「はい、大きく息を吸って~。しっかりと止めてください。ハイ、楽にしていいですよ」
病院に行ってレントゲンを撮ったことのある人は、この声掛けをして撮影している人が、放射線科のお医者さんだと思っている人が多いようですが、実は違うのです。

レントゲンを撮ってくれた白衣を着たお兄さんやお姉さん、おじさんやおばさんは、「臨床放射線技師」と呼ばれる職種の人たちです。

そういえばA美ちゃん、「レントゲン科のお医者様と付き合ってるの~」なんて言ってたけど、放射線技師じゃないの?騙されているのでは・・・??
な~んてこともあるかもしれませんね。

では、放射線科の医師はいったいどんな仕事をしているのでしょうか?

小さな町の開業医やクリニックでは、医師がレントゲン撮影を行うこともありますが、大きな病院では、レントゲン撮影は臨床放射線技師が行っています。

たま~に小さな町の開業医で、看護師さんがレントゲン撮影を行っている所もあるかもしれませんが、あれは医師法違反です。
レントゲン撮影ができるのは、臨床放射線技師か医師免許を持った人だけです。

ボタンを押すだけなので人件費の節約なのでしょうか?
看護師がレントゲン撮影を行っている医療機関は、あまり信用しないほうがベターですよ。

では、大きな病院の放射線科の医師はいったい何をしているのでしょうか?

CTやMRIなど大きな機械は放射線科の医師が撮影して、胸や手足のレントゲンは放射線技師が撮っているんじゃないの?
と思った人も多いかな?

残念ながらそれも違うのです。

読影を行っています

大きな病院では、撮影したレントゲン画像は、放射線科の医師が見て診断します。
画像の影を見て病気を読み取るので「読影」と言います。

放射線科の医師は、この読影の専門家で「放射線診断専門医」です。
患者さんと接することはあまりないので、存在の認知度は低く影は薄いようですが・・・

病院の規模によっては、すべての画像を放射線診断専門医が読影することが難しく、一部の画像だけを放射線科の医師が読影する医療機関もあります。
各診療科の医師が判断に迷うときだけ放射線科の医師に診て貰う、という所も多いです。

開業医や小さなクリニックでは放射線科の医師は、置いていないことが大半です。各診療科の医師が読影しています。

動脈塞栓療法などの治療を行います

放射線科の医師は読影だけではなく、IVR(インターベンショナルラジオロジー)と呼ばれる血管撮影の技術を応用した治療を行っています。

肝臓がんでは、肝動脈化学塞栓療法(TACE)があります。
これは、肝臓へ栄養を送る動脈をゼラチンなどでふさぎ栄養失調状態にして、腫瘍を壊死させる治療です。

その他、大動脈にステントを留置する治療や、血管拡張術、膀胱がんの動脈注射療法、CTガイド下生検(CTで場所をガイドしてもらいながら、病気が疑われる組織を採取して顕微鏡で見て調べる検査)などを行っています。

放射線治療

食道がんや大腸がん、前立腺がん、頭頸部がん、乳がん、婦人科癌などの悪性腫瘍に対して放射線治療を行うのも、放射線科の医師の仕事です。

現在乳がんで治療中の北斗晶さんも、放射線治療が予定されていますが、効果を期待したいですね。

縁の下の力持ち

他の診療科と比べると、患者さんと接することは少ないですが、放射線科の医師はまさに「縁の下の力持ち」です。
また、各診療科の医師から、画像をどのように判断すればいいのか相談されることも多く、「医師の医師」とも言われています。

病院内には、私たちの知らない所で私たちの尊い命を守るため、多くのスタッフが働いているのですね。

闘病中のみなさん。ひとりじゃないよ!
あなたの味方はたくさんいますよ。あなたの知らない所にも!

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患者からの目線と元医療従事者としての目線とで、医療や健康に関する記事をメインに書いています。
4度の手術に膠原病でバツイチで・・・と波乱万丈の人生ですが、”人生に喜びや笑いを添付したら結果は出るはず!”という「喜笑添結」で毎日を過ごしています。

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