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医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
エイズは正しい知識と行動によって、多くの場合、感染予防することができます。12月1日は世界エイズ・デー。エイズ蔓延防止のための国際記念日であり、エイズ患者への差別や偏見をなくそう、という日でもあります。

今回はエイズの正しい知識について、医師に詳しい話を聞いてきました。

エイズってどんな病気?

【エイズの概要】
原因となるウイルスはHIV(ヒト免疫不全ウイルスHumanimmunodeficiencyvirus)で、1型と2型がありますが全世界で大半を占めるのが1型です。2型は西アフリカに偏って存在しているようです。

リンパ球がHIVに感染すると、数年から10年くらいかかって徐々に免疫機能が低下し、通常なら病気を起こさないような弱い病原体にも負けてしまうようになります。そのため、様々な感染症や神経系の障害、肉腫という悪性腫瘍(初期状態のがんを攻撃し消滅させるといわれる免疫力が落ちるため、発癌しやすくなると考えられる)、特殊な肺炎などを起こすエイズという状態に至るのです。

【感染経路】
日本では1985年に初めてエイズ患者が確認されました。最初のうちは感染のほとんどが血液凝固因子製剤(非加熱製剤)による感染の薬害エイズでした。

現在の主な感染経路は性行為による感染が多く、ごくわずかに違法薬物の回し打ちや母子感染が確認されています。日本は残念ながら先進国の中で唯一、感染者が増加しています。感染源となるのは感染者の血液、精液、腟分泌液などで、唾液にはウイルスは含まれず、キスでは感染しないとされています。もちろん通常の生活での接触では感染しません。

エイズの症状は?

1. 初期症状
感染後は、4割以上に急性感染症状を起こすようです。

インフルエンザの症状と似ており、特徴的な症状ではないために風邪などと思い過ごされることも多いようです。その後は年単位で通常は無症状で経過します。この間も他の人に感染させてしまう可能性はあります。

【HIVの急性感染症状】
・発熱
・リンパ節の腫れ
・喉の痛み・炎症
・発疹
・筋肉痛や関節痛
など

2. 本格的に発症
その後、本格的に免疫系が機能しなくなってくると弱い病原性の病原体にも負けるようになります。

【本格的な発症後にかかる感染症・疾患】
ニューモシスチス肺炎・カンジダ症・サイトメガロウイルス感染症・結核(肺と肺以外でも発症します)・非定型抗酸菌症・カポジ肉腫(悪性腫瘍)・HIV脳症、単純ヘルペス感染症、トキソプラズマ症、アメーバ性肝膿瘍など。これら状態をエイズ(後天性免疫不全症候群)といいます。

エイズの治療と予防

【治療方法】
まだHIVウイルスを完全には除去できる薬はありませんが、増殖を抑えて生存期間をかなり伸ばせる薬がすでに多くあり、今後も新しい薬が次々に出てくるはずです。

感染する機会があった人は保健所などでできる限り早めに検査を受け、陽性であれば保健所から対応医療機関を紹介してもらいましょう。治療を継続していくことで長く生きることができ、完全にウイルスを除去できる薬の誕生を待つこともできるでしょう。

【予防するには】
・性行為は不特定多数としない
・性行為をする場合はコンドームを使用する
・オーラルセックスをしない
・かみそりや歯ブラシの共用をしない
・入れ墨やピアスを入れない
・違法薬物を使用しない

もしエイズになってしまったら、また、パートナーがエイズにかかった場合は、指定医療機関を受診しましょう。性行為についても指定医療機関で相談しましょう。

【医師からのアドバイス】

エイズは予防できる病気です。正しい知識を持って自身の身を守ることが大切です。また、感染の可能性を疑った場合は、無料・匿名で受けられる保健所での検査があるので、感染機会から3ヶ月後に検査を受けましょう。

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