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初の中編小説『火花』が第153回芥川賞を受賞し、「GQ Men of the Year 2015」にも選出されたお笑いコンビ・ピースの又吉直樹さん。 

まさに今年の顔といえる存在ですが、そんな又吉さんが2011年にNHKの番組で見せたある“偉業”の一部始終を紹介しましょう。

2011年6月9日に放送された、NHKの番組『仕事ハッケン伝』。 

この番組は、「もし今と違う仕事についていたら、どんな人生を送っていたのだろう」をコンセプトに、各界の著名人が様々な企業に1週間入社して仕事を体験するという内容の番組です。 

難しい仕事に有名人たちが悪戦苦闘する様子が見所のひとつであった同番組ですが、又吉さんは“想定外”とも言えそうな活躍を見せました。

又吉さんが入社したのは、コンビニチェーン「LAWSON」を運営する株式会社ローソンの広告販促企画部。

ここで又吉さんは、部員のアイデアに日々厳しい目をもって接するマネージャーの指示のもと、新しいパスタ商品のPOP(売り場に置く広告物)を考えることになります。

その新しい商品とは、手の平サイズの2種類のショートパスタ。女性にウケるPOPのコピーを考えることになり、3日後のプレゼンに向けて先輩社員と競います。

LAWSONの店舗でのお客さんの行動観察、街中での女性へのヒヤリングをかさねた又吉さんは、ターゲットを30代~40代の女性に設定し、この世代の女性たちが「かわいい」と感じるコピーをつくることを目指します…。

そうして迎えたプレゼン。競合相手である先輩社員は、あえて商品の特徴を説明する長い文章のコピーを考えますが、これはマネージャーから「長い」と厳しいダメ出しを受けます。

対して又吉さんは、「(30代~40代の)女性たちが必ず足を止め、ほほえみ、自分のものにしたいと感じさせる言葉を考えました」と言った後、ホワイトボードに「末っ娘」(すえっこ)という言葉を書きます。そして、以下のキャッチコピーを記しました……

「末っ娘が生まれました。かわいがってください。」

手の平サイズの“ショートパスタ”をパスタ商品の末っ娘として設定したこのコピー。

プレゼンを聞いた女性社員たちはすぐさま「かわいい」と大絶賛し、競合相手の先輩社員は、「感動してます。(この発想は自分だったら)絶対に出てこない」と脱帽。 

さらに厳しいマネージャーも、「すごいです。300点です。100点超えたの初めてですよ」と手放しで称賛しました。

プレゼン会議のその場で採用が決定するのはごくわずかということでしたが、又吉さんの考えたこの「末っ娘が生まれました。かわいがってください。」は即採用決定。

当時、実際に店舗にもこのコピーをもとにしたPOPが置かれました。

芥川賞受賞という快挙により、日本中の人が知ることになった又吉さんのたぐいまれな才能とセンス。もしビジネスの世界に身を置いていたとしたら、また違った形で社会を驚かす“快挙”を残していたのかもしれませんね。

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