季節の変わり目になると、体の調子がどうもよくない…なんていう人も少なくないはず。自然と共存して生きて来た私達人間にとって、季節との関わりは非常に重要で、季節の移り変わりは、実は人間の気分に大きく影響を及ぼすということは、何千年も昔から知られていました。

でも、ちゃんとした名前「季節性感情障害」(SAD)と言われるようになるのは1980年代以降のこと。ではこのSADとはいったいどんな障害なんでしょうか。

SADはうつ病の一種

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男性と比べて女性の方が3倍も陥りやすいといわれるSADは、他のうつ病の症状と非常に似ている点もあります。気分が落ち込んだり、イライラしたり、物事を楽しめず人と関わりたくなくなる…などといった症状が、ある季節のみ出て来るのがSADなのです。

特に日照時間が短くなる冬に起こりやすい

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日が長くなって夜遅くまで明るいとなんだか気分もウキウキしますよね。それに対し、冬場は日照時間も短くなり、天気も悪くなりやすい…そんな天候に左右されて気分障害が起きるのがSADです。

ひどい場合は生きる張り合いをなくしてしまうことも

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イギリスでは今、SADを患っている女性は200万人と言われています。SADになると、まるでクマが冬眠に備えるように、チョコやカロリーの高い炭水化物をよく口にしたくなり、起きるのが憂鬱になってよく眠るようになる症状が出ます。

冬の間「死にたい」とばかり思ってしまう

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日照時間が短くなり光が不足すると、脳内の神経伝達物質であるセロトニンという分泌が減り、脳の機能が低下します。更には体内時計をつかさどるメラトニンの分泌バランスが狂ってしまいます。

そのため冬の間、激しいSADに陥る人の中には「死にたい」という気持ちを毎日抱えて過ごす人も。そしてそんな風に考える自分を大嫌いになってしまうという悪循環なのです。

ではどうすればSADを治療できる?

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軽い症状の場合は、思い込みを変えるよう努力したり、できるだけ日中、光に当たるようにすることで随分回復します。でもSADの症状が重い場合は、抗うつ剤などの内服薬が必要な時も。薬に頼るのはちょっと…と思う人もいますが、決して恥ずかしいことではないのです。少しでも自分を楽にするためにも、適切な治療が必要です。

冬に早く暗くなる土地に住む人ほど発症率が高い

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SADは、天候、季節と深くかかわる障害なので、アメリカでは1年中暖かいフロリダ州ではSADになる人は1.4%、アラスカ州では9.9%と調査で出ています。明らかに冬に早く暗くなる土地に住む人達がかかりやすいということですね。

カウンセリングやセラピーも再発予防にいい

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一旦重症のSADと診断されたら、抗うつ剤を一定期間飲んで様子を見るのが一般的ですが、認知行動療法(Cognitive Behavioural Therapy:CBT)も効果的だと欧米では言われています。これから寒くなって暗くなる季節、少しでも体調の異変や気分の変化に気付いたら躊躇わずに専門医に相談することが大切です。

自分を労わることが一番大切

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日本は今紅葉の綺麗な季節。週末家でじっとしているよりも、思い切って外に出かけてみるのもSADを予防できる一つの方法です。年末に向けて仕事も忙しくなることでしょう。何より日常、自分を労わってあげることが大切。

気分が塞ぎがちなことが多いなと気付いた時には、誰かに話したり、美味しいものを食べたりと心にも栄養を与えてあげましょう。SADは予防でき、また再発防止もできる障害です。常に心と体のバランスが取れた生活を心がけるようにしたいものですね。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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