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「絨毛(じゅうもう)がん」…初めてこの言葉を聞いたかたも多いのではないでしょうか。子宮頸がんや乳がんなどと違い、耳慣れない病名ですが、実は一番怖いがんだともいわれています!

今回はこの絨毛がんについて、医師に詳しい話を聞いてきました。

絨毛がんってどんなもの?

絨毛は胎盤の一部で、妊娠したときに赤ちゃんとお母さんをつなぐために作られる組織です。絨毛がんはこの絨毛から発生するがんですが、子宮頸がんや子宮体がんなど、子宮に発生するがんの中では最も悪性度が高く、進行が早く、転移もしやすいため、異常に気がつかずに放置すると半年から1年以内に死亡してしまう場合があるのです。

発症頻度は妊婦1万人に1人で、日本では、絨毛がんで死亡する人は毎年50人程度といわれています。

絨毛がんの症状は?

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1. 不正出血
代表的な症状に、不正出血があります。出産後や流産の後に不正出血が続く場合は、絨毛がんの検査をした方がいいでしょう。

2. 転移
転移が早いため、咳や呼吸困難、頭痛や吐き気といった、肺や脳に転移することによって現れる症状がきっかけで気がつくこともあります。

妊娠中や出産後は体調変化が起きにくく、何か体調の変化があってもつわりや妊娠に伴う変化と思ってしまいがちです。しかし、妊娠後も症状が改善されない場合には、早めに医療機関で相談するといいでしょう。

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絨毛がんの原因は?

絨毛がんの約半数が、胞状奇体(ほうじょうきたい)という異常妊娠後に発症しているといわれています。胞状奇体とは妊娠したときに、絨毛が水ぶくれのようになってしまう状態です(妊娠の継続はできません)。胞状奇体の治療方法は異常が起きた絨毛を引っ掻いて取り出すことになりますが、このあとから絨毛がんが発生するといわれています。

胞状奇体になった人すべてが絨毛がんになるわけではなく、その頻度は100人に1人くらいといわれています。また、胞状奇体の治療をしてから10年くらい経過しても絨毛がんの発生するリスクはあるといわれていて、胞状奇体治療後も定期的な検査を受診することが必要になります。

絨毛がん、検査と治療法

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【検査】
症状によって異なりますが、一般的な検査には尿検査や血液検査があります。絨毛がんにかかると「絨毛性ゴナドトロピン」という物質が尿中に増えます。血液中にも腫瘍マーカーと呼ばれる物資が増えることがあり、これらを尿や血液で検査します。

また絨毛がんが疑わしい場合には、肺などへの転移を調べるためにCTや超音波検査も併せて行われます。

【治療】
絨毛がんには抗がん剤が非常に効きやすいという性質があります。そのため、外科療法や抗がん剤治療を行うことで、半数以上の患者は治るといわれています。

外科療法の場合は専用の機材を使い、子宮の中にある絨毛組織を取り除きます。状況により子宮を摘出する場合もあります。

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【医師からのアドバイス】

悪性度が非常に高い絨毛がんですが、抗がん剤が効く性質があるため、早期に発見すれば治すことが可能です。体の違和感を感じたら、ためらわずに医師に相談するようにしましょう。

(監修:Doctors Me 医師)

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