記事提供:Doctors Me

医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
通常、減量といえば食事制限や運動が一般的ですが、あまりに体重が多い場合などには減量手術が用いられる場合があります。しかし、手術での減量とは一体どのような方法で行われるのでしょう。

今回はこの減量手術について医師に解説していただきました。

胃を切除! 驚くべき減量手術の方法とは?

減量手術の特徴は一度に食べられる量を減らす、あるいは吸収される量を減らす手術です。

・一度に食べられる量を減らす手術
この手術は、胃をある程度切り取って胃を小さくする手術です。この方法の問題点は徐々に残した胃が大きくなってしまい、手術の効果が悪くなることです。

・吸収される量を減らす手術
この手術は、胃と小腸の一部をつなぐバイパス手術によって胆汁や膵液等の消化液と食べ物とが混ざらないようにすると同時に、小腸が短くなることによって食べ物の吸収を抑えます。この方法の問題点はダンピング症候群といって食べ物を一度に多量に取ると、取った食べ物が一気に小腸に行くことによって吐き気や冷や汗、めまい、血糖の変動が起こることです。一度に取る食事量を調節したり食後横になるようにすれば、ある程度は抑えることができます。

一般的にはバイパス手術の方が胃を小さくする手術より減量の効果があります。また両方の手術を合わせて行う方法もあります。

どんな場合に減量手術は適応される?

先に述べたように、減量手術はどなたでも受けられるわけではありません。

・BMIが40以上の肥満
・糖尿病やホルモンの異常などの肥満の原因となる病気がない
・食事療法や運動療法などによっても減量の効果が上がらない
・あるいは肥満によって心臓等の身体に大きな負荷がかかっている
このような場合に手術の適応となります。

手術の金額は手術の種類と保険でカバーできる手術かどうかによって異なりますが、100万円前後はかかります。保険でカバーできれば、その3割と入院費が必要となります。手術の時間は半日程度で、その後の入院期間は1週間程度です。

減量手術の危険性は?

出血等の一般的な手術に伴うリスク以外の危険性としては、胃を小さくする手術では、
・元に戻すことができない
・小さくした胃が再度大きくなって減量の効果が悪くなる
ことです。

バイパス手術では前述しましたダンピング症候群による症状が起こる可能性がありますが、食事の取り方等に注意をすれば大きな問題にはなりません。問題はこの手術を受けると、将来的に胃カメラによる胃の検査や内視鏡による膵臓の検査ができず、肝臓から胆汁が流れる総胆管に石等ができると、その治療には特殊な内視鏡が必要になる点です。また、鉄分やカルシウム等の微量元素の吸収が悪くなる可能性があるので、これらの微量元素の入ったサプリメントが必要になる場合があります。

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医師からのアドバイス

欧米人と比べて日本人では手術が必要な程の肥満は少ないですが、原因が不明で食事療法や運動療法を行っても効果が上がらない、あるいはすぐにリバウンドしてしまう人は日本でも確かにおられます。

食事療法や運動療法で効果が上がらない場合は、お腹に傷は残りますが、手術を受けることは効果的な減量方法です。日本ではすべての減量に対する手術がまだ保険ではできませんので、費用の問題はありますが、専門医を受診してよく相談した上で治療法を選ぶことが大切です。食事療法や運動療法は最初は効果がありますが、その後徐々に効果がなくなることがよくありますが、手術による減量法は継続的に効果が得られる減量法ですので、今後更に手術法に改良が加えられて施行される頻度が上がると思われます。

(監修:Doctors Me 医師)

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