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医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
「フォーカル・ジストニア」という病気をご存知ですか? もし知っているとしたら、あなたは医療従事者か音楽関係者かもしれません。

今回は、それぐらい聞きなれない病気「フォーカル・ジストニア」の正体、そしてその原因や解決法について医師に伺いました。

「フォーカル・ジストニア」とは?

フォーカル・ジストニアは、主にプロの演奏家など、楽器を高いレベルで演奏する人が、例えばピアノやバイオリンなどの演奏の際に正確に指が動かせなくなる、といった症状が出るものです。

具体的には、手の指の筋肉に変に力が入ってしまい、うまく滑らかに指が動かなかったり、反対に動くべきでない指が勝手に動いてしまって上手に演奏ができなくなってしまうことをいいます。当然のことながら、うまく演奏ができなくなってしまい、楽器を演奏する人にとっては非常につらい、場合によっては演奏家生命にかかわるような症状です。

また、この症状は演奏家の指だけでなく、例えばトランペットなどの管楽器を演奏する人の口元の筋肉にも起こることがあります。これらは、特定の音を出そうとした時にだけ起きたり、自分の常日頃、担当している楽器を演奏する時にだけ起きることがあります。

原因はいまだ不明…

このフォーカル・ジストニアは非常に謎の多い病気で、まだ原因ははっきり分かっていません。直接関連のある医療関係者や音楽関係者に、ひとつの「病気」として認知されるようになってきたのもつい最近のことなのです。

遺伝的な素因や環境の変化などの心理的なストレスも、フォーカル・ジストニアの原因の一つとして考えられてはいます。しかし、いまだ決定的なものはありません。ただ、演奏に支障をきたすような指や口元の変化が、その局所の筋肉によるものなどではなく、その部分に指令を出す脳の問題である、といったことは分かってきています。

膨大な練習によるストレスが要因?

では、演奏家の脳にどのような変化が起きていると考えられるのでしょうか。

一つは、演奏家は高いレベルで演奏できるようになるまでに数えきれないほどの練習を繰り返しているということです。滑らかな演奏のために必要とされる音の組み合わせは身体に刷り込まれ、自動的に数多くのパターンの動きができるようになっていきます。つまりここに至るまでの膨大な量の練習が脳に強いストレスを与え、フォーカル・ジストニアの発症に関与しているのではないかといわれています。

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【医師からのアドバイス】

現段階において、フォーカル・ジストニアの特効薬はありません。ただ症状を改善させる試みとして、演奏に用いる身体の一部分を、刷り込まれた演奏用の動きから一時解放することで本来の指や口元の動きに再構築する、というリハビリテーション的な治療が行われています。

もちろん、長い間の訓練によって作られた動きを別の形に変えるのは、非常に根気強い努力が必要ですが、一定の効果が見られているようです。プロによる美しい音楽の陰には、私たちには想像もつかないほどの努力や単調な動きの繰り返しがあるのですね。

(監修:Doctors Me 医師)

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