イギリスでも今年、国内最年少となる12歳と13歳の少年少女が、子供の親になったことで話題となりました。イギリスでは正直、10代の妊娠・出産が少なくありません。ニュースを見る度に「またか」と思うのも事実です。

でも、中央アメリカのグアテマラでは10代の妊娠、出産が世界でもっとも多いと言われています。原因は貧困、性教育不足、虐待、レイプなどによる被害。10代の少女による妊娠・出産は年々増加しています。

89%が親族によるレイプ

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9歳、10歳の少女といえばまだまだ子供。そんな子供に性的虐待を加える親族がなんと89%もグアテマラには存在します。更にそのうちの30%が実の両親というから驚きです。少女達は、自分が何をされているのかもわからないまま、性の奴隷となり妊娠・出産していくのです。

レイプがトラウマになり、産んでも子供を可愛がれない

出典 http://www.dailymail.co.uk

性的虐待により妊娠し、出産しても、自分自身が大人になりきれてないために事実に困惑する少女も多いそうです。中には、半年間自分の産んだ子供を抱くことさえ怖がる少女も。子供が子供を産むということは、このように社会に大きな歪みと生まれて来る子供への愛情不足を生み出し、決して無視されるべきことではないのです。

それはどこの国にも通じること

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性的虐待、レイプなどの妊娠は立派な犯罪ですが、イギリスや他の国のように本人同士の意思により12歳や13歳で子供の親になってしまうケースも、結局は大きな社会問題であることに違いありません。

イギリスでも、去年「イギリス一若い13歳の父親」と言われた少年がメディアで有名になりました。その一方で両親の「教育不行き届き」「躾けのなさ」などが批判され、彼らの生活は一変。13歳の少年は外出もままならなくなりました。

そしてDNA鑑定の結果、この13歳の少年は子供の父親でないことが判明。子供の母親(14歳)は既に複数の男子と性関係にあり、一度だけ関係を持った13歳の少年を「父親」だと嘘をついたのです。

13歳の少年が父親、というだけでもショックなのに、14歳の少女の交友関係のいい加減さ、また本当の父親は14歳と判明したことも、イギリスではいったい子供の教育はどうなっているのかと呆れた筆者でした。

ですが、今やこの「子供が子供を産む社会」は、呆れるというだけでは済まされない大きな社会問題になっているのです。悲しいことに、国によっては10代の子供に結婚や妊娠・出産を強要する部族もあります。体が完全に大人に成長していない段階で、妊娠や出産をすれば当然母体と胎児のダメージも大きくなります。

女性が弱者であり続ける社会の問題を追い続ける一人の女性

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米ニューヨーク在住でフォトジャーナリストのリンダ・フォーセルさんはグアテマラのように「10代で妊娠・出産する子供たち」の問題を始め、世界が抱えている女性問題を過去5年間追い続けて来ました。

フォーセルさんの取材では、グアテマラの人口の4分の1の赤ちゃんが15歳以下の少女から生まれていることがわかりました。去年だけでも、10歳から14歳の少女で妊娠・出産したのはなんと5100人にも上ったそうです。

初潮が始まりすぐに妊娠したことを怖くて言えなかった

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リリアンちゃんは26歳の伯父に9歳の時にレイプされました。その頃はまだ初潮も始まっていませんでした。何度も何度もレイプを繰り返され、初潮が始まったらすぐに妊娠。驚くべきことに、誰もリリアンちゃんがレイプされていると気付かなかったと言います。

妊娠していることがわかっても、怖くてなかなか周りに言えなかったリリアンちゃん。今、リリアンちゃんの産んだ子供は2歳近くになっています。出産し、母親となり、子育てをしているといっても、リリアンちゃん自身がまだ子供なために受け入れられない葛藤もあります。

子供を守るにはどうしたらいいのか

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性教育の早い欧米社会では、セックスの低年齢化が進み、グアテマラのように性教育の知識がない国では、自分が何をされているかもわからないまま妊娠・出産をする。あまりにも違いすぎる文化と習慣。そして「レイプ」という立派な犯罪さえもうやむやになってしまう国が存在するというのは、非常に悲しく怒りを覚えてしまいます。

フォーセルさんは、グアテマラの痛ましい現状を目にして以来、いくつかの人権団体に協力を求めました。避妊の知識のない国、そして低年齢の子供にセックスを求めるのは犯罪行為と同様だと筆者は思います。

更に、グアテマラでは「子癇」により出産のリスクが高いことも判明。理由は少女の子宮が未熟なためにリスクも大きく死ぬ可能性も当然高くなるわけです。グアテマラでは、他の国の16歳の少女が妊娠する4倍以上のリスクがあるといわれています。生まれて来る赤ちゃんも未熟児がほとんどという現実。

いつか、こんな社会が変わることを信じて

出典 http://www.dailymail.co.uk

フォーセルさんが取材した限りでは、子供が子供を生むグアテマラの割合は年々増加し、大きな社会問題になっているために、人権問題、女性の権利へのリスペクトなどが見直されるようになってきているそうです。

何より、レイプや性的虐待への問題が問題視されれば、それらを「犯罪」としてしっかり取り締まるようになるのではないでしょうか。そうすれば低年齢の少女への犠牲が減少するかもしれません。

今すぐにとはいかないけれど、いつか10歳の子供は10歳らしく楽しく遊んで、勉強して、普通の生活を送れるような社会になって欲しいと心から思う筆者。子供を守るべき大人が子供を守れずに、子供を地獄へ落として行くのだけは許せません。いつの日か、そんな社会が少しでも減ってくれることを願って止みません。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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