フランス、パリの同時多発テロ発生以来、多くの人がメディアに釘付けになっていることと思います。筆者も現在の状況をオンラインやラジオで追っています。129人が死亡という大量殺人行為に憤りを隠せない人もたくさんいることでしょう。

そして、その怒りが間違った方向へと放出され始めているのです。市民を困惑させ、恐怖に陥れ、不安を煽るテロ行為は断じて許されるべきものではありません。

1人の女性がFacebookに書き込みをして逮捕

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「次は自分の住んでいるところが狙われるかも知れない。」そう恐怖を感じているのはフランス人だけではありません。テロリストは至る所に潜んでいるために、少しでもその不安を排除するために、何をすればいいのかがわからなくなっている人もいます。

イギリス在住のあるヘアサロンのオーナーは、Facebookに「今後、一切のイスラム教徒のお客さんをお断りします。」と投稿。Facebookという公の場で人種差別を行った行為が警察に発覚。すぐさまこの43歳の女性は逮捕されました。

「イギリスのパスポートを持っていようがいまいが、関係ありません。イスラム教徒の人の予約は一切受けつけません。」これは、明らかにシリアから流れてきた難民全ての人を「シリア人=テロリスト」と判断しているのと全く同じ行為です。

こうした市民の行為こそ、テロリストの思うツボ

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イスラム教徒だからといって、その全ての人の反イスラム精神を持ってしまえば当然、イスラム教徒たちとの間に火花が生じます。それによって戦闘心を煽るのがテロリストの目的。どんなに不安でも、恐怖を感じても、やはりこの女性のしたことは明らかに「差別」という別問題です。

このサロンのオーナーはFacebookで批判のコメントに対し、「私は自分で自分のサロンを経営しているの。誰に文句言われる筋合いもないわ。私が自分の客をどのように選ぶかは私の自由よ。文句があるなら直接ここまで言いに来ればいいじゃない!」と住所も明かしています。ところが、実際に来たのは警察だったというわけです。

2010年以来法律では、人種差別が伺えるビジネスはどんなものであっても禁止されています。女性はそれを知っていたのか知らなかったのかはわかりませんが、恐らく、パリのテロ事件以来、計り知れない恐怖があったのでしょう。自分を守るためにできることは何か、そう考えた上での決断は悲しくも間違った方向に行ってしまったのです。

一方で、「私はみんなと同じようにはしない」という女性も

出典 http://www.mirror.co.uk

今や、フランスで亡くなった多くの犠牲者への追悼の意を表明するためにメディアではフランスの国旗、もしくはその3色を使っています。Facebookでも多くのユーザーがプロフィールをフランスの国旗に変えているとのこと。

世界中の建物もフランスの国旗の色でライトアップされるなど、社会全体が今回のパリのテロ事件を追悼しています。そんな中、こちらのパリジェンヌのシャーロットさんはFacebookに自身の考えを投稿。

私はパリ出身だけど、今回のテロがあったからってFacebookのプロフィールをフランスの国旗には変えないわ。
だって、テロ行為が起こっているのはパリだけじゃないわ。世界中のあちこちで人が犠牲になってる。追悼の意を表したいからって、テロが起こった国の国旗に変えてると、毎回、毎日、いろんな国旗に変えなければいけないことになるわ。
私は、自分がフランス人であっても、パリで亡くなった人だけじゃなく、世界中のテロ行為で犠牲になる人達のことを思っているわ。
私達がしてはいけないことは「私達」と「奴ら」というふうに区切ってしまうことよ。奴らは宗教や偏見や自分達の利益でしか生きていない。
そんな奴らに惑わされてはダメよ。奴らを煽るようなことをすべきじゃないわ。

出典 http://www.mirror.co.uk

シャーロットさんの根本的な考え方は、精神的に私達がテロリストを敵視してそれに対し煽りの姿勢や攻撃を仕掛けると余計に事態は悪化する、ということなのでしょう。筆者もそれには同感です。

ただ、シャーロットさんのように冷静に状況を見つめることができる人もいれば、サロンのオーナーのように間違った防衛反応から、全てのイスラム教徒に反感を持ってしまう人も出て来るのです。

こんな風に社会全体を困惑させるテロ行為に憤りを感じずにはいられません。そしてその怒りは、ISISとは何の関係もないイスラム教徒の人達にもあるのです。私達と同じようにきっと心を痛めている人も多いでしょう。

まだまだ、油断のならない現状です。今後もこの事件を追及していきたいと思う筆者です。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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