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医師をはじめとする専門家が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。今回のテーマは「トマトで予防できるがん」について。

医師として活躍するだけでなく、料理・野菜・栄養学への関心が高く、日本野菜ソムリエ協会認定・野菜ソムリエの資格までも取得している、“Dr.野菜ソムリエ”こと吉田 菜穂子さんの健康コラムをご紹介します。

■ トマトで予防できるがんは?

品種やブランドが多く、一年中おいしく食べられるトマト。原産地のアンデスで収穫された初期のトマトは、黄色いミニトマトだったといわれています[※1]。

さて、今回はトマトとがんに関するお話をしましょう。まずはクイズです。

日本人の2人に1人はがんにかかるといわれています。次のがんのうち、トマトの摂取量が多いほど発症が抑えられると考えられているものはどれでしょう?

(1)肺がん
(2)乳がん
(3)前立腺がん
(4)胃がん

正解は…

(3)前立腺がん!

男性の前立腺がんは、現在、患者増加率が最も高いがんです。50代後半からかかりやすくなりますが、1981年から2011年までの患者数の推移をみると、人口10万人あたり571人から2935人へと、30年間で5倍以上に増えています[※2]。

それでは、トマトと前立腺がんの関係をみていきましょう。

■ リコピンはサプリメントではなくトマトから

トマトに含まれる抗酸化物質として、リコピンやβカロテン、ルテイン、βクリプトキサンチンなどがあげられますが、このうち、前立腺がんの予防に最も有効であるとされている物質は、赤い色素リコピンです[※1]。

ただし、サプリメントとしてリコピンのみを摂るよりも、トマトをまるごと摂ったほうが、前立腺がんの予防確率が高いことがわかっています[※3] [※4]。

そして、トマトは生で食べたほうが前立腺がん予防に役立つのか、あるいは加熱調理したほうがいいのか、これについてはいまだ結論が出ていませんが、長い年月、継続してトマトを摂取することが望ましいようです[※5]。

それぞれの季節で、自分の好みに合ったトマトを見つけられるといいですね。

■ おまけ:風味をアップさせる調理法とおすすめの品種

つい先日、米国化学会が公表した報告によれば、トマトを50℃の湯に浸すと、2-メチルブタナール、2-フェニルエタノールなどの風味成分が増すことがわかりました[※6]。浸水時間は大きめのトマトで5分、ミニトマトで2分を目安にしてください。

店頭には多くの品種のミニトマトが並びます。ミニトマト「キャロル7」は、リコピンをたっぷり含む甘みの強い品種です。「キャロル7」のブランド「優糖星(ゆうとうせい)」(和歌山県)は、10月~6月に出回ります。そして、ミニトマト「キャロル10」も旨みや甘みを十分に味わえる品種です。

~医師:吉田 菜穂子~

●注釈
[※1] Tan et al. Cancer Metastasis Rev.2010;29(3): doi:10.1007/s10555-010-9246-z.
[※2] 国立がん研究センターがん情報サービス『がん登録・統計』2015
[※3] Boileau et al. Journal of the National Cancer Institute.2003;95(21):1578-86.
[※4] Chen et al. J Nutr Sci Vitaminol.2013;59(3):213-23.
[※5] Wei et al. Journal of Oncology.2012;articleID271063,7pages
[※6] American Chemical Society,
http://www.acs.org/content/acs/en/pressroom/newsreleases/2015/august/tomatoes.html

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