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保育園で子ども達を見守り、指導してくれる保育士。皆さんの中でも、将来保育士になりたいと思っていた方もいらっしゃると思います。

しかし、現実には保育士の給与・勤務状況は過酷を極めるものでした…。

現役の保育士の方が、給与や労働環境の改善を求めるために先日会見を開き、話題になっています。

勤務6年目でも手取り14万円という現実

出典 https://twitter.com

現役の保育士などが、安すぎる給与の改善などを訴えた。

手取りの月収は、24歳、2年目で、およそ11万4,000円、28歳、6年目で、およそ14万円。

これは、フルタイムで働く保育士の給与明細。

出典 http://www.fnn-news.com

勤務先によって変わってくるとは思いますが、この金額で生活をしていくのはかなり難しいと思われる方がほとんどではないでしょうか…。

この会見では、勤務実態も過酷なこと、昇給が望めないために10年以内に退職してしまう人が多く、人手不足も深刻であることが話されていました。

たしかに国家資格ですし、次代の人材を育成することに関わるやりがいのある仕事という意味では魅力ある職業です。

しかし、働くということはボランティアではありませんし、霞を食べて生きていけるわけでもありません。

そのため、保育士の資格を保有していても、違う仕事をしている人が少なくないのです。

「潜在保育士」の存在

電車にバイバイ
by sato sugar

保育士の資格を保有しつつも、保育士として働いていない人のことを「潜在保育士」と呼びます。

横浜の保育人材サービス会社であるIMAGINEの調べによると、保育士資格保有者が全国で140万人いるのに対し、潜在保育士は半数以上にも上るとのこと。

国家資格なのに保育士として働かない理由は、一体何故なのでしょう?

待機児童が50名以上存在する市や、特別区を管轄しているハローワークで行われた調査結果をご覧下さい。

「保育士への就業を希望しない理由」(複数回答可)で最も多かったのが、「賃金が希望と合わない」(47.5%)。

約過半数が選択しており、「他職種への興味」(43.1%)や「責任の重さ・事故への不安」(40.0%)を上回っている。若い年代ほど回答率が高く、20代では57.9%、30代では56.0%を占めていた。

出典 http://www.j-cast.com

資格を保有しながらも、違う仕事に就くという選択をする背景には、やはり給料が問題となっていたのです。

また、厚生労働省が行った調査でも以下のような意見が出ています。

保育士資格保有者を対象に厚労省が行った別の調査では

「資格なしの人と給与差がない」「資格を持つ専門職としては安く、コンビニやスーパーのバイトよりも時給が安い」「給料見直しで給料が下ってきている」といった給与面での不満が多く挙がっていた。

出典 http://www.j-cast.com

やはり給料面での不満が多いのです。

専門的な知識を学び、国家試験に合格して得た資格なのに、得られる給料の額が低いのであれば、もっと給料がもらえる保育以外の仕事を選ぶのは至極当然の流れではないでしょうか。

さて、保育園には公立と私立の2種類があります。

この違いも、保育士の待遇やその後のキャリアに大きく関わっていることが分かりました。

公立は年功序列だけど…

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公立の保育士は「地方公務員」。正規雇用であれば育児休業の取得が徹底されているため、新卒入職~出産育児を経て長く働く職員が多く、平均年齢が高め。給与は年功序列型で増えていきます。

一方で、私立保育所は出産・子育てによる離職が多く、平均年齢は10歳近い差が出ています。

出典 http://www.e-hoikushi.net

公立保育園で働く場合は、地方公務員として勤務するため、たとえ給料が安くとも行く行くは年功序列で増えていくのです。特に男性の保育士の場合は、「将来結婚するなら公務員を目指せ」と大学で勧められることもあるのだとか…。

反対に私立の場合は、認可保育園での経験年数が給料に反映されることが主流で、育児などによるブランクの有無も大きく影響を及ぼします。中にはマタハラで退職を促すようなケースもあるそうです。

いずれにしても保育士の労働環境は、非常に厳しいものだということですね。

では、何故保育士の給料は改善されないのでしょうか?

これについて、病児保育サービスを運営しているNPO法人フローレンスの代表・駒崎弘樹さんがブログで次のように述べています。

国からの補助金が鍵を握っている

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保育所の収入は「公定価格」と言って、補助金によって成り立っています。世帯収入がない人は保育料を払わないで良く、補助金でカバーされ、世帯収入が高い家庭はそれなりに(ただし上限がある)払ってもらう仕組みです。

なぜなら、保育所は福祉施設であり、教育と同様貧富の差に関係なく利用できるようにするためです。オプションとしてお金を取ることも制限されています。なぜなら、「お金をもっとくれれば、もっと良い保育をしてあげるよ」となると、貧富の差なく受けられる保育という原則から外れるためです。

出典 http://blogos.com

つまり、保護者からもらう保育料を増額するにも制限があるのです。

また、国からの補助金と保育料を合わせた金額の7割から8割が人件費ということも明かしていました。

残った1割から2割の範囲でしか、給料の増額ができないというのが現実なのです。

つまり、保育士の給料を上げるには国からの補助金の増額が不可欠となります。

この保育士の給与・待遇に関して、Twitterでも多くの意見が上がっていました。

Twitterの声

箱を増やしても、人が増えない。そして仕事内容が3Kである故に、人が増えないことを現場の先生も認識しているのです。

資格を持っている人は、たくさんいるのです…。

お金が稼げるのであれば、なりたいと思う人も増えますし、職業として選択する人も増えるはずです。

スタート地点は横並びでも、公務員かそうでないかで差が開いてしまうのです。

私立保育園でも、昇給するシステムが作られると良いのですが…。

仰る通りです。

好きでなければ耐えられない給料と労働環境…これでは輝けませんよね。

保育士だけではなく、介護士も給料の金額が割に合わないと言われる職業です。

少子高齢化の日本において、需要のある職業なのに…。

都心であれば、貯金するのは不可能に近い気がします。

節約すればいい、という次元の話ではありませんよね。

収入が全てではないとは言っても、生活に困る未来を見たら後進も育たないのは当然です。

収入面を考えて違う道を選ぶ人も…。

福祉国フィンランドとは、あまりにも違う待遇に驚きを隠せません。

保育園不足だけではなく、保育士不足も深刻な問題の一つです。箱があっても、人員不足で開園が遅れているケースも少なくありません。

働く上で給料と生活は切り離せない問題なだけに、早急な対応が望まれています。

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動物が大好き。会社員であり、流浪のライターとしても活動。
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