しみを誘いました。自分の故郷で、多くの苦しんでいる人たちの姿を撮り続けるというチャレンジは、今年は私にとってはハードなことでした。」

思わず目を凝らしてレンズを絞った

出典 http://www.theguardian.com

ボートに乗ってこちらに流れてくる難民にシャッターを切ろうとした瞬間、海面が跳ねたのを見たというベラキスさん。一瞬、ボートから誰かが海に落ちたのかと思い目を凝らすと、一匹のイルカでした。「まるでそのイルカが、難民たちをこちらに導いているかのように思えました。ギリシャへ来るのを歓迎しているかのような、不思議な情景でした。」

シリア難民に混じって他国からもギリシャに流れ着きました。これほど多くの難民が到着するとは思ってもいなかったにも関わらず、ギリシャは快く受け入れました。また他国からギリシャ入りしたボランティア達の協力もあり、難民がギリシャから他のヨーロッパ諸国へ辿り着くことができたのです。

衝撃的な情景を目の当たりにして不眠症にもなった

出典 http://www.theguardian.com

本人も昔ギリシャに難民として流れ着いたという過去を持つベラキスさんは、今回の情景を撮影し続け、もっと自分にできることがあるのではないかと罪悪感に苛まれ、日々悪夢を見たり不眠症になったりした日々があったそうです。

「私は子供の父親でもあります。だから子供たちが大変な思いをしているのを見るのは辛かった。」それでも必死にシャッターを切ったベラキスさん。彼の写真は世界中の人々に現状を訴え、今起こっている社会問題を共に考えようと呼びかけているのです。

今年一年、あなたが最も心に残っている出来事は何ですか?少しでも多くの人の心に嬉しかったこと、楽しかったことが残っていてほしいと願う筆者。テロや内戦、虐待、様々な犯罪事件など今年も私たちの心は搔き乱されました。

でも、幸いにも私たちは生きています。今年いろんな状況下で亡くなった人たちの冥福を祈ると共に、来年は今年よりも一つでいいから悲しい事件が減ってくれることを祈りたいです。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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