金曜夜10時から放映中の「コウノドリ」第5話は、10代の妊娠が取り上げられました。

ドラマでは、妊娠が判ったのが既に8か月ということで出産となりました。
しかし10歳代が妊娠した場合、人工中絶する割合はどれくらいなのだろうか?と思い、何気なく調べていると、驚くことが多々ありました。

人工妊娠中絶について、考えていきたいと思います。



平成2年に制度が変わっている

現在、人工妊娠中絶が可能なのは、22週未満=妊娠21週と6日までです。それを過ぎると中絶することはできません。

昭和51年から平成2年までは、24週未満=妊娠23週と6日まで可能でした
しかし医療技術が進み、22週で早産しても、しっかりと新生児ICU(NICU)で管理すれば生存する確率が格段と高くなったため、制度の見直しが行われました。
そして平成2年からは人工妊娠中絶が認めれれるのは、現在の22週未満となったのです。

人工妊娠中絶の推移を見ていきましょう。

1990年の総数は、約45万7000人、1995年=34万3000人、2000年34万1000人、2010年=34万1600人です。
(数字は「河野美代子のいろいろダイアリー」2013年11月5日付け投稿記事より)

1990年=平成2年ですので、制度が変わったことで人工中絶の総数は減っています。



22週の赤ちゃんは、どんな感じ?

妊娠4週目:頭部や手足になる部分が見られるようになります。

妊娠8週目(妊娠3ヶ月):胎芽は胎児となり、手足の形もはっきりとしてきて顔のパーツも細かいところまで出来てきます。
超音波トップラーで心音を聞くこともできます

妊娠10週:頭からお尻まで約4cm。体重5~8g。
2頭身ですが、すっかり人間らしくなってきます。指や爪もでき、まぶたの開閉も可能になります。

妊娠15週:胎盤が完成します。体長16cm、体重40~100g。臓器もほぼ完成し表情も出てきます。指紋も出てきます

妊娠20週:身長20~23cm、体重250~350g。はっきりと胎動が判るようになります。
耳も発達してきて、外界で大きな音がするとびっくりして手足を動かしているのが判ることもあります。

妊娠22週:身長28cm、体重400~500g。胎児が万が一早産となってもNICU(新生児集中治療室)でしっかりと管理すれば、生きていける生存ラインを超えます。肺の機能が発達してくるためです。



中絶の割合は、20歳未満と45歳以上が多い

妊娠100に占める中絶の割合は、平成24年度人口動態統計によると

20歳未満:61.8%
20~24歳:31.1%
25~29歳:12.3%
30~34歳:9.4%
35~39歳:13.8%
40~45歳:27.7%
46~49歳:55.6%
50歳以上:30.4%

です。
なんと、45歳から49歳の妊娠では半数以上が中絶と言う選択を選んでいました。

(「河野美代子いろいろダイアリー」 2013年11月5日付け投稿記事より)




妊産婦死亡率は10代よりも46歳以上の方がはるかに高い

現在日本では、10万人の出産数に対して3.9人が亡くなっています。
0ではないことは残念ですが、この数字は世界的に見てもかなり少ない数字です。
米国18.7、韓国10.8、フランス6.5、ドイツ5.2、英国5.0にたいして 日本は3.9です。

しかし、これを年齢別に見ていくと、

<年齢別に見た妊産婦死亡率:平成14年から23年の10年間の累計>
出生10万人当たりの数字です)

19歳以下:1.0
20歳:1.4
35歳:6.6
42歳:27.2
43歳:38.0
45歳:54.9

35歳ごろから急激に高くなります
(数字は、朝日新聞apital2014年8月28日付記事「年齢別に見た妊産婦の死亡率」より)
高齢出産は10代の出産以上にハイリスクだとも、言えるでしょう。
このような背景も、高齢妊娠の中絶が多い原因の1つだと考えられます。

中絶した胎児はどうされるのか??

ここから先は、大変残酷な話となります。

中絶した胎児は、12週未満の場合は「医療廃棄物」として取り扱うことになっています。
医療廃棄物と言うと衝撃も緩和されるかもしれませんが、要するに「ゴミ」として扱われます
残酷な言い方ですが、これが真実です。

もう、心臓が動いていることが判ろうが、まぶたの開閉ができようが、笑っていようが、赤ちゃんが聞いていようが、ぬいぐるみや人形のように「ゴミ」として処分されるのです。

12週以上の場合は、死産に対する届け出ということで、「死産届」を提出しなければなりません。
そして、墓地埋葬法によって「死体」という扱いとなり、火葬・埋葬されます。

その際の棺桶ですが、「ブラックジャックによろしく」という10年ほど前に放映されたドラマでは、笑福亭鶴瓶さんが演じた新生児科医がこのように言っていました。

~子ども用の棺桶を見たことがありますか?大人用の棺桶を半分に切るんです。だから2か所の角が直角なんです~~

出典 http://mangaonweb.com

大人の半分の大きさの棺桶に収められた、小さな小さな胎児の姿を想像すると、やりきれない気持ちになりました・・・

中絶を避けるには・・・

中絶を避けるには、予期せぬ妊娠を避けるしかありません。

46歳から49歳の妊娠では、半数以上が「中絶」を選択しています。
これはおそらく、もうそろそろ閉経だし避妊はしなくても大丈夫だろう、と思っていたらまさかまさかの妊娠・・・・ というケースが大半なのでしょう。

100%確かな避妊法と言うものはありません。
1種類の避妊法ではなく、基礎体温+コンドームのように2種類を併用するのがベターです。
46歳から49歳ごろの時期は、生理も不順になってきますので基礎体温を測ることをお勧めします。

また、中学生は保健の授業で避妊法も習いますが、学校によっては保健の授業を疎かにしている所もあります。
受験科目ではないから。そもそも学校が崩壊状態で授業など成り立っていない・・・・etcなど理由は色々あるようですが・・・

学校でできないことは、各家庭でしっかりと教えることも大切でしょう。

最後に

40歳以上の人工妊娠中絶が若い世代よりも多く、46歳から49歳では半数以上もあることに愕然としました。
中絶と言えば、若い子たちというイメージがあるようですが、これも大きな社会問題ではないでしょうか?

芸能人が高齢出産すると、高齢出産のリスクはそっちのけで華々しくマスコミは取り上げます。
しかしその陰で、高齢妊娠は中学生の妊娠と同様に、様々な問題を抱えています。
10代の出産以上にハイリスクです。

それが、「中絶」という選択を選ぶことに繋がっているようです。

次回「コウノドリ」第6話は、高齢出産がテーマのようです。
10代の中絶だけではなく
40歳以上の中絶率も高い ことを知ったうえで番組を見ると、ベターではないかと思い、記事を書かせて頂きました。

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患者からの目線と元医療従事者としての目線とで、医療や健康に関する記事をメインに書いています。
4度の手術に膠原病でバツイチで・・・と波乱万丈の人生ですが、”人生に喜びや笑いを添付したら結果は出るはず!”という「喜笑添結」で毎日を過ごしています。

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