世の中には何らかの事情で、子供を持つことができない女性がいます。そしてそんな女性の癒しとなるフェイクベイビー(生まれ代わりの赤ちゃん)と呼ばれる人形が欧米では人気に。子供を失った女性や子供に恵まれない女性の悲しみや不安の癒しとして、このフェイクベイビーは医学的にも証明されています。

この人形は、通称フェイクベイビーと呼ばれていますが「フェイク」は、偽りという意味なのでその呼び方を嫌う人はリボーン・ドール(ベイビーの生まれ代わりの人形)という風に呼ぶ人も。そのリボーン・ドールを作る一人の女性のことを過去に記事にしました。今回は、リボーン・ドールと暮らす人達を紹介しましょう。

デートに赤ちゃんを連れて行く22歳の女性

出典 http://www.mirror.co.uk

独身のヴィクトリア・アンドリュースさん(22歳)は16歳の時からリボーン・ドールを集め出しました。51体ものリボーン・ドールに費やしたお金はなんと3万ポンド(約560万円)。小さい頃から常に人形と遊ぶのが大好きだったというヴィクトリアさんは、ある日オンラインでこのリボーン・ドールのことを知ります。

一目見て「可愛い!」と思ったヴィクトリアさん。一体注文すると、更に欲しくなり集めてしまったというわけです。でもただの人形ではなく、「生きている赤ちゃんの代わり」としてお世話をするためのリボーン・ドールなので、ヴィクトリアさんの生活はたくさんの赤ちゃんに囲まれて忙しくなりました。

「すっかり社交生活を諦めたわ。でも赤ちゃんに癒されるし、お世話する甲斐があると思えるの。時々職場に連れていくわ。男性はドン引きだけど女性は何も気にしないわ。家に置いて行くと気になってしかたないの。この子たちは私の不安な気持ちを癒してくれるのよ。」

これまで過去に付き合った男性は数人はヴィクトリアさんのことを理解してくれたそうですが、数人は「そんな人形に何万ポンドもバカバカしい!」「お前、頭おかしいんじゃないのか」と言って引く人も。

今はフリーというヴィクトリアさん。「この子達のことを理解してくれる人としか付き合わないわ。」まだ若いから将来は自分の子供が欲しいかどうかはわからないという彼女。今は当分、リボーン・ドールとの生活を続けて行くそうです。

子宮を持たずに生まれた女性

出典 http://www.mirror.co.uk

トニー・キミングスさん(43歳)は、Mayer-Rokitansky-Küster-Hauser (MRKH) 症候群という非常に稀な疾患を持って生まれました。膣・子宮・卵巣などの生殖機能を持たずに生まれて来たのです。

そのため、妊娠することは不可能。でも自分の子供がほしい。そう思ったトニーさんは3000ポンド(約56万円)かけてリボーン・ドールを2体オーダーしました。

ずっと子供が欲しかったトニーさんはこれまでいくつかの手続きを試みて来ました。でもその度に複雑な条件があり、断念せざるを得ませんでした。ある日自分の体のことを話した人からリボーン・ドールのことを聞き、一体は目を開いているもの、一体は目を閉じているものをオーダーし、それぞれにモリ-、スカイと名前をつけました。

赤ちゃんのために服を編むトニーさん

出典 http://www.mirror.co.uk

プレイマットやベビーベッド、ベビーカーなど、本物の赤ちゃんに必要なもの全てをオンラインで揃えたトニーさん。赤ちゃんの洋服を編む楽しみもできました。そして赤ちゃんを連れて週に2回は外出するそうです。

「幸いにも、まだ中傷を受けたことはないわ。一度ある女性が赤ちゃんをじっと見てたから気付いて驚く前に、これはリボーン・ドールよって話したの。それでもかなり驚いていたけど。」

自分のように子供に恵まれない人達がリボーン・ドールを持つことを決して批判するべきではないというトニーさん。「子供のいる人は、子供を抱くことができるわ。子供がいない人達も、子供を抱きたいと思うのよ。」トニーさんの言葉の重みに考えさせられます。

自分の二人の子供よりもリボーン・ドールにお金をかける女性

出典 http://metro.co.uk

ケリーさんには12歳と13歳の二人の子供がいます。2012年に三人目を流産して以来、リボーン・ドールを集め始めたそう。これまで費やしたお金は2万ポンド(約370万円)。「娘は完全にやきもちを焼いてるわ。娘と費やす時間より、赤ちゃんのお世話にかける時間の方が多いもの。」

