統計によると、2050年の地球人口は90億に膨れ上がるそうです。しかし、中国の一人っ子政策が解禁になった今、その数は計り知れなくなるでしょう。食糧危機は、否が応にもやって来ます。

現在の日本からは想像もつかないことでしょう。今後何年経っても、大きな天災でも起こらない限りは、スーパーから食料品か消えることなどまずないはずです。しかし、食料難が真綿で首を締められるような、徐々に忍び寄る危機だとしたら?食料が食卓から失くなる日、決して笑い事では済まされない事態のために、今ある生物が脚光を浴びています。

2012年の頃でした

遅かれ早かれ食糧難がくるのは分かっています。爆発的な人口の増加、度重なる異常気象によって引き起こされる自然災害、そして農業や酪農に必要な土地の減少など、そのどれもが食糧危機という巨大な爆弾への導火線とされています。このままの状態が続けば、例え先進国とはいえ、食料の供給不足に陥ることは明白です。

食糧不足は、飽くまでも予測できる未来の事象です。しかしながら、それを回避する手段はまだ見付かっていません。海の再生率は落ちており、海産物の収穫量は年々低下しています。警鐘を鳴らす学者は少なくありませんが、依然として魚の乱獲は続いています。海産資源がその状態なら、陸上でも同じことが起こっていると予測できます。よって、食糧危機は回避できない現実として、我々の頭上に降りかかって来るのです。

現状の食品に取って代わるのは?

出典 http://stepglishforward.blogspot.jp

特徴は、体に関節が多くあり、頭部、胸部、腹部の3つに別れています。脚が胸部から6本伸びています。

肉牛を1頭飼育し肉とするのには、1200 kgの穀物を与えなければならず、そこから取れるのは僅かに500 kgの肉牛でしかありません。現在、世界の穀物総生産量の3分の1は、肉牛とその他の家畜を生育するためだけに使われています。世界の総人口の約20%は、慢性的な飢えや栄養不足に苦しんでおり、さらに、飼料用の穀物を作るのと同じ耕地面積で食用の作物を生産すれば、穀物なら5倍の、また豆類なら10倍の収穫が可能だとされています。要するに、家畜を飼うのはある意味とても非生産的なのです。

そこで、家畜に代わるタンパク質の供給が問われることになってきたわけです。とは言え、そう簡単には見付かりません。ところが、簡単に繁殖し、その数量も豊富で、しかも一部では災害の予防にもなるある生物の存在に注目が集まったのです。その生物は、あなたもよくご存知の、昆虫です。

昆虫は何についても経済的

出典 http://www.shava.org

海外では見慣れた光景です。サソリは昆虫ではありません。

コオロギ100グラムから摂れる栄養素は、タンパク質が約13グラム、脂肪が5グラム、そして炭水化物は5グラムです。熱量はおよそ120カロリーです。同じ量の牛肉では、エネルギーが290カロリーで、タンパク質は23グラム、脂肪は20グラム、炭水化物は15グラムに当たります。健康的なのは圧倒的に昆虫で、熱消費量も比較にはなりません。昆虫を食用として飼育する場合、かかる飼料も水も酸素も、家畜が消費する量の数十分の一で済みます。手をかけず、ほぼ自然のままで増やすことができるのです。何よりも、コンパクトな環境で成り立つのがポイントです。

何かとメリットのある昆虫食ですが、それでもまだ食用として一般化するには問題があります。現在、食用となる昆虫の数は1460種と言われています。100万種もある昆虫の中には毒を持つものもいるので、一概に安全とは言えません。しかも、繁殖するにもエサを考えなければならず、そう簡単には行かないのです。与える飼料によって生育状態も変わるので、常に安価に供給できるとは限りません。既に常用食として出回っている昆虫もありますが、まだまだほんの一部にしか過ぎません。

未来を変えるミドリムシの存在

出典 http://midorimushiwiki.com

ミドリムシ。植物であるようで、また動物である一種変わった生き物です。

昆虫を食卓に上らせるには、まだまだ越さねばならないハードルがあります。その見た目もそうですが、量産するとなるとコストの面が懸念されます。自然に取れるのであれば安くて済みますが、人工的に羽化させるとすれば話は別です。

ところが、そんな昆虫よりも格段に現実的な食料となりつつある生物がいます。栄養価は昆虫よりも高く、安全性においても申し分がありません。その生物は、日本で開発が進められ、市場にも出ている微生物の、ミドリムシです。

それだけで全ての栄養素が摂れる奇跡の食材 ミドリムシ

出典 http://midorimusi.net

残るはタンパク質だけか?

ミドリムシは虫ではなく、昆布やワカメと同じく藻の仲間になります。ただ、変形しながら移動もできるので動物の側面も持ち併せている、100分の1ミリメートルほどの微生物です。必須アミノ酸やビタミンなどの栄養素を多く含み、固い細胞壁がないため、人の体内に入った場合の消化吸収率に優れています。

栄養素
動物と植物、両方を兼ね備えているミドリムシは、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、カロテノイド、不飽和脂肪酸など、人間が生きていくために必要な栄養素の大半をミドリムシは含んでいるのです。その数なんと!59種類!

消化率
ミドリムシは植物性の栄養素も保有していますが、ミドリムシの植物性栄養素には植物の細胞に存在する細胞壁がありません。つまり、本来なら消化効率の悪い植物性栄養素(植物の栄養素は通常、よく噛んでも40%前後しか消化できないと言われています)も、ミドリムシでなら動物性栄養素と同じくらい確実に体内で取り込めることを意味しています。ミドリムシの消化率は、脅威の93.1%!!

独自成分
ミドリムシは、他の生物にはない「パラミロン」という独自の成分を保有しています。パラミロンの粒子は、螺旋が絡まったような複雑な構造になっています。そして、表面には無数の小さな穴(ミクロホール)が開いており、不要物を取り込むことが可能と言われています。さらに難消化性という性質から、パラミロンは吸収されずに排出されます。大気中にある悪臭の原因を吸い取っていくのが炭ですが、パラミロンは炭と同じ働きをして不要な物質を吸い取っていくのです。

出典 http://midorimusi.net

これさえ食べていれば大丈夫のような気がします。

昆虫に比べれば、ミドリムシは割高です。現在のところは、他の食品と混ぜて取るようですが、そのうちミドリムシ単体の液状食や固形食が登場するでしょう。既に販売されている商品もあるようですが、むしろサプリとしての用法が一般的で、食事としてはまだまだ認知されてはいません。その点では昆虫の方が一歩進んでいると言えますが、ミドリムシが食卓に上る日もそう遠くはないでしょう。燃料としての利用にも漕ぎ着け、今後の利用範囲も広がることでしょう。昆虫とミドリムシが世界の食糧事情を変えるときが、近い未来に待っています。

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今季おススメのアニメは「うしおととら」。海外ドラマでは「ブラックリスト」。これまでに見た映画の中では、個人的トップ10の常連である、「フィッシャー・キング」です。

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