記事提供:Doctors Me

医師をはじめとする専門家が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。今回のテーマは「お酒の強さと遺伝子の関係」について。

予防医学を学び、老化と病気の予防と治療のための健康指導を行っている医師・松本明子先生のコラムをご紹介します。

皆さんはお酒に強いですか?

私もしばしば飲んでいた頃は冷酒を1-2合ぺろりと飲んでいました。しかし、ある程度は赤くなりましたし、適度に酔っぱらっていました。時には二日酔いも…。

お酒の強さは遺伝的に決まっています。まさに遺伝子のなせるワザです。

■ お酒の強さは鍛えられない…

お酒の強さは、アセトアルデヒドデヒドロゲネース2(ALDH2)という酵素が体の中にたくさん作られるか、少々作られるか、ほとんど作られないか、で生まれつき決まっています。

そして、この酵素は「鍛えること」では増えません

でも、実際には飲んでいるうちにだんだん強くなることがありますね。これはミクロゾームエタノール酸化酵素(MEOS)という別の酵素が増えてきてアルコールを代謝できる量が増えるからです。

ただ、所詮は2番手。ALDH2にはかないません。

また、ALDH2はお酒のために存在する酵素ではなく、体の中の強力な抗老化、抗病気の酵素です。

つまり、お酒に強い遺伝子を持って生まれた人は幸運な人と言えるでしょう。そして、この人達にはお酒に関する病気が「飲む量の割には」少ないのです。ちなみに、秋田・岩手・鹿児島などの酒所の人は80%近くがこの強者です。

■ 「ある程度飲める」はお酒に関する病気にかかりやすい!

さて、食道がんやアルコール性肝障害のようなお酒に関する病気が多いのは誰でしょう?

実は、全く飲めない人ではなくある程度飲める人です。理由は簡単。全く飲めない人は最初から飲まないからです。

私のような、ALDH2を多少作れる人はある程度飲むことができ、「鍛えている」うちに2番手の酵素も増えてくるので、それなりに飲むことができるようになります。

でも、ALDH2は少ないままのでお酒の害はまともに受けやすい。このタイプは二日酔いにもなりやすく、日本人の半分はこのタイプだと考えられています。

■ あなたはどのタイプ?

皆さんはどのタイプでしょうか? 御両親はいかがですか? 生まれて初めてお酒を飲んだ日のことを思い出してみましょう。その時も全く酔わなかったでしょうか? それなら幸運な人と言えるでしょう。

だからといって、許容量を超えて飲むとお酒の被害が出るのは言うまでもありません。アル中の人はほとんど「お酒に強い遺伝子」を持っています。依存症になるまで飲むことができるためには「強い遺伝子」が必要だからです。要は、許容量が大きい、というだけの話です。

大切な酵素を無駄遣いしないようにご注意を。

~医師:松本 明子~

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