「娘がスニーカーを欲しがってたんだけど、赤ちゃんに同じのを買って娘には買わなかったの。だって赤ちゃんは大きくならないから一生それが履けるでしょう?」そういうケリーさんですが、決して二人の娘の育児放棄をしているわけではありません。

残念ながら、パートナーのポールさんとは別れてしまい、今はシングルマザーとして二人の娘と赤ちゃんとの生活を送っています。「娘は私にとってかけがえのない存在よ。でもリボーン・ドールも私には大切なの。」流産以来、リボーン・ドールがケリーさんの心の癒しになっているのは間違いないでしょう。

5年間でリボーン・ドールに800万円以上費やした2児の母

出典 http://www.thesun.co.uk

夫と7人の子供がいるクリスティーナさん(68歳)は、22体ものリボーン・ドールと共に生活しています。過去5年間で費やしたお金は45000ポンド(約800万円以上)という大金。

「本物の赤ちゃんと同じように接しているわ。ミルクをあげてお風呂に入れて、着替えさせて。おしゃぶりだってあげるわよ。」新しい赤ちゃんがクリスティーナさんの元に届く度に幸せな気分になるといいます。

でも、全ての人がクリスティーナさんのことを理解しているというわけではありません。過去にリボーン・ドールを連れて出かけた時に、1人の女性が「可愛い赤ちゃんね」と言った後に、それが人形だと気付き、驚いて叫んで離れて行ったそう。

クリスティーナさんがリボーン・ドールを集め始めたのは2010年。最愛の母、カトリーナさんを86歳で亡くした後でした。「子供の頃、母がよく私に人形を買って来てくれたの。人形と遊ぶのが大好きだったのよ。」

クリスティーナさんには34歳~48歳の5人の血の繋がった子供、そして18歳と19歳の10年来の養子がいます。「一番上の子はリボーン・ドールを気味悪がってるわ。でも孫は喜んで遊んでるけどね。夫は、理解できないみたいだけど我慢してくれているわ。」

若いころは金銭的に全く余裕がなかったクリスティーナさんですが、今は高価なリボーン・ドールを購入できるように。そして同時に孫にも十分なことをしてあげるのが好きだと言います。「赤ちゃんにばっかりかまってたら孫が可哀相だもの。赤ちゃんとも孫とも思いっきり遊ぶわよ。そしたら誰も寂しくないでしょう?」

2011年以来、腎臓と心臓の病を患っているクリスティーナさん。これまで過去20年間、里親としても実の母としても生活してきましたが、今の養子で最後にしたと言います。赤ちゃんだけでなくしっかりと自分の子供や養子を子育てしてきたクリスティーナさんだからこそご主人や家族のサポートがあり、リボーン・ドールとの生活もできるのでしょう。

4人の子供を産んだ後に避妊手術をした女性

出典 https://www.youtube.com

ウエンディさん(40歳)には自立した2人の子供と、一緒に暮らしているもう2人の子供がいます。そして4体のリボーン・ドールも。ウエンディさんは4人の子供を出産後、もう子供は作らないと決めて避妊手術をしました。

ところが後になって後悔。そこでリボーン・ドールをオーダーすることに。シングルマザーのウエンディさんですが、今は4人の赤ちゃんのお世話と2人の子供の育児で忙しくしています。

「人形だなんて思ったことない。私には本物の赤ちゃんよ」

出典 https://www.youtube.com

ただただ、赤ちゃんが大好きだというウエンディさん。これまで、ベビーベッドやカーシート、ベビーカーなど必要なものを揃えて、本物の赤ちゃんと変わらない接し方をしています。

リボーン・ドールと生活している人達にとって、リボーン・ドールはただの人形ではないのです。「生きた赤ちゃんの生まれかわり」と呼ばれるほど、まるで呼吸しているかのように感じるリボーン・ドール。皮膚の色も、柔らかさも、本当の赤ちゃんのよう。多くの悲しみや苦しみを背負った、また、乗り越えた女性にはこのリボーン・ドールは何よりも癒しなのです。

トニーさんが言うように、リボーン・ドールを連れている人がいても決して批判はしないようにしましょう。彼女達には私達には想像もできないいろんな思いを抱えて生きているのです。理解できなくても、中傷することだけは止めて欲しいと社会に訴えたい筆者です。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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