弁護士が従業員とのW不倫の末、女性の配偶者によってペニスを切り取られる事件がありました。暴行に及んだ男性は司法の裁きを受けますが、不倫をしなおかつ夫を炊きつけて犯行の原因を作った妻には、何らお咎は無い模様です。この理不尽さに、今後社会はどう処断を下すのでしょうか?

不倫をしても罪には問われません。弁護士もそれを分かっていながら行ったとすれば、悪質極まりない人間です。ただ、不倫をされた配偶者は、した相手に対して慰謝料の請求ができ、数十万円から数百万円の金額になることは確かです。不倫において慰謝料が請求できるのは、どちらか一方かもしくはその両方に配偶者がいて、破綻していない家庭を築いていることが条件になります。金額に上限や規定はなく、相手側の家庭が被ったダメージによりその額は調整されます。仮に、相手の家庭が崩壊してしまった場合、どれくらいの要求がなされるかは見当も付きません。家庭環境や生活レベルによっても変わりますが、相当額に及ぶことは必至です。ペニスを切り取った被告も、もう少し理性的になれればよかったですね。とにかく、不倫にまつわる血なまぐさい事件は、現在も跡を絶ちません。ですが、今回のような男性器を切り取る事件は、過去にもいくつかありました。専ら、女性が犯行に及び、男性は被害者の場合がほとんどでした。そのうちの、最も有名な実話をご紹介します。

1993年 ジョン・ウェイン・ボビットの場合

前代未聞のニュース

出典 http://www.nydailynews.com

どこかの議員に似ているような気が、しなくもない。

ジョン・ウエインとロレーナ(John&Lorena Wayne Bobbitt)は、1989年に結婚し、ヴァージニア州のマサチューセッツに暮らしていました。1993年7月23日、アメリカの全男性を震撼させる驚愕のニュースが流れました。当時、妻だったロレーナが仕事から帰ってくると、ジョンから乱暴を受けた挙句にレイプされたと言ったのです(裁判でのロレーナの証言に基づく)。夫婦である二人の間に、はたして強姦罪は適用されるのでしょうか?しかし、男性達が驚き慄いたのは、こんなことではありませんでした。

暫くして夫が眠りに就くと、ロレーナはベッドを抜け出してキッチンへと向かいます。そして、大型のナイフを掴んで寝室へ戻って来ると、ジョンの下半身をむき出しにしてペニスを根本から切り落とします。彼女は切り取ったペニスを持ったまま自家用車に乗り込み、闇に紛れてどこへともなく走り出して行きます。やがて、家からかなり離れた場所へやって来ると、手にしていたペニスを窓から道路脇へと捨ててしまうのでした。

ニュースによれば、彼女が救急車を呼んだことになっていますが、確かなことは分かっていません。捨てられていたペニスは、警察により付近の道路が探索され、ようやく発見することが出来ました。ジョンは手術のおかげで一物を失うことはなく、現在も機能する性器を携えています。ロレーナが警察に捕まった時の警官との会話が残されており、「彼はいつも自分だけイクのに、私がイクまで待ったことがないの。自分勝手よ」などと、性的な不満を犯行の理由に上げていました。

裁判は思わぬ方向に

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出廷する妻のロレーナ。当時は稀代の悪女とウワサされました。

事件当初、ロレーナの凶行に男性は震え上がり、世論はジョンに対して同情的でした。ところが、裁判で弁護士が反対尋問をする度に、これまでロレーナに行ってきた虐待が明るみになって来たのです。DVを撲滅しようとする女性団体の後押しもあり、ロレーナは裁判を優位に進めます。そして、その結果、ジョンの度重なる暴力と性的虐待が彼女の理性を消失させる要因となり、犯行を誘発するに至ったと断定(その残虐性は問われずに)されます。彼女は無罪を勝ち取りますが、ピッツバーグのセントラル病院での45日間に及ぶ精神鑑定が義務付けられ、その後に放免されることとなりました。

ジョンは、ペニスを切断されたばかりか、社会的な適応性をも疑われ、職を失っただけではなく、自身の恥を晒すことにもなりました。1995年には2人の離婚が成立し、それ以来この事件は人々の記憶から消えるかと思われていました。

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切断された後のペニス。元の大きさが分からないほど縮んでいます。

悲惨な人生が待っていた

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アダルトビデオ(アメリカではポルノ)の共演者と。

高額の医療費に弁護士への報酬と、ジョンの経済状態はまさに火の車でした。お金を作る目的で様々な仕事に手を出しますが、そのどれもが成功には至りませんでした。事件を知る一部のセックス産業からはアダルトビデオの出演を依頼され、1994年には1本目のビデオ、ジョン・ウエイン・ボビット:切れてない(John Wayne Bobbitt: Uncut)に出演し、1996年にはフランケンペニス(Frankenpenis)に出演しました。タイトルのセンスはともかく、これらの映像のおかげで、彼はさらに波乱に満ちた人生を歩く事になります。

