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医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
日本人の死因第3位は、肺炎だとご存知ですか? 意外かもしれませんが、がん、心疾患に続いて肺炎が多いという結果となっています。死因で肺炎が上位なのは、どんな理由があるのでしょうか?

今回は日本人に肺炎が多い理由などを、医師に詳しく聞いてきました。

肺炎が増えている理由

日本人の死因で肺炎が増えている理由は

・高齢化が進んでいる
・喫煙率が高い
・抗生剤の使用方法が適切でない
・ワクチンの普及率が低い

などです。高齢化は避けられないことですが、それ以外の原因に対しては対処する方法があります。

【喫煙者の肺炎】
喫煙率は最近は少し下がってきていますが、まだ低いとはいえません。喫煙を続けると肺気腫という肺の機能を落とす病気になることが知られるようになってきました。肺気腫に肺炎を合併すると、肺炎が重症となり、治りにくいだけでなく、治った後も後遺症が残って酸素吸入を手放せなくなることがあります。

【抗生物質の使用方法】
細菌による肺炎になると治療には抗生剤を使いますが、日本ではその使い方にも問題があります。熱を出したりして病院にかかると、抗生剤が処方されることが多くあります。風邪の多くはウイルスによるので、抗生剤は無効であるにもかかわらず安易に抗生剤が使われているのです。
また、肺炎になってもより強力な抗生剤がファーストチョイスとして使われる傾向があります。抗生剤の適切でない使用が続くと、抗生剤に対して抵抗力を持った細菌が出現し、いざという時に重症化したり治療がうまく進まなくなる可能性があります。

【ワクチンの普及率が低い】
細菌による肺炎に対しての効果のある予防法は

・抵抗力を上げること
・流行っている場所には近づかない

などです。また、肺炎を起こす細菌の中で1、2を争う頻度の高い肺炎球菌という細菌に対してワクチンが使用できるようになりました。しかしこのワクチンの普及率がまだ低いため、なかなか予防効果が上がっていません。

高齢者の肺炎について

高齢になると免疫の機能が悪くなって抵抗力が低下しますが、それ以上に嚥下(えんげ)機能が低下します。

食べ物が誤って気管に入ってしまうと通常は咳が出て誤って気管に入った食べ物を排出することができますが、高齢になるとこの反射が低下しますので、食べ物を誤嚥(ごえん)して肺炎を起こすことが増えます。

・食事を取る時にきちんと上体を起こして食べる
・食べ物を飲み込みやすい形態にする
・液体にはとろみをつける

などである程度は誤嚥を防ぐことはできます。しかし、なかなかうまく行かないことがよくあります。特に脳梗塞や脳出血で麻痺が起こったり、認知症が起こるとリハビリを行っても元通りに飲み込むことができにくくなることがよくあります。

このように嚥下機能の低下によって起こる誤嚥性肺炎は、再発することがよくあるため、徐々に全身状態の悪化を招くことがあります。気づかずに唾液を誤嚥し続けることも肺炎を発見しにくく、また治りを悪くする原因になります。

その他にも高齢者は

・肺炎になっても発熱等の症状が出にくく、発見が遅れて重症になる
・老健施設などに入って集団生活をすることが多く、特殊な細菌による肺炎を起こしたり、肺炎が集団発症しやすい

という理由で肺炎による死亡率が高くなります。

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【医師からのアドバイス】

高齢者の肺炎の中でも多くを占める誤嚥性肺炎に対しては、医師だけでなく理学療法士、栄養士などの協力によって対応することが可能になりつつあります。普段から肺炎を起こさない方法を指導してもらえるとよいでしょう。

(監修:Doctors Me 医師)

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