記事提供:カラパイア

減量・増量はあたりまえ、ピアス開けまくりに植毛や顔面補綴、入れ歯に眉毛そり落としなど、役になり切るためにその姿をガラっと変貌させてしまう、役者魂炸裂な俳優たち。

その壮絶なまでの努力を作品、サイドストーリーと共に振り返ってみよう。

1. ジョニー・デップ ― 『ブラック・スキャンダル』

エドワード・シザーハンズからジャック・スパロウまで、ジョニー・デップはカメレオンのような俳優だ。

そして今度は実在した裏社会のボス、ジェームズ・ジョセフ・バルジャーを描いたクライムスリラーでの役作りによって、オスカー候補に挙げられている。

ハゲかつらや植毛、顔面補綴、コンタクトレンズ、歯の染み付けなど、アイルランド人の特徴を出すために身体への負担が大きいメイクで演技に臨んだ。

バルジャー本人との面会は拒否されてしまったが、記録テープや彼の弁護士を通じて、その人となりを研究している。また、エアロスミスのギタリスト、ジョー・ペリーからボストン訛りを学んだという。

2. ロバート・デ・ニーロ ― 『レイジング・ブル』

出典 YouTube

徹底した役作りの代名詞"デ・ニーロ・アプローチ"の真骨頂が見れる作品だ。プロボクサー同然のトレーニングで、ミドル級チャンピオンの鍛え抜かれた肉体を作り上げた。

さらに引退後のたるんだ身体を表現するために、4ヶ月間イタリアで、パスタやチーズやアイスなど、あらゆるものを食べて回り27kgの増量を行っている。

スコセッシ監督は、肥満で呼吸困難になったデ・ニーロの健康を案じて撮影を一時中断したほどである。その甲斐あって、アカデミー賞主演男優賞に輝いた。

3. シャーリーズ・セロン ― 『モンスター』

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フロリダ州の連続殺人鬼アイリーン・ウォーノスの生涯を描いた本作品で、元モデルのシャーリーズ・セロンはその美貌を完全に封印してしまった。

役のために体重を13kg増やし、乱杭歯の入れ歯を入れ、髪の毛を間引いて痛め、眉毛は部分的に剃り上げた上で脱色し、さらに肌にも刺青のインクでソバカスだらけに見せるという徹底ぶりだ。

映画評論家のロジャー・イーバートは、「演技というよりは具現化だ。映画史に残るもの」と絶賛している。アカデミー賞主演女優賞やゴールデングローブ賞主演女優賞をはじめ、17個の賞を受賞した。

4. トム・クルーズ ― 『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』

ロバート・ダウニーJr.も本作品で渾身の役作りをしていたが、それもトム・クルーズがカメオで演じた金に汚い映画プロデューサー、レス・グロスマン役の前では霞んでしまう。

彼のキャリアの中でも例に見ないような強烈な悪役振りで、ファットスーツを着込み、ハゲかつらをかぶり、体毛を植え、作り上げたその容姿はまるで人間の男性器のようだ。

当時、観衆を驚かせるためにトム・クルーズの役柄は伏せられ、写真が公開されることもなかった。グロテスクなグロスマンは半ばカルト的な扱いを受け、スピオンフ作品の噂まである。

5. ルーニー・マーラ ― 『ドラゴン・タトゥーの女』

ルーニー・マーラーが自身のキャリアの中で最高の役を獲得したのは、10週間にわたる過酷なオーディションとスクリーンテストを経た末のことだった。

本来の清潔感のある顔立ちは完全に演じる役そのもの変貌した。体重は7kg近く落ち、髪は黒く染めた上で大胆にカットされた。

眉毛も脱色し、局部に植毛し、落とせるタトゥーを入れ、さらに左右の耳それぞれに4ヶ所、眉毛に3ヶ所、右の乳首に1ヶ所というピアスの穴まで開けている。

撮影後、ピアスは取り除かれたが、アカデミー賞にノミネートされ続編の期待が高まったことから、乳首のピアスだけは残してあるそうだ。「もう一度穴を開けるのだけはゴメンだわ」と本人がコメントしている。

