「痴漢は犯罪です」電車に乗るとよく見かけるこんなポスター。それだけ痴漢犯罪が多いということなのでしょうが、実際に痴漢被害にあったひとは、ほとんどが泣き寝入りしているのが現状です。

痴漢被害者のほとんどが泣き寝入り

警察庁がまとめた「電車内の痴漢防止に係る研究会の報告書について」(2011年)によれば、「痴漢被害に遭っても警察に通報・相談していない」と答えた人は304人中、271人(89.1%)。10人に9人が通報や相談を行なっていない計算になる。

出典 http://bylines.news.yahoo.co.jp

「やめてください」と声を出すのが恥ずかしい、もし声をあげて逆ギレされたら…間違って別の人の手を掴んでしまったら…そんな不安や恐怖から、どうしても泣き寝入りしてしまう被害者が多いのです。そして、痴漢に狙われるのが、そうやって大人しく泣き寝入りしてくれそうな相手なのです。

きっかけは一人の女子高生でした

初めて痴漢に遭ったのは、高校に入学してすぐのことでした。まだ電車通学に慣れていなかった頃、ホームの端の女性専用車に乗らずに普通車両に乗ってしまい、見知らぬ男性にお尻を触られました。車内は満員で、どうする事も出来ずに泣き寝入りしました。最初の頃は、本当にショックで、学校に着くと担任の先生に泣きついてしまう事もありました。

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下校時は女性専用車がないので、痴漢に遭うことが多かったです。私をドアに押し付け逃げ道をなくし、降りるはずだった駅を過ぎて知らない場所まで連れて行かれたこともありました。その時はパニック状態で、降りた駅の名前も覚えていません。よく家まで帰れたと思います。そのほかにも、両手でつり革を持ち周囲に気づかれないように股間を押し付けてくる人。やめてくださいと言っても知らん顔で、両手を上げているので周りも無反応。こういうタイプは対処の仕方がわかりません。

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高校に入って電車通学をする様になってから痴漢被害に遭う様になった一人の女子高生。防犯ブザーを持ったり、電車の時間をずらしたり、友達の男子生徒と一緒に電車に乗ってもらったりと痴漢に遭わない様に工夫しますが、全く被害は減りませんでした。

そこで彼女は母親を相談し「被害にあってから勇気を出すのではなくて、これを身につけて被害にあわない勇気を出したい!」と思いカードをつける事にしました。

カードをつけるようになってから、あれほど悩んでいた痴漢被害に一度も合わなくなりました。彼女のした事は、ただカードをつけて「私は泣き寝入りしません」と意思表示をしただけです。このカードは確かに痴漢に対しての抑止効果があると実感します。

しかし、この目立つカードはつけるのにも勇気が必要です。マタニティマーク同様、目立つ事によって世の中の悪意を受けてしまうという悲しい場合もあります。実際、この女子学生は「痴漢する方も相手を選ぶよな」などと言われたりした事もあるそうです。

これはいつか絶対に言われると覚悟していました。自分でもそう思うかもしれない、と思ったからです。でも、実際に言われると傷つきました。「狙われてなければつけなくていいのに」と思いました。

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それでも痴漢にあうよりはマシと思い、カードをつけ続けて通学しました。そして痴漢行為への抑止効果がハッキリした事で、悩んでいる人や苦しんでいる人たちにも、この事を知ってもらいたいと考える様になります。その為には、もっと気軽につける事ができる様に大きなカードではなく缶バッジに、デザインもシンプルに変えました。

目立つカードから缶バッジに変えた事で、また被害にあうのではないかと心配しましたが、効果は変わりませんでした。

バッジのデザイン公募・クラウドファンディングへと

この経験を元に、女子高生とその母親、母親の友人らが中心となったプロジェクト「Stop 痴漢バッジ』が発足しました。

出典 https://faavo.jp

こちらは現在サンプルで作られたバッジ。正式なデザインは公募作品の中から選出されます。

デザインはクラウドワークス実施の「Stop痴漢バッジデザインコンテスト」で募集中です。女性が抵抗なくつける事ができる様なデザインを募集、締め切りは11月24日(火)です。

また、クラウドファンディングも行っており、FAAVO東京23区での製作資金を支援した人には、サンクスレターと今回の公募で採用されたStop痴漢バッジが配布される予定です(2016年3月より)

「私たちは泣き寝入りしません!」バッジをつけて宣言しよう

Stop痴漢バッジプロジェクトでは、このバッジを呼ぶときに、痴漢撃退バッジではなく、痴漢抑止バッジと呼ぶことに決めました。撃退の方がインパクトあるって、わかっているですけど・・・

私たちは、痴漢行為があってから、対処したいんじゃないんです。よく、駅のポスターに書いてありますよね。「痴漢にあったら、勇気を出して、声だして」って。

もちろん、痴漢にあったときに、勇気を出すのは大切だし。それで痴漢を撃退できるのなら、その方がいいです。でも、ホンネはそこじゃない!撃退するのではなく、痴漢にあいたくない。だから、痴漢撃退ではなくて、痴漢抑止バッジ (^^)


出典 http://scb.jpn.org

痴漢抑止バッジをつける効果とは

音を出したり声を上げたりせずに、ただ缶バッジを身につけるだけでOK!

出典 https://faavo.jp

▲「痴漢抑止バッジ」はただ身につけるだけで、痴漢被害を未然に防ぎます。
イラストのように、後ろに立った人の目に入るようにバッジをつけるのがポイント!乗車する前に、「痴漢抑止バッジ」をバッグの持ち手につければOKです。

犯人のやる気をなくさせて被害を未然に防ぐ

出典 https://faavo.jp

▲車内で大きな声を上げたり、防犯ブザーを鳴らしたりするのは勇気がいります……
痴漢にあってから勇気を出すのではなく、痴漢抑止バッジをつける勇気で、自分の身を守れます。

犯人と間違えて、ほかの人の手をつかむ心配がなく冤罪被害者もつくらない。

出典 https://faavo.jp

「混んだ電車の中で、犯人じゃない人を間違えて痴漢だといってしまうのが怖い」と言っていました。たか子は「痴漢抑止バッジ」をつけるようになってから、そんな不安がなくなりました。そもそも痴漢にあわないからです。

痴漢被害を心配せず、安心して電車に乗れる事が大切

きっかけとなった女子高生の方の、このコメントがこのプロジェクトの深い意味を伝えてくれると思います。

「このバッジがすべての人に受け入れられるとは思っていません。なくてすめばそれでいい。でも切実に痴漢をやめてほしいと思っている子たちも実際にいます。中学生や高校生が被害に遭っています。(バッジをつくった背景には)痴漢の犯人を捕まえてほしいわけではなく、やめてほしいだけという気持ちがあります。痴漢を行う犯人は、泣き寝入りしそうな子を選んでいます。(被害者は犯人を)捕まえるのも、『やめてください』と言うのも逆ギレされそうで怖い。でも実際に被害に遭う前に、(泣き寝入りしないという意思表示で)相手が引いてくれたらそれでいいんです」

出典 http://bylines.news.yahoo.co.jp

受けた被害に対処するのではなく、被害に遭わない様にする、これは素晴らしいプロジェクトだと思います。実際に被害にあった人の恐怖心や心の傷は、本人にしかわからないものです。もし痴漢をした人が捕まったり罪に問われたりしても、この時に味わった思いは消えるわけでは無いのです。だからこそ、この缶バッジが普及する事によって、初めから痴漢被害にあわずに済み、その様な思いをする人が減ってゆくきっかけになる事を期待したいですね。

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