子供を自分より先に亡くしてしまうことほど親にとって辛いことはないでしょう。亡くなってしまった後も、それを事実と受け入れられず苦しみ、悲しむ多くの親が世界には存在します。もし、時間が巻き戻せるなら。もし、また愛する我が子に会えるなら。悲痛な親の願いは日々募っても決して止むことはありません。

タイに、たった2歳の娘を小児脳腫瘍で亡くした両親がいます。難易度の高い難病として知られる小児脳腫瘍は、未だにその治療法が見つかっていません。幼い身体でそんな難病を患ったマセリンちゃんは、これまで10回以上もの脳外科手術と20回にも及ぶ化学療法を行いました。

医師が診断した時には既に小さな脳に11cmもの悪性腫瘍ができていて、進行性が早かったため、治療の甲斐もむなしく左脳の80%ががんによって失われていたそうです。そしてがんはあちこちに転移。植物状態に陥ってしまったマセリンちゃんの姿を見て、両親はある決意をしたのです。

娘の脳を冷凍保存することを決意した両親

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マセリンちゃんの両親は、アメリカのアリゾナ州を拠点とした人体冷凍保存の研究・開発を目的とした「アルコー延命財団」にマセリンちゃんの脳の冷凍保存を依頼することに。

タイのバンコクに飛んだスタッフは、マセリンちゃんの生命維持装置が切られると同時に組織損傷を避けた長期凍結状態にするために、マセリンちゃんの体からすぐに体液を排出し、凍結液を注入しました。特別な容器で-196℃に脳を冷凍したままアメリカへと輸送。

自宅にも愛娘の脳の一部が液体窒素保存で眠っている

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現在、マセリンちゃんの脳の一部は「アルコー延命財団」の特別施設内で保管されているそう。彼女はアルコー延命財団の134人目の患者であり、最年少の患者であるということです。更に自宅にもマセリンちゃんの脳の一部が大切に保管されています。

いつか、愛する我が子が蘇生することを信じたい

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マセリンちゃんの父親は医療エンジニアということもあって、今回の愛娘の脳の冷凍保存に積極的だったそうです。ただ、「アルコー延命財団」は冷凍保存は請け負うものの蘇生に関しては一切保障はしていないのです。

それでも万が一、蘇生に成功すれば人格や記憶が残っている可能性があるということで最愛の娘を失った両親は、このわずかな可能性に賭けているのです。

ただ、この脳の冷凍保存には年間約950万円という高額な保管費用と年会費がかかるので、決して安くはありません。高額な費用を払い続けてでも、「いつか」のその日を信じるマセリンちゃんの両親の悲痛な願いは果たして叶うことがあるのでしょうか。

医療エンジニアの父サハトムさんは言います。「昔は、人体蘇生施術は400~500年はかかると言われていました。でも現代医学の発展により今やあと30年ほどで実現するのではと言われています。」

たとえ姿が変わっても、愛する娘が再び蘇生してくれる日が来るのなら、その日を信じて楽しみに待ちたいと両親は話しているそうです。愛する娘といつの日か再会できるその日まで、マセリンちゃんの両親はこれまでと変わらず亡きマセリンちゃんに深い愛を注ぎながら1日1日を過ごすことでしょう。

あなたは、どう思いますか。愛する我が子との別れが来ても、もし「蘇生」という可能性があるならそれに賭けますか?もちろん、金銭的な余裕がなければできないことです。でも一生失ってしまうよりも、「いつか」を信じて冷凍保存法を選びますか?

マセリンちゃんの父親が言うように、もしかしたら本当に近い将来、蘇生施術が身近になる日が来るでしょう。そうなれば、不運にも我が子を失ってしまった人達は近未来にはきっと冷凍保存を望むケースが多くなるのではと想像します。

でも何より、こんな悲しいことがおこって欲しくない。毎日愛する子供の顔を見ながら命の尊さ、儚さを考えずにはいられない筆者です。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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