女性に対して恐怖心と不信感しか持てないジョンは、かなりの数の犯罪にも手を染めてしまいます。女性に暴行を働き捕まること三回。その間には刑務所に収監されることもありました。仕事はどれも長続きせず、ドアマン、リムジンのドライバー、バーテンダー、ピザの宅配、それに一度は結婚式場の牧師の真似事までしていました。2014年には仕事の最中にアクシデントに遭い、首の骨を折る怪我を負っています。

ロレーナのその後

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2009年にテレビ出演した頃のロレーナ。「男の性器を切り捨てた女」とのレッテルに苦しめられ続けて来た彼女も、今は再婚し娘を持つ身となりました。

ロレーナのその後の人生も、けっして穏やかではありませんでした。控え目で、なるべく目立たない生活を送っていた彼女ですが、ウワサが絶えることは片時もなかったのです。「男のペニスを切る女」とのレッテルは、その後も彼女に付き纏います。2007年にはDVに悩む女性のためにレッドワゴン(Red Wagon Org.)という団体を組織し、それ以来社会貢献に勤しんでいます。2008年にはCBSニュースに、そして2009年にはアメリカのメガヒット番組であるオプラ(Oprha)に出演し、それまでの人生を振り返っています。ジョンとの対談番組に出演したこともありましたが、彼が謝罪するだけの、話題性に欠く内容で終わっています。

彼女の起こした事件は、これまでにも様々な場面で度々思い出されて来ました。1999年制作の映画「ファイトクラブ」の中で、主人公のブラッド・ピット扮するタイラー・ダーデン(Tyler Durden)の台詞にも、皮肉交じりに使われています。"You know, man... it could be worse, a woman could cut off your penis while you're sleeping and toss it out the window of a moving car"「知ってるだろ、男にはもっと悪いぜ、女はお前が寝ている間にお前のペニスをちょん切って、走ってる車の窓から投げ捨てることも出来んだからな」。「人のウワサも75日」などとはよく言ったものですが、ロレーナの場合、例え何十年経過しようとも忘れ去られることはないようです。彼女がこの事件から救われる時は、果たして来るのでしょうか?

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犯行に使われたナイフ。刃渡り30センチはあろうかという大物です。

アメリカで「ボビットの罰」(Bobbittised punishment)とか、「ボビットの手続き」(Bobbitt Procedure)と言えば、暗にロレーナが行った犯行を意味しています。要するに、「ペニスを切られないように注意しろ!」ということだそうです。

歴史は繰り返す

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2013年のジョン。あれから20年が経ちました。

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ジョンが出演したAV。この事件は、彼にとって長い間トラウマとなりました。

その後、彼らが世間を賑わすことはありません。しかし、同じような事件は起こっています。2015年の1月のことでした。アメリカで、夫のペニスを切り落とした妻が、手術で接合し直したペニスを再び切断するという狂気に満ちた事件がありました。不幸なことに、今回喪失した夫のペニスは最後まで見付からず、動物に食われてしまったのではないかとの見方が持たれています。2013年には、南アフリカのヨハネスバーグで同様の事件が起こっています。嫉妬に狂った女が友人2人と結託し、交際中の男性を捕まえた上で、性器を切り落としています。

その時は良くてもその後は危険と後悔に苛まれる

女性が男性の虐待に対して復讐を果たすには、幾つもの方法が考えられます。そのどれをも推奨はしませんが、特に男性器を切断するのは、女性にとってのダメージの方が大きいと言えます。ペニスは筋肉ではないので、手術によって比較的容易に接合出来ます。しかし、それによる男性の精神に及ぼす影響は計り知れず、トラウマになる事は否めません。こういったケースでは、それが原因でストーカー行為に走り、さらに復讐心に身を委ね、命をも危険に晒すような事件に発展しないとも限らないのです。もし、男性から虐待を受けているようなら、シェルターや専門機関に相談し、いち早く禍根を断つことをおススメします。警察に通報するのが最良の方法とは言っても、彼らは事件性がなければ捜査してくれません。自衛するのなら、状況をよく判断し、十分に考えてから行動しましょう。災難が降りかかってからでは遅いので。

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今季おススメのアニメは「うしおととら」。海外ドラマでは「ブラックリスト」。これまでに見た映画の中では、個人的トップ10の常連である、「フィッシャー・キング」です。

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