未熟児の中でも体重が1000グラム未満の赤ちゃんを超未熟児(極低体重出生児)と呼びます。今は医療の進歩で超未熟児でも助かるケースが多くなっていますが、超未熟児で生まれることにより身体的な疾患を伴うこともあるので、パパとママは容体が安定するまで不安な日々を過ごさなければいけません。

赤ちゃんの生存率は、体重と生まれる週により異なります。1000g未満~750gが90%、750~500gが70%、500g未満が50%の生存率となり、28週以上では95%、24週では80%、24~23週では50%、23~22週では30%という確率になります。

小さくても懸命に生きようとする命を、病院側は懸命に看護し守ろうとします。そのおかげで昔よりも生存率が高くなったとはいえ、超未熟児で生まれて来る赤ちゃんの割合は90年代と比べて高くなっているのです。

その原因は、一般的に母体の日常生活にあると言われています。日本では欧米よりもかなり体重制限が厳しいために未熟児で生まれる子供が増えていること、また、日本だけでなく欧米でも、妊婦の高齢出産化や喫煙・飲酒、無理なダイエット、ストレスなど様々なことが挙げられています。

毎年世界では1500万人の赤ちゃんが未熟児で誕生

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筆者の住むイギリスでは毎年5万人の赤ちゃんが、未熟児で生まれているとのこと。特に超未熟児で生まれて来た赤ちゃんは、体の機能が未熟な状態で生まれて来るために、肺が十分に発達していなかったり、脳にダメージがあったりと障がいが残る可能性もあります。

息子トムを生後42日目で亡くした父が語る本音

出典 http://www.mirror.co.uk

イギリス在住のエイジェイ・ロバーツさんは、2012年に3番目の子供トムを失いました。3ヶ月早く産気づいた妻が救急車で病院に運ばれたとの連絡を受け、ロバーツさんは仕事場から駆け付けました。

それまでの検診で胎児の心拍にやや不規則性が見られたそうですが、医師は数週間早産になっても数ヶ月ということはないでしょう、と断言していたそうです。ところが事態は一点。トムは586グラムという超未熟児で生まれたのです。

チューブとワイヤーに繋がれて我が子が生きた42日間

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ロバーツさんは、トムが亡くなるまでの日々、できるだけ二人の子供達(当時8歳と3歳)の前では普通に振る舞うようにしてきました。一方で病院に行けばトムがチューブやワイヤー、モニターに繋がれながら細々と呼吸をしているという事実に直面しなければならず、「この子は今、とてつもない暗闇にいるのだ。」と感じたそうです。

親であるロバーツさんはこう言います。「親である以上、どんな子供が生まれても可愛くて仕方ありません。トムが生まれた時瞬間的に無条件の愛を感じました。」だからこそ、超未熟児で生まれて来た我が子が「あまりにも小さ過ぎて、あまりにも弱過ぎて、あまりにも色々な疾患があり過ぎる」事実に苦しんだと言います。

そして「その日」はやってきた

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病院からの電話を受け取ったロバーツさん。その瞬間、思わず安堵の気持ちが広がったと言います。「もちろん、息子を失ったことは悲しい。でも、もうあんな小さな体でいろんなものに繋がれて苦しい思いをしなくて済むんだ、やっと自由になれたんだ、と思ったら安堵の気持ちが湧いたんです。」

42日間、必死で生きようと闘い続けた小さな命。でも、このまま生きられるかどうかわからないまま苦しみ続けるよりも、トムは旅立つことを選んだ。そう思うと息子のためにもそれが一番良かったのかも知れないとロバーツさんは言います。

瞬きして人生を見つめる余裕もなく、たった42日で旅立った息子。トムに対する溢れる想いをロバーツさんは今回、1冊の本にしました。タイトルは「42日間」。愛する我が子のことを、どうにかして形に残したいと思ったのでしょう。ロバーツさんの正直な感情がそこには綴られているそうです。

愛する我が子を失った気持ちは、恐らく母親と父親とでは違うでしょう。でもどちらがどうとかいう問題ではなく、あまりにも痛々しい姿の子供が日々、苦しんでいるのを目の当たりにした時、ロバーツさんのように最後に安堵を感じたとしても、それは誰も責められることではないのではないでしょうか。

どんな形であれ、自分の子供を失うという悲しみは、それを経験した当事者にしかわかり得ないことです。ロバーツさんは、自分の正直な気持ちを本にすることで自分と同じように子供を亡くした人達と、その悲しみや深い思いをシェアしたいと話しています。また、そうすることで亡くなったトムにとっても追悼の意を表すことになると。

この瞬間にも、超未熟児でこの世に生を受ける赤ちゃんがいることでしょう。小さな小さな命が消えてしまわないように、赤ちゃんを信じて見守ることが大切です。でも、赤ちゃんが苦しみから解き放たれ、その時を迎えたとしても、精一杯生きたことを決して忘れないこと、これが親の私達にできる唯一のことではないでしょうか。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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