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先日、日本マクドナルドが上場以来最悪の赤字決算を発表しましたが、その経営の深刻度はどの程度のものなのでしょうか。『ビジネスマン必読!1日3分で身につけるMBA講座』では、その決算書から同社の経営の現状と今後を分析しています。

マクドナルドの経営危険度はどの程度か?決算書から読み解いてみよう!

さて、今回の「1日3分で身につけるMBA講座」は、先日上場以来最悪の赤字決算を発表したマクドナルドの財務分析を行っていきましょう。

日本マクドナルドホールディングスは、11月11日に2015年12月期の第3四半期までの9か月間の決算を発表しました。発表によれば、売上は前年同月比20%減の1,375億円、最終損益は、292億円の赤字となったそうです。

第3四半期までに最終損益が赤字になるのはこれで2年連続ですが、赤字幅は平成13年に株式を上場して以来最大となり、

いまだに使用期限切れの鶏肉使用問題や異物混入問題が尾を引き、顧客流出に歯止めがかかっていない現状が浮き彫りとなる格好となりました。

ただし、現状マクドナルドは収益の見込めない店舗を閉鎖するなど構造改革中であり、最終損益だけでは、経営の危険度を推し測ることはできません。

今回は公表された最新の決算短信を基に、マクドナルドの経営の危険度を分析していくことにしましょう。

※マクドナルドの最新の決算短信を見ながら、メルマガを読み進めるとより理解が深まると思います。

日本マクドナルドフォールディングス セールス・財務データ

マクドナルドの最新の貸借対照表はどうなっているのか?

さて、それでは最初にマクドナルドの貸借対照表から見渡していくことにしましょう。

まず、目につくのがキャッシュ残高の減少です。

2014年12月末時点では286億円のキャッシュがありましたが、2015年9月末には132億円にまで減少しています。つまり、この9か月間で154億円もキャッシュ残高が減少しているのです。

しかも、このキャッシュ残高の132億円はマクドナルドの1ヶ月分の売上にも満たない水準にまで落ち込んでいるのです。

次に気になるのが借入金の増加です。

2014年12月末現在では、マクドナルドは短期と長期合わせてわずか5億円しか借入はありませんでした。ところが2015年9月末には、短期借入が25億円、長期借入が188億円とわずか9か月で208億円も借入が増えています。

しかも208億円も借入を増やしておきながら、現金残高は逆に154億円も減少しているのは非常に気になるポイントです。

これらの数字を見てもこの9か月間で巨額のキャッシュが流出していることが読み解けます。

最後に安全性の指標となる自己資本比率を見てみましょう。マクドナルドの2014年12月末時点の自己資本比率は78.5%と非常に高い水準にありました。

ところが、2015年9月末は過去最悪の赤字を計上した影響で利益準備金が843億円から506億円まで337億円減少し、66.2%まで急落しています。

今後赤字を食い止めることができないのなら、債務超過の心配はまだありませんが、益々自己資本比率が減少して経営の危険性が高まってくることにつながるでしょう。

マクドナルドの最新の損益計算書を分析してみよう!

続いて、マクドナルドの最新の損益計算書はどうなっているでしょうか?

最終損失が292億円の赤字といえども、事業の構造改革を行う際には赤字店舗の撤退などで特別損失を計上するなど、将来の黒字化へ向けた「前向きの赤字」になる場合もあります。実際のところはどうなのでしょうか?

まずは、本業の儲けに金融収支を加味した経常利益をチェックしてみましょう。

最新の損益計算書を見れば、マクドナルドのこの9か月間の経常赤字は、223億円にも上っていることがわかります。前年同月実績も6億円の赤字ですが、これとは比較にならないくらい赤字幅が拡大しているということなのです。

次に本業の儲けを示す営業利益はどうでしょうか?

2015年9月末段階のマクドナルドの営業赤字は208億円になっています。

つまり、現状マクドナルドは事業を行えば行うほど赤字が増えていく体質になっているのです。前年はこの営業利益は2億円ですが、黒字となっており、マクドナルドはこの1年で深刻な事態に陥ったことが浮き彫りとなります。

さらに憂慮すべきことは、マクドナルドの場合、2015年9月末時点で売上総利益が27億円の赤字に陥ったことです。

売上総利益とは、売上から売上に必要な原価を差し引いて求められる利益なので、通常は赤字など考えられません。現状のマクドナルドは、簡単にいえば、102円の原価をかけて、100円のハンバーガーを売っているようなものなのです。

この売上総利益自体は前年同期の決算では194億円の黒字だったことを考えると、この1年間で想定以上の顧客流出が加速して売上が急減し、損益分岐点を遙かに下回る売上にまで落ち込んでしまったことが伺えます。

今回、マクドナルドの最新の決算書を分析してきましたが、深掘りすればするほどマクドナルドの今後の行方に暗雲が立ち込めていることが如実になります。

一刻も早く顧客の流出を食い止め、キャッシュを生み出す体制作りを固めない限りはいくらマクドナルドといえども安穏としていられないといっても過言ではないといえるのではないでしょうか。

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