ビクトリア・キャロラインさんはテキサス州サン・アントニオを中心に活躍する写真家で、「ブードワー・フォトグラフィー(Boudoir Photography)」というジャンルを得意としています。
その彼女が自社のFacebookに投稿した「昔の失敗談」が、本物の夫婦愛に感動させられる美談だと話題になっています。

Boudoirとはフランス語で「御婦人の私室(寝室)」という意味です

日本語では「ブードワー」または「ブードワール」とも表記され、エステサロンなど美容関係の店名や婦人物のブランド名にも使われているようです。

ではブードワー・フォトグラフィーってなんでしょう?

アメリカ人は家族の写真を身近に置く習慣があり、職場のデスクに飾ったり財布や紙入れの中に専用のケースを入れて名刺大の写真を持ち歩いたりします。携帯やスマホが取って代わりつつありますが、それでも日本と比べて写真館で、またはプロの写真家に頼んで記念写真を撮ってもらう機会は多く、子供にポーズをキメさせて撮影した可愛い写真などは、祖父母はじめ親戚に送ればプレゼントとしてとても喜ばれたりします。

その延長で「女性が寝室で見せる姿」つまり心を許した男性にしか見せない姿を写真にとどめるというのがブードワー・フォトグラフィー、女性ごのみの上品でロマンチックなセクシー・フォトです。

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(写真はイメージです)

ビクトリアさんのFacebookやホームページは、年齢や体型もさまざまな女性達の素晴らしい写真であふれています。でも、いったいどんな失敗をしたというのでしょうか。

それはこんな文章で始まります

出典 https://www.facebook.com

今夜はみなさんに酷い失敗をした話をしたいと思います。それはブードワーを始めたころのことで、40代半ばの女性とサン・アントニオのダウンタウンにあるゴージャスなホテルでのセッションでした。彼女は美しい豊満なサイズ18(日本の21号)で、まるで女神みたいに見えると思いました。でも多くの女性と同じように、彼女にはリクエストがありました…

彼女は私のところに来て真直ぐに目を合わせ、「私のセルライトと、妊娠線の痕と、脂肪と全部のシワをフォトショップして欲しいの…ただ無くして欲しいの。一度だけでいいからゴージャスな気持ちになりたいのよ」と言ったんです。

それで私は言われた通りにしました。1時間半かけてあらゆるポーズで撮影しました。家に戻り、最後の一本まで妊娠線を消し、セルライトのくぼみをスムーズにし、シワを除去しました。彼女を全ての女性が夢見るような姿に変えたのです。

クリスマスになり、彼女はご主人に30枚ほどの写真を入れた美しいアルバムをプレゼントしました。その3日後、私はとても誠実なメールを受け取ったのです。

ビクトリアへ

僕は◯◯の夫の***といいます。先日あなたが僕の妻を撮った写真を入れたアルバムを受け取ったので、これを書いています。あなたを困らせようとしているわけではありません…でも、あなたに知っておいてもらいたいことがあります。

僕と妻は18歳のころから一緒で、素晴らしい子供達2人にも恵まれました。長年の間にはいい事も悪い事もありましたが、僕が思うには…いや知っているんです、妻がこの写真で2人の仲をちょいと刺激的にしようとしたことを。時々妻は僕が彼女の事を魅力的だと思わなくなっているとこぼしていました。もしや僕が誰か若い子を見つけたんじゃないかと責めたりはせずにね。

あのアルバムを開いた時は愕然としました。
あの写真…とても素晴らしくて、あなたの才能がよく分かります…でもあれは僕の妻ではありません。あなたが彼女の「あら」を全て消してしまった…もちろん彼女がそれを望んだことは承知していますが、それと一緒に僕らが歩んできた人生も全て消されてしまったんです。

あなたが妊娠線を消した時、子供達の証しも無くなってしまった。
あなたがシワを消した時、20年以上に及ぶ僕たちの笑いと心配が無くなってしまった。
あなたがセルライトを消した時、妻の料理への情熱と一緒に食べた美味しいものの思い出も無くなってしまったんです。

こんなことを言うのはあなたを不愉快な思いにさせたいからじゃない、あなたは自分の仕事をしただけなんだ、それは分かっています。
これを書いているのは、実はあなたにお礼を言いたいからなんです。

あのイメージを眺めているうちに、正直、自分がどんなに彼女を愛し大切に思っているか、ちゃんと伝えていなかった事に気付かされました。滅多に聞かないから、妻はあのフォトショップで作られたイメージが僕の好むところで、自分がそうあらねばならないと思ったのでしょう。

僕はもっとよくしてあげなければ。今日はこれからずっと彼女の全てを称賛して過ごします。
思い出させてくれてありがとう。

出典 https://www.facebook.com

出典 https://www.facebook.com

こちらはビクトリアさんがこの投稿に使っている写真です。ホームページの表紙にも使われていますから、きっとお気に入りなのでしょう。メールを送って来た男性の奥さんの写真もこんなふうに、素敵に夢見がちなロマンチックさで彩られていたに違いありません。

アメリカのサイズ18というのはかなり大きくて、でもきっと出会った頃は小さく可愛い女の子だったのでしょうね。その可愛さをそのまま持ち続けている奥さんの気持ちに気付かされたご主人は洞察力のある人だと思います。奥さんが寂しい思いをしていた、それをこれから埋め合わせていくのでしょう。

そしてビクトリアさんは、投稿をこんな言葉で締めくくっています。

みなさん、私はフォトショップで大抵の事はかなえられます。でもどこまで変えたいのか、どうぞもう1度考えてみてください。愛する人は、あるがままを慈しみ大切に思ってくれています。このメールは100%本物で、私はその後半年ほど罪悪感に苛まれ、これを読み返すごとに赤ん坊のように泣いてしまったものです。ありのまま、そのままの自分を大切にしましょう!

…あ、それからもし今夜だれもあなたの美しさを囁いてくれる人がそばに居ないのなら…あなたはとんでもなく超美しいのよ!!!

出典 https://www.facebook.com

そばに誰もいない時、本当に一人ぼっちの時に、自分を素敵だと思うのは難しい。
でも今夜だけはその言葉、信じてみましょうか。

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