以前、国家資格なのに28歳で手取り14万円…保育士の給与待遇が想像以上にひどいという記事の中で、保育士の待遇と人手不足が深刻な状況であるということに触れました。

この保育士不足に関して、政府が以下のような対策を打ち出してきました。どんな内容なのか、ご覧下さい。

自民党による保育士不足解消案とは?

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慢性的な保育士不足の解消を目指し、都道府県が原則年1回行う保育士試験について、2回行う自治体を増やす方針を明記。

子育てをしながら女性が働ける環境の整備に向けて企業内保育所をさらに増やすため、新たに設置した場合に助成される補助金の支給期間(運営開始から5年間)を延長する。

出典 http://www.sankei.com

現在、保育士の国家試験は年に1回なのですが、それを2回に増やすことによって門戸を広げ、保育士を増やそうという対策です。

また、企業内に保育所を設置した場合に、支給される補助金の支給期間を延長するという案も出されています。

さて、ここで考えて頂きたいのが「保育士資格の取得=保育施設で働く人」になるとは限らない、ということです。

現在、保育士の資格を持っていても、保育以外の仕事をしている「潜在保育士」と呼ばれる人は、保育士資格保有者の約半分を占めています。

なぜ保育施設で働かないのか?と言えば、やはり「賃金が安いから」という理由がダントツに多いのです。

Twitterには、「保育士不足解消の対策としてはズレているのでは?」という意見が多く見られました。

Twitterの声

試験を増やすだけでは対策不足、と考えている人がほとんどです。

根本はそこなんですよね。

保育の仕事がしたい、と思えるような労働環境を整備しなくてはいけないと筆者も思います。

試験を増やすということは、それだけ事務手数料が増える見込みもあるということ。

もしそうであれば、その収益をなんらかの形で現場で働く保育士さんに還元してあげたいですよね。

実際に資格を持っている人が、保育施設で働かない理由の多くは賃金ですしね。

働く側の環境を整えることは、大切なことです。

せっかく資格を取っても、生活すらままならない待遇を理由に、保育の業界を去る人は少なくないのです。

このように、試験の回数を増やすのではなく、保育士の待遇改善を求める声がたくさん上がっていました。

では、試験の回数を増やすことにはメリットがないのか?というと、そうでもないようです。

病児保育サービスを運営しているNPO法人フローレンス代表・駒崎弘樹さんは、自身のFacebookで保育士不足の原因は処遇の悪さにあるという前置きをした上で、次のように話しています。

タイムラグの解消のためには有効

出典 https://www.facebook.com

認可保育所では、働く人は「100%保育士でなければならない」という規制があるので、必然的に「保育士資格を持つ人」が必要になります。「保育ができる人」かどうかではなく。

【とりあえずできること】
そこで、保育士資格を持つ僕から、今すぐにやれることから、ということで政府に一つ提言です。それが「保育士試験の通年化」です。

出典 https://www.facebook.com

保育ができても、「保育士」の免許がなければ認可保育所で働くことはできないのです。

もし門戸が開かれれば、こういった人達が資格を得るチャンスにもなるので、全く無意味とは言い切れません。

また、一般の人があまり知らない保育士試験についても次のように明かしています。

現在、保育士試験というのは年に1回(一次は夏、二次は秋)です。大学等大きな会場を借りて、何百人も大講堂で集めて、マークシートで試験を行っています。

つまり大規模なオペレーションが必要なので、年1回が限度、って多分そういうことなんです。でも、マークシートって。一カ所に集めてやる必要、本当にありますかね?

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一次は筆記試験、二次は実技試験なのですが、一日で終わらないのは何故?筆者は、てっきり一日で筆記も実技も終わるものだと思っていました。

試験のシステムを改善すれば、無駄な経費も浮くのでは?

試験の時期がずれていることが原因で、保育園で勤務ができない人材の存在について駒崎さんはTwitterで言及しています。

つまり、この二次試験のために年明けまで人員補充ができないケースがあることを示唆しています。

二次試験がなければ、年内に就業することも可能になるのです。

さて、この二次試験…驚きの合格率でした。

二次試験の合格率95%…やる意味あるの?

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おいおい、二次の実技試験はどうするんだよ、という声も聞こえてきます。

でも、二次試験って、本当に意味ありますかね?絵本の読み聞かせ、絵画、ピアノから2つを選んで行うこの試験。合格率は95%です。

ぶっちゃけた話、なくても良いし、例えすごく絵が下手でも、働きながら練習すれば良いだけなんじゃないでしょうか。

出典 https://www.facebook.com

保護者が求めているのは、子どもの安全と健やかに過ごす時間ではないでしょうか?

仮に絵やピアノの技術に優れていたとしても、子どもの安全と比べた時の答えは皆さん同じですよね。

そういった意味では、二次試験の存在意義に疑問を呈するのは無理からぬことかもしれません。

試験回数が増えることによって懸念されるのが、「保育士の質」ではないでしょうか?門戸が開かれることによって、簡単に習得できてしまうと気になってくるのが質…。

この点に関しても、駒崎さんが次のような提言をしています。

もし質の担保、ということを言うのなら、今でも本当は「免許更新制」は必要なんです。だから、通年化で促成育成が心配なら、3年に1回くらい更新できるようにすれば良いだけです。

出典 https://www.facebook.com

1回試験に合格したからいいや、というのでは質の低下は免れません。更新制にすることで質を保てるのでは?と話しています。

最後に駒崎さんは、この対策は根本的な解決策ではないことを明言していました。

ただ、これは「とりあえず」の策です。

悪いと言われる介護職員以上に処遇が低い現状を変えないと、構造的には不足し続けます。

というわけで、安倍政権におかれましては、ぜひ財源をきちんと確保し、保育士の処遇改善に努めて頂けることを、心より願っております。

出典 https://www.facebook.com

やはり根本の解決策は、保育士の処遇改善なのです。

保育士の処遇改善こそ根本の解決策ではありますが、資格保有の機会が広がることで少なからずメリットもありました。

今後は、資格を保有している人、新たに取得した人が仕事に見合った給与を得られるような仕組み作りに取り組んで欲しいですね。

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