記事提供:カラパイア

人口の約1%を占めるといわれるサイコパス(精神病質者)。共感能力の欠如、罪悪感の欠如、衝動的、口が達者で人を巧みに操る、表面的にはチャーミングなどがその特徴として挙げられる。

一般的に、サイコパシー(精神病質)は、脳の構造の違いによるもの=先天性であると言われ、サイコパスは脳のなかでも特に感情や衝動抑制を司る部位が未発達だとされる。

だとしたら、子どもが将来サイコパスになるかどうかを早い時点で判断し、それを良い方向に導くことはできるのだろうか?

最近になって、子どものサイコパシー傾向に関する二つの研究結果が発表された。

一つは、豪ニューサウスウェールズ大学の研究者らが、3歳から6歳までの約200人の児童を対象に、サイコパシーに関連づけられるCU特性(callous‐unemotional traits/callous=無感覚、unemotional=無感情)を検証した研究だ。

研究チームは、苦悩や悲痛を感じている人の表情(例:泣いている子ども)、感情の変化を表す顔、ニュートラルなイメージ(例:本の写真)などを被験児童に見せ、その反応を検証した。

その結果、3歳児を含む約10パーセントの児童が、他者の感情が認識できない、苦悩する人の表情によって感情を喚起されないなどのCU特性を示したという。

今回、研究チームは幼児のCU特性を測るために開発した特殊な診断ツールを用いて測定を行った。このツールは、たとえば自閉症スペクトラムなどの発達障害の兆候と、サイコパシーにつながるCU特性とを区別することができるという。

もう一つ、英キングス・カレッジ・ロンドンと英マンチェスター大学、英リヴァプール大学が共同で、213人の生後5週目の乳児を対象に行った実験では、その後の追跡調査でCU特性を示した赤ちゃんとそうでない赤ちゃんには明らかな違いがあったことがわかった。

研究者らは、生後5週目の赤ちゃんに「人間の顔」と「動かない赤いボール」を見せ、どちらをより好み、注目するかを検証した。

そして被験児が2歳半になったときにCU特性を検査したところ、人間の顔よりも赤いボールに注目した赤ちゃんのほうが、CU特性を示す傾向が高かったという。

この研究ではまた、乳児が29週目の時点での「母親の敏感性(maternal sensitivity)」の調査も行っているが、

その結果、乳児が遊んでいるときにより繊細、敏感に対応する母親の子どものほうが、CU特性を示す確率が女児の場合は低かった(男児には顕著な差はなし)。

もちろん、CU特性が強いからといって必ずサイコパスになるわけではないし、サイコパス=悪でもない。子どものサイコパシーに関する研究はまだ始まったばかりで、さらなる調査が必要だ。

しかし、どちらの研究チームも、早い段階でサイコパシー傾向を見つけることは、将来的に犯罪に走るようなサイコパスにならないための対策を講じるのに有効だと考えている点で一致している。

出典:qz.

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