記事提供:カラパイア

カラスはとても知能の高い鳥として知られている。そんなカラスたちは命を落とした仲間がいるとその周辺に集まって鳴き声をあげるという。果たしてそれはカラス式のお葬式なのか?カラスのお葬式の裏に隠された理由を知れば君もきっと驚くはずだ。

カラスはなぜ仲間の死骸に集まってくるのか?

カラスは仲間が亡くなるとお葬式をするという都市伝説がある。実際にカラスは仲間が死んだ場所に集まってくることは確認されている。

米ワシントン大学で環境科学の博士号を取得中のカエリ・スイフト氏によると、カラス、カケス、カササギ、大型のカラスなど、頭のいいカラス科の鳥は、仲間が倒れるとお互いを呼び合い、死んだ仲間の周辺に集まる習慣があるという。

果たしてそれは亡くなった仲間へ対し追悼の意を示すためなのか?答えはNOだ。カラスが仲間の死体の側に集まるのは、追悼のためではなく、その死が起きた場所に脅威が存在するかどうか確認し、そこを避けるべきかどうかを見極めるために来るのだという。

「アニマル・ビヘイビアー(動物行動学)」という雑誌に掲載されたスイフト氏の研究論文によると、アメリカガラスはカラスの死と関与している人間を脅威とみなし、その人物がいる周辺で餌を食べる事をかなり警戒するという。

カラスはカラスの死骸を持った人間を脅威とみなす

スイフト氏は2年間に渡りこんな研究を行った。ワシントン州でカラスの繁殖や巣作りに適正だと思われる場所、100ヵ所以上にエサを設置。25人のボランティアにマスクを着けてもらい、エサから30分以内の場所に立ってもらった。

カラスからはボランティアの顔がハッキリと見えるはずだ。ただ、マスクを着けることで、彼らの表情は隠されカラスには分からない。そこで以下の3つの状況で実験が行われた。

・マスクをつけた人がカラスの死骸を抱えて立つ

・何も持たずカラスの天敵であるアカオノスリの死骸の側に立つ

・カラスの死骸を抱え、更にアカオノスリの死骸の側に立つ

(実験で使われた全ての死骸は剥製である)

出典カラパイア

そして、制御変数(変わらない要因)のため、ボランティアのいない場所、何も抱えてないマスクをつけたボランティアがいる場所も設けられた。

その結果、ほぼ例外なく、カラスたちは仲間の死骸とボランティアの人間がいる場所で騒ぎ始め、他の仲間に注意を促す鳴き声を発した。

上記の状況下で、カラスたちの反応が一番強かったのは、カラスの死骸を抱えアカオノスリの死骸の側に立っている場合で、逆に何も抱えていないボランティアには何の反応も示さなかった。

カラス達が反応を示したボランティアたちは、その後6週間、定期的に同じ場所に立った。

手にカラスを抱えてはいないのにかかわらず、カラス達は実験中ずっとその人物の周りで騒ぎ、数日間にわたり警戒を続けた。つまり、カラスの死骸を持っていた人間を脅威とみなしたのだ。

カラス以外の鳥の死骸を抱いている人間には興味なし

2回目の実験で、スイフト氏は鳩の剥製を使った。ボランティアの人は鳩の剥製を抱いていたが、それに対し、カラス達の反応は薄いものだった。カラスは他種の鳥より、同種の死骸に対し敏感に反応する、とスイフト氏は述べている。

カラスは自らと自らの仲間が危険があると感じると、その人間に対しとても懐疑的になる事をこの研究は示している。

カラスは決して人間の顔を忘れない

他の実験で、アメリカガラスは決して人間の顔を忘れないことが証明されている。たとえ9年半の歳月が流れていても。

米ワシントン大学の生物学者ジョン・マーズラフ氏は、カラスのような寿命が長く(平均で10年から30年、最高で60年)社会性のある動物にとっては、長期的な記憶力を備えていることは見知らぬ人間と関わる際にも有益だという。

人間の中にはエサをくれる人もいるし、殺意をもって殺しに来る人もいる。鳥が好きな人が住んでいた家に、鳥嫌いな人が引越してくる可能性もある。だからカラス達は人間の顔を覚えるのだという。

大型カラスとその知能

カラスたちは神話や伝説にも出てくる知能レベルが高く、他の多くの哺乳類よりも処世術にたけている鳥だ。

「彼らを見ていると、彼らが私たちを認識して警戒しているのが伝わってくる。さらに観察を続けると、ただ娯楽のために遊んでいる彼らの姿を見ることもできる」

こう語るのはバーモント大学のバーン・ヘンリック博士で、彼はカラスの研究に長年携わっている。

10年以上も前に、博士はある実験を行い、カラスたちが人間のように論理的に考え行動できることを証明している。

実験では、ヒモに餌をつけてぶら下げておいた。カラスたちは自然界でこのような状況に遭遇したことはないはずだ。しかし、彼らはヒモについた餌をみると木の枝に留まったまま、スルスルとヒモを引き上げ始めた。

「彼らは訓練していないので学んだということはない。進化の過程で覚えたということもない、そのような状況は自然ではあり得ないから。

ゴールにたどり着くまでに様々な過程があるから、それを全てこなすとなると偶然とは考えにくい。つまり、カラスたちは自分で考え行動していたと考えられる」と博士は語る。

カラスは他にも彼らの知能レベルの高さを示す行動を見せてくれている。彼らは後に食べる為の食料を隠すのだが、他のカラスに見られていると勘付いたカラスは餌を隠すフリをする。

それでも、全ての食料は盗まれてしまう。他のカラスも知能が高いから、おちおちしていられない厳しい世界だ。とにかく、カラスはとても頭のいい鳥なのである。

カラスは1人1人の人間すべてに注意を払っている

カラスたちは人間と関わる時は、物事の理解・判断がすばやく、頭がきれる“鋭敏”だという。ある研究は「カラスは一人一人の人間に注意を払っている」ということを示唆している。

以前行われた研究で、マルズラッフ博士と彼のチームがアメリカガラスの脳の写真を公開した。その写真によると、カラスの死骸を持った人間を見た際に、カラスたちの脳の海馬(記憶と学習をつかさどる機能)が反応していることが分かった。

「同じ脅威を再度見る度に、その記憶も更新されるのかもしれません」とマルズラッフ氏は話す。

例えば、2008年に同氏が行った実験では、石器時代のコスチュームを着たボランティアとディック・チェニー(元米国副大統領)のマスクを着用したボランティアを用意した。

石器時代のコスチュームを着た者はカラスを捕らえようとし、マスクを着用した者は何もしなかった。

すると、カラスはマスクをつけた人間は危害なしと認識し、反応しなかったが、石器時代のコスチュームをきた人間を見ると騒ぎ始めた。その反応は何年も続いたという。

てことで、カラスは人間の顔を覚える。でもって敵だと判断された場合にはそれを仲間に伝えまくる。一度でもカラスに敵認証されてしまうと一生襲われ続けるという覚悟が必要になるということだ。

また逆に、カラスにとって良き隣人と認定された場合には、カラスからの恩返しもたっぷり期待できるのかもしれない。

出典:dailymail
出典:nationalgeographic
出典:kcts9

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