この世に産まれてくることは、それだけでも奇跡です。

昨日まで元気に動いていたお腹の中の赤ちゃんが、突然亡くなる・・・・
子宮内胎児死亡(IUFD=intrauterine fetal death)のあまりにも悲しい現実を、ご存知ですか?

今人気のドラマの原作コミック「コウノドリ11巻」には、そのあまりにも悲しい現実が描かれています。
涙なしでは読めません。残酷すぎるかもしれません。しかし「命」の尊さや、産まれてきたことの有難さについて考えることができるでしょう。

突然・・・

「ずっと妊婦健診は異常なしだったのに・・・」「昨日は元気に動いていたのに・・・」
お腹の中の赤ちゃんがある日突然動かなくなり、心拍が停止し、亡くなってしまうのが子宮内胎児死亡(IUFD)です。

IUFDは突然起こります。
分娩予定日の前日に、IUFDになった人もいます。

お腹の中で亡くなってしまった胎児を、長く子宮内に留めておくのは良くありません。母体にも危険が及ぶのです。
そのため、陣痛誘発剤を使って分娩させます。

産声を上げることのない子を分娩する

分娩すると言っても、元気な赤ちゃんを分娩するのではなく、もう死んでしまった赤ちゃんを分娩するのです。
決して産声を上げることのない赤ちゃんを、分娩するのです。

医師より、お腹の赤ちゃんの心拍が止まっていることを告げられると、なるべく早く分娩させる必要があります。陣痛誘発剤で1~2日かけて少しずつ子宮の出口を広げます。

この時間は妊婦さんにとっては、つらいつらい地獄のような時間でしょう。
現実を受け止めることができず虚ろな目でぼんやりと天井を見つめる人、自分を責める人、「これ、何の罰なのかなぁ・・・」とポツリとつぶやく人・・・

同じ病棟の数10mほど先では、元気な赤ちゃんが産まれています。
元気な赤ちゃんが産まれた部屋は、賑やかになります。
しかし、IUFDのために、産声を上げることのない赤ちゃんを産んだ部屋は、しーんと静まりかえります。

溶ける

ここから先は、非常に残酷な現実かもしれません。

胎児は子宮内で死亡すると、自ら自分を溶かす酵素を出して、自分を溶かしてしまいます。

多くの場合は、浸軟と言ってグニャグニャの状態で出てきます。皮膚もちょっと触っただけで剥がれてしまいます。頭もグニャグニャです。
自分で自分を溶かしてしまうなんて・・・

「何もなかったことにしようよ・・・」と存在感を小さくしているのか?
美しく産まれてくるよりも、溶けて産まれてきた方がお母さんの気持ちが楽だろうと言う、お母さんへの想いやりなのか・・・

「ママが苦しい思いをしなくていいように、頭を小さくして産まれて来てくれたんだな。うちの子は本当に良い子だ・・・・」
そう言って号泣したお父さんもいます。

産まれてくることは奇跡

産まれてくることは、本当に奇跡ですね。

「産まれてこなければよかった」。
誰でも1度や2度は、そう思うこともあるでしょう。
でも、やはり産まれて来てよかったんじゃないでしょうか?
多くのリスクを乗り越えて、この世に産まれてきたのだから。

そりゃあ楽しい事ばかりじゃないけど、つらいこともいっぱいあるけど・・・
でも、せっかく貰った「命」です。
大切にしたいですね。

育児が大変で、時には投げ出したくなる時もあります。
「こんな子、産むんじゃなかった」と思う日もあるかもしれません。

でも、産まれてきたことは奇跡なんだから!ということを想い出してくださいね。

今日はそんな私の●回目の誕生日でした。
まずはもう亡き母に ❝産んでくれてありがとう!いっぱい愛してくれてありがとう!❞ 
もう亡き父に ❝育ててくれて、いっぱい愛してくれてありがとう!❞

そして、生まれてきたことに感謝して、残酷な話ではありますが、IUFDの現実を知ることで「生きる」ということや「命」ということを考えるきっかけになればと思い、書かせて頂きました。


(参考書物:「コウノドリ11巻 鈴ノ木コウ」)

知らないと予防できない。知っていれば・・と後悔しないために

何もこんな残酷な現実を人様に知らせる必要はないのでは?人を怖がらせているだけじゃないか!?と思う方もいらっしゃるでしょう。
ドラマ「コウノドリ」に対しても、「なにも残酷な現実を見せしめることはない!妊婦さんも見ているのだから」と言う声も聞きます。

しかし、お産や病気のことを知っていたら、もっと大事に過ごしたのに・・・知っていればもう少し気を付けたのに・・・・という声も沢山聞きます。


例えば、虫垂炎(盲腸)のことを知っているから、ただの食べ過ぎではない、虫垂炎かも?と病院へ行くでしょう。知らない人は食べ過ぎかな?ですませてしまってひどくなってから救急搬送されるでしょう。

それと同様に、知っていればもっと違った結果になったのに・・・ということを少しでも防ぎたいのです。


いたずらに、誰かを怖がらせようなどといった気持ちは微塵もありません。
その点誤解のないように、お願いいたします。
あのドラマもきっと、私と同じような気持ちで、厳しい現実を伝えていると思います。

皆様の健やかな毎日を願っています。

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患者からの目線と元医療従事者としての目線とで、医療や健康に関する記事をメインに書いています。
4度の手術に膠原病でバツイチで・・・と波乱万丈の人生ですが、”人生に喜びや笑いを添付したら結果は出るはず!”という「喜笑添結」で毎日を過ごしています。

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