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子ども達が憧れる職業でもある、野球選手やサッカー選手。才能を発揮しながら活躍する姿は、まさに「好きなことで生きていく」象徴でもあります。

しかし、あくまでもそれは現役選手として活躍している間であり、選手として一線を退いた場合、戦力外通告を受けた場合は、その後の生活は保証されていません。

そこで今回は、選手たちの引退後について紹介したいと思います。

引退後の仕事としてイメージするのは…

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野球・サッカーを問わず、選手たちの引退後の仕事としてイメージするのは、コーチや監督、解説者、もしくはタレント活動などではないでしょうか?

しかし、こうした進路は一般的に思うよりも狭き門で、多くの選手は全く違う道を選ばざるを得ないのが現実なのです。

解説者になることも難しい理由

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指導者の椅子は、ある程度シーズン終了までに球団内部で打診されていることもあり、狭き門だというのは分かるのですが、野球解説者の仕事をするのも一苦労という現実には、こんな背景がありました。

今は地上波の巨人戦中継がほぼ消滅しており、既存の解説者でさえ思うように稼げなくなっています。

わかりやすくいえば、打者なら2000本安打、投手なら200勝という超一流の実績を残して、ようやくその後のキャリアもなんとかなるという感じなのです。

出典 http://biz-journal.jp

野球の試合そのものを地上波で放送することが少なくなっているのです。これは筆者も実感していることですが、野球放送が地上波で放送されず、BSなどで放送されることも少なくありません。

こういったことから、野球解説者の仕事で生計を立てることも難しくなっていました。

例として、引退後に大変な苦労をされた元選手の方を見ていきましょう。

日本のみならず、韓国、台湾でも活躍した入来智さん

出典 http://ryosuke-takeuchi.com

社会人野球からプロ入りし、広島、近鉄、巨人、ヤクルトと渡り歩き、韓国と台湾でも活躍した入来智さんは、2004年の現役引退後に壮絶な生活を送っていました。

引退後に一般企業で働くも長続きせず、転職回数はなんと10回…。浪費や前妻への慰謝料などで貯金を使い果たしてしまったのだそうです。仕事が長続きしないことで、奥様や親族とぶつかることもあったとか…。

その理由として、入来さんは「元プロ野球選手としてのプライドが捨てきれなかった」と話しています。

実績を上げていた人は周囲も扱いに困る

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入来さんのように、実績を上げていた方はやはりプライドを持っているため、違う畑での生活に適応しづらい、生活レベルを変えられないなどの問題があります。

同時に、周囲の人達もこんな傾向があるようです。

野球で大成できず、20代前半で引退した選手の場合はそこまでプライドもなく、素早く切り替えられます。しかし、なまじ実績を残していると、周囲もどう扱えばいいかわかりません。

出典 http://biz-journal.jp

プロ野球選手も1軍で活躍している選手と、2軍選手では違います。実績を残している選手の場合、周囲の人も接し方に悩むのです。

ここまでの話を見ると、現役時代に貯蓄をすれば生活できるのでは?と思う方もいると思います。

たしかにスター選手であれば、しっかり貯蓄をすることも可能でしょう。しかし、2軍やサッカーのJ2、J1下位では貯蓄もままならないこともあるのです。

想像以上に過酷な生活

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在京球団の2軍選手の生活は、想像以上に厳しい。

当時の私の年俸が560万円。月の手取りが40万円ほど。

ほぼ毎日自分の車で試合会場へ向かうため、交通費は月に10万円かかる。プロ野球選手は個人事業主なので、球団からの交通費の支給はわずか。ほぼ、ないといってもよい。

家賃、光熱費、携帯電話料金、各種保険などの支払いを終え、食費を考えると、月に自由に使えるお金は5万円ほどだった。

出典 http://toyokeizai.net

元横浜DeNAベイスターズの選手で、現在はスポーツライターなどで活躍する高森勇旗さんは、現役時代の収支を明かしていました。

年俸560万円という数字は、一般のサラリーマン家庭と比較すれば決して低い金額ではありませんが、交通費などの経費が出ないこと、各種保険の負担を考えると生活は厳しいものなのです。

さらに、サッカー選手についても調べてみました。

『Jリーグには最低賃金保証制度がある』なんていわれていますが、それはシステムをよく理解していない人たちの発言です。

新卒入団後に所定の出場時間をクリアしていない選手を対象とする『プロC契約』の上限は480万円ですが、下限はありません。つまり、年俸200万円のJリーガーが存在しても違反ではないのです。

出典 http://biz-journal.jp

一般的な仕事であれば、最低賃金が保証されていますがJリーグは最低賃金の保証がないのです。

このプロC契約というのは大卒選手に適用される条件ですが、彼らの多くはけが人が出た時のピンチヒッター要員での採用と言われています。

上限のない契約をするには、一定の出場時間を超えるか、加入から4年を超えるか、どちらかの条件をクリアしなければなりません。

しかし、実際にはそんなに試合に出してもらえませんし、加入から4年を超える前に戦力外通告をするなどの対応をされることが少なくないのです。

さて、このサッカー選手の待遇でも上がっていますが、選手の最終学歴による差というのも引退後の生活に影響が少なからずありました。

野球選手の場合について、選手の年俸をテーマにした漫画「グラゼニ」の原作者である森高夕次さんが、次のように明かしています。

引退後を考えると大卒は有利?

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引退後の再就職先として、華やかに見えるのはテレビの解説者かもしれませんが、安定していて人気も高いのは球団スタッフのほうです。

この球団スタッフになるには、密かに「学閥」というものが存在します。引退後に球団広報などのスタッフに残っている選手が、東京六大学野球の出身者が多い傾向も感じられます。

出典 http://www.news-postseven.com

つまり、大卒ということで引退後に球団スタッフとして働けるチャンスがあるということです。

一般企業でも「学閥」が存在する企業は珍しくありませんが、プロ野球においても例外ではないと言えます。

引退後の暮らしを考えると、細く長くでも一定の収入を得られる安定感において大卒が有利なのかもしれません。

一概に高卒、大卒どちらがいいとは言い切れませんが、自身も野球選手をしていた石井一久さんが、契約社員として吉本興業に入社したのも「引退後の生活」についてシビアに考えた末のことでした。

「引退後の生活をサポートしたい」

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スポーツ選手で何が一番不安に思うのかというと、結局、引退後の生活なんですよね。

幸い、僕はこの歳になるまで現役をさせてもらって、正直な話、ほとんど不安はなかった。ただ、選手ほぼ全員が不安を抱えている。そこに対して、自分が何かできないものか。

同時に、僕一人がやっても、できることなんて限られている。どうせやるなら、影響力の大きなところでやった方がいい。そんな流れで出てきた答えが、吉本に入ってスポーツ選手をサポートするマネジメントを行うということだったんです。

出典 http://thepage.jp

引退していく仲間を見て、石井さんが選択したセカンドライフは、選手をサポートする道でした。

実際に2015年の1月には、埼玉西武ライオンズの岸孝之選手に声をかけ、吉本興業とのマネジメント契約成立に一役買っています。

岸選手はまだ現役ですが、引退後の仕事を考えると今のうちから契約をすることは、決してマイナスにはならないのではないでしょうか。

スポーツ選手はとても素敵な職業ですが、現役から退いた後の生活設計が難しい場合もあります。

競技の技術だけではなく、引退後に活かせる能力を現役時代の内から磨いていくことも必要なのかもしれません。

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