記事提供:長谷川豊 公式ブログ

民主党の松本剛明氏が離党した。

我々の間では「たけあき」という本名ではなく、通称である「こーめーさん」「松本こーめーさん」と呼ぶことが多かった。「ごーめー」じゃないのか?と記者の後輩に聞いたことがあったが、周囲は「こーめー」なんだそうだ。

東大の法学部を出て、高祖父が伊藤博文という由緒ある血筋。温厚な人柄で、民主党議員の中では政策立案から逃げることなく、とても聡明な人だったと記憶している。

私が担当していた朝の情報番組にも2度ほどご出演頂いたこともあり、悪い印象は全くなかった。政策にも明るく、重要ポジションを務めていた彼の離党は、同じ民主党内ではショックを受けている人も少なくないだろう。

その松本剛明氏のフェイスブックが回ってきた。

これはすでにオープンにされているものであり、また内容にも触れたいので、全文を掲載したい。党の政調会長まで勤め上げ、外務大臣も経験した人物が、どうして民主党を離れることになったのか、あまりの惨状に彼の心情を察すると胸が痛む。

〖ご報告〗
国会に送っていただいて15年。党政調会長、議院運営委員長、外務大臣など重職を務める機会も賜りました。その間、民主党に所属してまいりましたが、この度、党を離れる決断をいたしました。

民主党は政権をめざし、政権を担い、政権を失った党です。下野した民主党は、国民の皆様のNOを謙虚に受け止めるべきで、真に生まれ変われば、信頼回復への道が開けるかもしれない。

そう考えて党内で主張し戦いましたが、力及ばず、党は徹底的な野党になる道を進んでいます。

安保法制は、民主党政権で検討してきました。しかし、今年の国会では全面的に反対のパフォーマンスを繰り返しました。責任ある姿勢として対案を出すべきでしたが、私が同僚議員と用意した対案は議論されずに終わりました。

共産党との連携を進める話まで出てきました。私の描くこの国の未来において共産党との連立はありません。もはや私がめざす道と民主党の進路が重なることはなくなりました。

私の原点は、国のために国民のために働くことにあります。そのために政策を実現する議員をめざしてきました。その原点に返るために、私は無所属になって前を向いて新たな出発をします。

何卒ご理解賜り、変わらずに政治活動をご支援くださればありがたく存じます。

平成27年10月27日

衆議院議員 松本たけあき

悲しかったろう。辛かったと思う。こーめーさん、相当に苦しい思いを抱えながらの毎日を過ごされてきたことがよく分かる文章だ。

このあいさつ文から二つ分かることがある。

まず、彼が民主党執行部に対し「真剣な反省を促していた」こと。

私も繰り返し主張していることだが、民主党は今のままでは来年の参院選は確実に惨敗すると見る。

過去、7回の大型選挙を取材してきたが、今の民主党には勝てる要素が何一つない。それがこーめーさんも書かれていた「国民のNOを謙虚に受け止める姿勢」がない点だ。

こーめーさんは、民主党内で懸命にそれを訴えていたのだろう。そして、このあいさつ文からは、それらの正論が全く通らなかったことが記されている。

そしてもう一つが安保法案の時の民主党内の動きだ。

当時の民主党内では、こーめーさんのように「責任のある政党として」対案を出すことを検討していた人間もいることが分かる。しかし、次の文章に衝撃を受けた。

「私が同僚議員と用意した対案は議論されずに終わりました

なんという失礼で悲しい対応か。

松本剛明氏が提唱した対案は、恐らくそれなりに検討の余地のあるものであったことは間違いないだろう。すべて彼の対案通りにすればいい訳じゃない。だが、彼がまとめ上げたのだ。無茶苦茶なものの訳がない。それを「議論せずに無視」したって?

党の政調会長も務めた人間だぞ?

外務大臣を経験している人間だぞ?

そんな人間が対案を出して「無視」って…今の民主党の執行部…とりわけ、岡田氏と枝野氏はいったい何をやっているのか?せめて、検討だけでもすればよかったじゃないか。

こーめーさんが辞めることになったのは、十分理解できる範囲だ。と、言うかそんな組織、辞めて当然だ。

政権を担う政党は文句を言っていればいい訳ではない。

日本国民は、バカばかりではない。無駄な利益誘導。無駄なメディアの扇動。否定ばかりの共産党の煽りに乗せられる人間ばかりじゃあない。

ある程度理解している人間は、誰が「リーダーにふさわしいか」という視点で政権を選択している。今、安保法案でサヨクメディアがくだらない揚げ足取りの報道を繰り返し、BPOに訴えられたら5秒で負けそうな放送を垂れ流し続けてきた。

そして、自民党であり安倍政権の不支持率はかなり上がったと言える。しかし…民主党の支持率は、ご存じのように下がり続けているのだ。NHKの調査では民主党の支持率はここ2回連続の調査で下がっている。

先日行われた宮城県議選でも、わずか7議席しかなかった議席をさらに減らし5議席のみの獲得となった。はっきり言って民主党は崩壊寸前ではないのか。

もともと、松本剛明と言えば、あの民主党がクソミソに言われていた2012年の選挙でも勝ち上がるほどの政治家。当面は無所属での活動となるそうだが、きっと大丈夫だろう。

安保の問題でもとてもよく分かったことだが、政治家の真髄とは「日本をどうしたいのかという夢があること」だ。それを有権者に発表して、あとは判断するのは有権者でしかない。

民主党は松本剛明氏が離党したことを、もっと真剣に受け止めた方がいいと思う。

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