障害者権利条約や、障害者差別解消法を知っていますか?

「妊娠初期にもっと(障害の有無が)わかるようにできないのか。すごい人数が従事しており、大変な予算だろうと思う」「障害のある子どもの出産を防げるものなら防いだ方がいい」と茨城県教育委員の長谷川智恵子氏が話したことで、現在ネット上などで物議を醸していますが、来年2016年4月1日から障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、通称障害者差別解消法が施行されます。
この障害者差別解消法や障害者基本法が成立するまで、2007年9月には署名していたものの2014年1月まで批准することが出来なかった条約が障害者権利条約、日本では障害者の権利に関する条約と訳されているものです。

障害者権利条約の批准、署名状況

2015年11月現在の批准国は160カ国です。
意外と言っては失礼ですが、中国では日本よりずっと早く、2008年4月に批准しています。

出典 https://ja.wikipedia.org

濃い緑:条約締約国  
薄い緑:条約に署名、しかし未批准の国
灰色 :条約に未署名、未批准の国

我々のことを我々抜きで勝手に決めるな!

我々のことを我々抜きで勝手に決めるな!(Nothing about us without us!)

というのは、この障害者権利条約のスローガンです。
この条約が国連で採択されたのは2006年12月のことで、障害者の視点から作られた条約ができてからまだ10年もたっていないのです。
私の身体障害者人生もこの条約とほぼ同じ年数で、始めの数年は道で車椅子で転んでも誰も見てみぬふり、助けてくれたのは外国人だったということが珍しくありませんでした。また、国立の施設の中でも身体と精神、両方の障害を持つ私とは幾度もぶつかりました。日本は障害者に対しては決して先進国ではなかったのです。

そしてようやく、もうすぐ障害者差別解消法も施行されると思っていた矢先で、今回の障害者は減らすべきというような話です。
しかし、この障害者権利条約の第10条に生命の権利というものがあります。

第10条 生命の権利

 締約国は、全ての人間が生命に対する固有の権利を有することを再確認するものとし、障害者が他の者との平等を基礎としてその権利を効果的に享有することを確保するための全ての必要な措置をとる。

出典 http://www.dinf.ne.jp

これが第10条の条文そのものです。
これをWikipediaで詳しく見てみますと、

条文では「生命の固有の権利を認めること、差別したり、権利を侵害してはならないこと」とされている。障害者を殺したものへの減刑は、その障害者の生命を軽んじていることになりこれも生命を差別していることになる。優生学における障害児の産み分けも禁止することとしている。いわば、存在しない方が良い生命があることになるからである。死ぬことを前提とした生活も禁止されることとなる。

出典 https://ja.wikipedia.org

と書いてあります。

優生学におけるとついてはいますが、障害児の産み分けも禁止するとあります。存在しない方が良い生命があることになるからということは、裏を返せば、存在しない方が良い生命はないということです。
これに基づけば長谷川氏の発言は条約違反になってしまわないでしょうか?

私も生まれ持っての精神障害者です。そう言いたくなる気持ち、よく分かります。
でも、

確かに育てる人は大変ですよね。私は母から肌が離れると1秒で泣いていたので、母は私を抱いたままで大変だったとか…。
ただ、

機会があればナチスのT4についても書いてみたいですが、時代を逆行しているような発言な訳です。
ですので、

この、減らすべきは苦労の方に個人的に一票ですが、あなたはどう思いますか?

最後に

生まれてくる子どもが障害児だったら堕胎しないと育てていけないような様々な理由もあるかも知れませんが、その多くは社会的な問題です。たとえ障害のある子どもを産んでも大丈夫と思えるような社会に日本がなることを願うばかりです。

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唄う障害の伝導師。
Never give up the life (人生を諦めない)を信念に日々生きています。
身体、精神共に1級の障害者。
耳つぼセラピストでもある。

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