6. クリスチャン・ベール ― 『マシニスト』

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極端なまでの完璧主義者であるクリスチャン・ベールは『ザ・ファイター』で麻薬中毒の元ボクサーの役作りとして13kg減量したかと思えば、『アメリカン・ハッスル』で肥満の詐欺師を演じるために激太りしてみせるなど、自在な体重コントロールで知られている。

だがその真骨頂は2004年のサイコスリラーである本作品だ。1年間寝ていない人物を演じるために、リンゴ1個、コーヒー1杯、ツナ缶1個という食生活で30kg減量し、身長182cmにして54kgという激ヤセをやってのけた。

だが驚くべきはそれだけではない。その後、『バットマン・ビギンズ』の撮影を控えていた彼は、徹底的なトレーニングと大量のアイスクリームを摂取し、わずか6ヶ月で今度は86kgまで体重を増やしている。

7. レネー・ゼルウィガー ― 『ブリジット・ジョーンズの日記』

酒とタバコが大好きな本作のヒロインに抜擢されたとき、アメリカ人でやせ形の彼女がイギリス人役を演じることに批判が巻き起こった。

レネー・ゼルウィガーはこれを真摯に受けとめ、ロンドンの出版社で極秘に働きイギリスのアクセントをマスターするとともに、1日4,700キロカロリーに相当する大量のパスタとスニッカーズとミルクシェーキを食べて体重を増やすと、見事なまでのブリジットを作り上げた。

現在、シリーズ3作目に当たる『Bridget Jones' Baby(ブリジット・ジョーンズの赤ちゃん)』を撮影中だが、11年の空白期間ゆえに訛りをすっかり忘れて専属コーチの下で特訓中だとか。

8. マーロン・ブランド ― 『ゴッドファーザー』

「文句は言わさん」…よくモノマネされるヴィトー・コルレオーネを演じるためにブランドが徹底的に自分を見つめ直した事実はすぐに見過ごされてしまう。

数多くのトラブルから俳優としての評価が失墜し、すでに過去の人となっていた彼であったが、フランシスコ・フォード・コッポラはブランドに賭けることにした。

当時46歳であった彼が老齢のドン・コルレオーネ役のスクリーンテストに臨むにあたり、口に綿の詰め物を入れてブルドッグのような風貌を作ったという。

本番の撮影では、オーダーメイドのマウスピースを着用し、髪を染め、老人用のメイクアップを施した。またセリフも掠れた囁くような話し方で行った。アカデミー主演男優賞に選ばれたが、人種差別への抗議を理由に受賞を拒否している。

9. エディ・マーフィー ― 『星の王子 ニューヨークへ行く』

『ナッティ・プロフェッサー』のファットスーツを抜きにすれば、エディ・マーフィの大変身は1988年の本作品で見ることができる。

主人公を演じた彼であるが、同時にユダヤ人の床屋に訪れる年配の男ソールなど、複数の脇役をも演じた。

ソールはボクシングについて床屋と口論しているが、その床屋のクラレンスもまた彼である。

この場面は、20世紀初頭にユダヤ人のコメディアンたちが黒人メイクをしていたことへの仕返しとして考案されたという。本作品の後、1人複数役はエディ・マーフィの十八番となった。

10. マシュー・マコノヒー ― 『ダラス・バイヤーズクラブ』

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時代遅れのロマンティックコメディでよく服を脱ぐと評判のマシュー・マコノヒーだが、アカデミー賞主演男優賞を受賞した本作品で披露した肉体はそれほど鍛え上げられていない。

本作品はエイズに冒された人物の実話を描いたもので、その役作りのため、マコノヒーはダイエットコーク、卵の白身、タピオカ、鶏肉などの食事を摂る一方、エクササイズを控えることで17kgの減量に成功している。

マコノヒーによれば、体重が63kgを切った頃からスタッフが助けを求めるよう促してきたという。「それで思ったよ。完璧に上手くいってるってね」とは本人の談だ。病的な外見を作り上げるために、6ヶ月間日差しも避けたそうだ。

出典:theguardian

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