出典 https://www.pakutaso.com

元・兵庫県議会議員の野々村竜太郎被告が、詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使の罪で在宅起訴されている裁判を欠席したことが問題になっています。

ニュース等で様々な報道がされていますが、ここで疑問に思うのは「裁判を欠席したらどうなるのか?」ということではないでしょうか。

そこで今回は、刑事裁判に欠席した場合の流れについて紹介したいと思います。

まずは、野々村被告の罪について今一度おさらいしましょう。

野々村被告の罪は何だったのか?

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会見のインパクトが強いせいか、具体的にどんな罪で起訴されたのか、よく分からない方もいらっしゃるかと思いますので説明します。

起訴状によると、野々村被告は平成23~25年度、実際には行っていないのに城崎温泉(兵庫県豊岡市)などへの「日帰り出張」を申請したり、金券の購入費を「切手代」として計上したりして、嘘の収支報告書を県議会に提出。

政活費計913万2050円をだまし取ったとされる。

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端的に言うと、空出張を申請、実際には金券を購入したのに「切手代」と偽った収支報告書を提出し、政治活動費を詐取していたのです。

言わずもがな、政治活動費の財源は税金ですし、偽った報告書を提出することも許されるものではありません。

詐取した政治活動費に関しては、全額返金してはいるものの“在宅起訴”されているので、刑事事件として裁判が行われることになりました。

この在宅起訴がどんなものなのかについても説明します。

在宅起訴とは?

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よく「書類送検」「在宅起訴」などという言葉を耳にしますが、「逮捕」や「起訴」とどう違うのでしょう?

在宅起訴とは、あなた(被疑者)が捜査段階において身柄を拘束されていなかった場合に、その状態のまま起訴されることです。

身柄を拘束されないことを「在宅」というので、在宅の状態で起訴されることを「在宅起訴」というのです。

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逮捕は、身柄を確保しておかなければ逃亡や証拠隠滅の恐れがある場合に行われます。

野々村被告の場合、詐取した政治活動費を全額返金していること、逃亡の恐れがないこともあり、在宅起訴という形になったと思われます。

つまり、身柄が確保されていないだけで、「許されている」わけではありません。きちんと裁判で判決を受けなければならないのは、逮捕・勾留されている被告と同じです。

しかし、今回野々村被告はパニックを起こしたことを理由に裁判を欠席してしまいました。

では、被告が裁判を欠席することで、どんな問題があるのでしょうか?

被告が出廷しないと裁判が開けない!

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民事裁判であれば、被告が欠席しても裁判を進めることができるのですが、刑事裁判の場合は被告が出廷しなければ、原則として裁判が開かれない決まりになっています。

まず刑事訴訟ですが、原則として、被告人が出頭しなければ開廷することはできません。
刑事訴訟は、被告人を刑に問うための重大な手続きですから、きちんと被告人が手続きに参加していなければ進められないのです。

「欠席裁判」というのは、刑事訴訟では原則として認められません。

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今回の野々村被告の裁判は、刑事裁判ですから原則欠席裁判が認められないのです。

被告人不在のままですと、被告人質問(審理の中で被告人に直接質問して事件のこと等について聞く重要な手続)ができないことから、実際に審理を進めるにしても事件の背景事情等がよく分からず事案の解明が非常に困難なことになることが予想されます。

出典 http://office-ohmoto.jugem.jp

裁判の判決によっては、実刑になることも考えられるので、被告人質問は避けて通れません。こういったことからも、野々村被告が出廷することは不可欠なことなのです。

刑事訴訟法には、次のような例外的に被告人不在でも公判手続きを行うことが可能である旨が、次のように書かれていますが…

被告人が出頭しなければ開廷することができない場合において、勾留されている被告人が、公判期日に召喚を受け、正当な理由がなく出頭を拒否し、刑事施設職員による引致を著しく困難にしたときは、裁判所は、被告人が出頭しないでも、その期日の公判手続を行うことができる。

出典 http://office-ohmoto.jugem.jp

被告人質問の必要性を考えると難しいと思われます。

つまり、野々村被告が裁判に出廷しなければ、公判自体が始まらないとも言えるのです。

では、過去において裁判の出廷を拒否したケースは、どのようになっているのか見てみましょう。

4年間で18回も初公判を欠席している被告が!

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上には上がいる(?)もので、なんと4年間18回に渡り裁判を欠席しているケースがありました。

自動車運転過失傷害などの罪に問われた土井直樹被告(45)が18日の福岡地裁小倉支部の初公判に出廷せず、来年2月10日に延期となった。

地裁小倉支部はこれまで、約4年の間に初公判の期日を18回指定したが、いずれも欠席し、初公判を開けない。

出典 http://www.nishinippon.co.jp

何度も裁判を欠席しているにも関わらず、その場で勾留もしていなかったのです…。

この事件に関しては、被告が4年に渡って出廷しないことに業を煮やしたのか、裁判所側が警察に対して起訴取り下げの検討まで要請している始末…。(福岡県警は捜査続行の方針を固めています)

つまり、期日を決めたとしても被告が再び出廷しなければ、文字通り「逃げ得」になってしまう可能性があるのです。

正当な理由がないのに出廷しない場合は、強制的に出廷させる「勾引」や、逃亡の恐れがある場合は「勾留」もできるのですから、適用すれば良いと思うのですが…。

議員を辞職し、詐取した政治活動費を返金したとはいえ、今回の野々村被告の裁判欠席には様々な意見が集まっており、勾留すべきなのでは?という意見も多く見られました。

Twitterの声

逃亡せず、裁判にも出廷するであろうという信用のもとに、在宅起訴という形になったのですから欠席は良くないですよね。

警察に勾留されていた方が、野々村被告の恐れるマスコミに接触される可能性は格段に低くなるでしょうね。

自宅から出廷と、拘置所から出廷では感じ方も違います。どちらが野々村被告にとっていいのか、よく考えて欲しいですね。

弁護士の方からも心配する声が上がっていました。

昨年、議員を辞職する際にも「自殺に追い込まれないか心配」と自ら語っていただけに、勾留という選択肢も必要なのかもしれません。

実刑になった時のことを考えて、拘置所という選択肢を勧める方もいらっしゃいました。

おわりに

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野々村被告に限った事ではありませんが、正当な理由なく裁判を欠席するのは良くありません。

必ず被告を出廷させる仕組みづくりは、これから必要になってくるのではないでしょうか。

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