記事提供:Doctors Me

医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
100円ショップで発売されていたマニキュアから、化粧品への配合が禁止されている化学物質「ホルムアルデヒド」が検出され自主回収にいたったという報道がありました。このマニキュア購入者からは「指が腫れた」「爪が変色した」などの苦情が寄せられたそうです。

この「ホルムアルデヒド」とは、一体どのような物質で、人体にどんな影響をもらたすのでしょうか。今回のニュースの気になることについて、医師にインタビューしてみました。

Q1. ホルムアルデヒドってどんな物質?

ホルムアルデヒドは、毒性の強い有機化合物の一つです。水などに簡単に溶け、ホルムアルデヒドを37%以上含む水溶液をホルマリンと呼んでいます。

ホルマリンは医学の分野では、原液を3~5%程度に薄めたものを、生体の組織の標本を作るときに、組織を固定したり腐らないようにするために使用することが多いかと思います。これは、ホルムアルデヒドが組織の細胞に浸透することで生体を構成するたんぱく質の構造を変えることで、酵素のはたらきをとめたり、輸送、分泌といった細胞の活動を失わせることで死後の組織の変化を起こしにくくするために使われるようです。

Q2. ホルムアルデヒドは身体にどのような影響を与えるの?

ホルムアルデヒドという物質は、特に外から曝露される、取り込むということがなくても、私たちの身体の中でアミノ酸などの代謝に伴って少量は作られ、自然に存在しているものです。ただ、濃度が高くなると、急性毒性があり、主に粘膜が影響を受けます

例えば、目やのど、呼吸器系などに炎症を起こすことが知られています。また、発がん性があることも知られ、新築の家の建材・塗料などで具合が悪くなるシックハウス症候群の原因物質の一つとしても有名です。

≪あなたの「乳がん」リスクはどのくらい?≫
しこりに気づいてからではもう遅い?乳がんの早期発見のためにリスクをチェック!

Q3. 今回の「指が腫れた」「爪が割れた」 などの被害・影響は完治可能?

今回のように、皮膚に付着したといった事例では、皮膚の硬化や、褐色化などを起こす可能性があります。治療としては特効薬はなく、汚染された部位を石けんと水で十分洗浄する、といった対症療法が主体になるかと思います。

長い時間使用したり、今回の報道の対象商品はマニキュアということなので量としては少量かと思いますが、かなり顔を近づけてホルムアルデヒドを含んだ蒸気を吸入した、ということであれば、息苦しさなどがある場合は、それに応じた呼吸管理が必要になることもあります。

【医師からのアドバイス】

今回のように、私たちがごく身近に、日常的に使用する一般的な商品で、検出されるべきではない毒性のある物質が出て、回収ということになるとやはり不安も強まりますよね。該当される商品を買った方はしっかり情報収集し、必要以上にパニックになったり、軽視しすぎたりしないで、落ち着いてしかるべき対処をとることが何より大切です。

このような事例が相次いでいますので、一消費者として安全な商品、安心して買える商品の供給を願いたいと思います。

(監修:Doctors Me 医師)

この記事を書いたユーザー

Doctors Me(ドクターズミー) このユーザーの他の記事を見る

Doctors Me(ドクターズミー)は、医師、薬剤師、歯科医、栄養士、カウンセラー、獣医に相談できる、ヘルスケアQ&Aサービスです。医師をはじめとする専門家が解説する人気コラム、病気・症状の体験談等を配信中!

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス