スポーツクライマーからアルピニストへ

不世出の大天才“デビット・ラマ”

出典 http://static1.kleinezeitung.at

“スポーツクライミング界のネイマール”と呼ばれた神童デビッド・ラマは、弱冠5才にして天賦の才を登山家ペーター・ハーベラーに見出された。エベレスト無酸素初登頂を果たしたハーベラーの指導を受け、以後メキメキとクライミング技術が開花。

14才でユースワールドカップ優勝。翌年も連続優勝。正に神童が天才へと昇華した瞬間だ。シニアに活躍のフィールドを移したデビッドは最年少優勝を果たし、18才にしてワールドカップの総合優勝を果たした。

だが彼は、クライミングジムから自然界の岩壁に、フィールドを移す。そこに立ちはだかった要塞は、世界一登るのが難しいと言われた尖峰にして難攻不落の要塞、南米パタゴニアにある“セロトーレ”。

南米パタゴニア、難攻不落の要塞“セロトーレ”

出典 http://www.wallpaperlink.com

3,102mのセロトーレは垂直に切り立った独立峰。その頂きは絶えず冠雪をたたえ、絶壁と氷と脆い岩肌、変わりやすい天候から数多のクライマーの挑戦を退けてきた、いわくつきの岩稜だ。

「“セロトーレをフリー化する」
高らかに宣言したデビッドと、その無謀とも言えるチャレンジはメディアの衆目を集め、初トライの2009年、デビッドは手痛いしっぺ返しをもらうことになる。待っていたのは軽んじることを許さない自然の、余りに厳しい洗礼。

しかし2度目のチャレンジで、彼の中の、何かが変わった。

『…挑戦を始めて2年間はとにかくキツかった。だから山頂に立った時は、フリーで登ったかどうかなんてまったく気にならなかった。そして初めて気付かされたんだ。登頂することの難しさにね。

その瞬間ぼくはスポーツクライマーからアルピニストになったんだ。スポーツクライマーとして僕が最初に学んだことは、“ボルトに触るな”ということだった。“落ちたら負け”という考え方や、競技のルールに完全に縛られていたのさ。

でもセロトーレの山頂に自分の足で立った時、基本的なことに初めて気付かされたんだ。
あの山はジムでも競技会場でもなければ、1000人の観衆も審判もストップウォッチも存在しない。いるのは自分自身と相棒だけ。決定権を握るのはルールではなっく自分の心なんだ」

映画『クライマー パタゴニアの彼方へ』はこのデビッド・ラマの、難攻不落の要塞“セロトーレ”に挑んだ姿を余すことなく伝えたドキュメンタリー映画だ。デビッド・ラマは都合三度、この難攻不落の要塞に挑んでいる。

果たして彼に三度目の正直は訪れたのか。そして彼はフリーでの世界初登頂の栄冠を手にすることが出来たのか。また、この不世出の大天才に訪れた胸中はいかに。

この物語は人が成長する姿を、余すことなく伝えている。そして、成長する為には何が必要で、人はどのようにチャレンジに関わるべきか。見終った後、去来するものを、貴方にもぜひ体感してほしい。

それにしても全編に渡る山々の、余りの美しさも必見だ。

出典 YouTube

このドキュメンタリー映画は2013年、シンカにより配給されたトーマス・ディルンホーファーによる作品。
後援:オーストリア大使館、日本山岳協会、日本山岳ガイド協会 特別協力:MAMMUT SPORTS GROUP JAPAN 
公式HP:climber-movie.jp
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