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医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
ホルモンバランスを整えたり、月経症状の改善のために服用する「ピル」。ピルの服用は、実は「性欲」とも関係があるという話もあります。

今回は性欲減退とピルの関係について、医師に伺ってみました。

そもそも「ピル」ってどんな薬?

ここで言うところのピルとは、女性が重い月経症状の改善や避妊目的で内服する低用量ピルのことを指します。このピルの内容としては、エストロゲンとプロゲステロンという成分から成り立っています。

女性の性周期としては、ベースにあるエストロゲンという女性ホルモンによって、卵巣内で卵子が成熟すると共に、子宮内膜が増殖します。ここに、プロゲステロンというホルモンが急上昇することで、排卵が起こり、数日以内に着床(卵子が精子と結合して受精卵となり、子宮内膜に定着する)しないと、月経が起こるという仕組みです。低用量ピルは、この生体反応を薬によって起こすことで、安定して性周期を起こさせる、そのような働きがあります。

性欲って何によって成り立っている?

では、性欲は何によって成り立っているのでしょうか?

性欲とは、子孫を繁栄するため性行為をしたいと思わせる欲望で、これは、動物として本能的な非常に重要な欲望です。つまり、生殖に関係するため、性ホルモンと強い関係があります。 女性の場合、女性ホルモンであるエストロゲンと強い関係にあります。小児期にはこのようなホルモンは少ないため、性欲はありません。 成長するにつれ女性ホルモンが増加し、それによって性欲が形成されてきます。

逆に、壮年期になり閉経が近付くと、女性ホルモンが減少するため性欲は減っていきます。完全に閉経すると、基本的には女性ホルモンは出なくなりますので、性欲はほぼ感じなくなっていきます。また、性周期(月経から排卵、そしてまた月経まで)の中でも、女性ホルモンの濃度には変動が有り、それによって、性欲の強い時期とそうでない時期があることはよく知られています。

ピルと性欲減退の関係は?

それでは、低用量ピルと性欲減退の関係は何でしょうか?

低用量ピルによって、女性ホルモンは十分に供給されているので、性欲は保たれても良いようなものです。しかしながら、性周期の中で大きく変動する体内からのエストロゲン分泌に比べ、体外からの低用量ピルによる女性ホルモンは常に一定の値を保ち、変動がありませんので、それに伴う性欲の変化が乏しくなります。性欲をどのように評価するかというのは、客観的な指標に乏しく、どうしても、主観的な判断になるため、減退・亢進を正確に判断することが難しいです。

しかし、変動がないときには、人は減退したと感じる傾向にあります。つまり、低用量ピルを内服することで、ホルモン学的に性欲が減るわけではないと思われますが、変動が少なくなるために、感覚として、性欲が落ちたなと感じる人が多いのかもしれません。

また、ピルを内服するときには子宮内膜症、月経困難症などの婦人科的な疾患をお持ちのかたが多いですので、そのような場合には、症状が強くて性欲どころではないという原因もあるのかもしれません。

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【医師からのアドバイス】

前述にもありますが、ピルを服用して性欲が落ちる、とうよりは、ピルを服用したことによりホルモンバランスが安定し、ホルモンの変動が減少したため性欲が減った、という感覚になったことが一つ考えられます。性欲の減退が気になる方は、まずは健康な体と心を維持することから意識してみても良いかもしれませんね。

(監修:Doctors Me 医師)

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