なぜどこにでもいる様な普通の少年が『白い野獣』と恐れられるテロリストに・・・?

普通の家庭で育った、どこにでもいる平凡な少年トーマス・エバンズが、イスラムの『白い野獣』と呼ばれる、凶悪なテロリスト『アブダル・ハキム』となり果てたのは何故なのか・・・

イギリス南東部の地方都市バッキンガムシャーにある街ウィコムで生まれ育ったトーマス・エバンズは、母の愛情を受けて弟と共に平凡でも幸せに暮らしていました。

母の記憶の中に残る子供の頃の息子は、お庭で泥団子を作ったり、絵画コンクールに入賞して大喜びする、本当に可愛らしくて、いたずら好きな、ごく普通の少年でした。電気技師になって海兵隊に入り、お国のために働きたいと、将来の夢も語っていました

きっかけは彼女との別れ?

出典 http://www.mirror.co.uk

トーマスの母、サリー・エバンズ(57歳)によると、トーマスは一年以上付き合っていた彼女と別れた後、スポーツジムで知り合ったあるアジア人の集団と付き合う様になり、そして、まもなく、近くにあるモスクの集会に参加するようになったのです。この時、トーマスは19歳でした。

イスラム教徒への改宗

出典 http://www.telegraph.co.uk

しばらくすると髭を伸ばし親にもらった名前も捨てて、アブダル・ハキムと名乗るようになりました。そして、「(※ハラールではない料理を作って)穢れている。」と言って、母とや弟と調理器具を共有することさえも拒否するようになりました。教会にいく事も、クリスマスツリーを見る事さえも嫌悪し、次第に口を聞かなくなっていきました。

さらに、会社内でも同僚に過激な思想を示すようになり、遂には仕事も失いました。


まさに、坂道を転げ落ちるようにイスラムの過激思想に傾倒していったのです。

(※ハラール:イスラムの教えによって許されている食材や料理)

そして、テロリストへ・・・

出典 http://www.smh.com.au

モスクに通い始めてからしばらくして、今度は、以前逮捕された爆弾テロ未遂の容疑者も通っていたというイスラム教育センターに出入りするようになりました。

それからわずか一か月後、彼はアフリカ行きを決行します。一度は空港にてテロ対策スタッフに出国を拒否されますが、その一か月後アラビア語を勉強すると言って遂にエジプトへ向けて出国するのです。息子と連絡がとれなくなった母は必死になって連絡先を探し回ります。しかし、息子は翌年、唐突に母に電話をかけてきて、次のように告げました。

「ソマリアにいる。アル・シャバブのメンバーになったんだ。」

【アル・シャバブ】東アフリカで最も恐れられるテロ集団に加入していたのです。

アル・シャバブは、ソマリア南部を中心に活動するイスラーム勢力。2012年現在、ソマリアで最も有力なイスラーム勢力であり、ソマリア南部で最も支配地域が広い勢力でもある。ソマリア暫定連邦政府とそれを支援するエチオピア、アメリカ合衆国、アフリカ連合などと対立している。

出典 https://ja.wikipedia.org

突然のテロリスト宣言に震えあがる母に彼は続けます。

「13歳ぐらいの少女と結婚した。彼女の父親には牛を一匹贈ったよ」

衝撃的な結婚報告でした。

無慈悲な殺戮者に・・・

2013年のナイロビのショッピングモールでの殺戮事件について、アブダルは母にこう話している。

「罪もない子供や女性、男性を殺す事には何の問題もない。自分もこれから殉教する予定だ。」

見た目や行動だけではなく、骨の髄まで卑劣なテロリストになり果てた息子の言葉に母は愕然としました。

ケニアショッピングモール襲撃事件

2013年9月21日正午(現地時間)頃[3]、ケニアのナイロビにある大型の商業施設「ウェストゲート」に武装グループが侵入した。武装グループは店内で銃を乱射し、手榴弾を爆発させたと見られる。23日午前、治安部隊が施設への突入急襲し、人質のほぼ全員を救出した。24日夜、ウフル・ケニヤッタ大統領はテレビ演説で事件の終結を宣言した。
この事件で、民間人61人と兵士6人が死亡、240余人の死傷者が出た。

出典 https://ja.wikipedia.org

母と電話で話していた頃すでに、彼はアフリカでキリスト教教会に火をつけ、罪のないキリスト教信者の首をはね、無慈悲な殺戮を決行していたのです。

彼が、50人もの罪もない村人の首をはねていたとき、彼のそばには、もう一人のイギリス出身のテロリスト「白い未亡人」がいた事が報告されています。殺戮を目撃した周辺住民は、次々と隣人の首を刎ねていく白人の青年を、「白い野獣」と呼び恐れました。


テロリストの死

出典 http://www.mirror.co.uk

今年6月、テロリストのアブダル・ハキムに名を変え、多くの人を殺戮したサリーの息子、トーマス・エバンズは、アフリカのケニアにおける軍との銃撃戦の中で撃たれ、25年の生涯を閉じました。

母は、息子の死をSNSの投稿で知りましたそこには、血まみで倒れている、変わり果てた息子の姿がありました。

「息子の死を、ツイッターで知らされる事を想像してみて下さい。そして、絶望と安堵を同時に味わう事を。」

サリーは、自分が愛し、慈しみ、大切に育てた息子を永遠に想い続ける事を否定はしていません。


しかし、それと同時に、息子が死んでくれたことに安堵を覚えてもいます。彼が犯した重過ぎる罪を償うために、地獄の業火に焼かれてほしいとテレビのインタビューに応えて話しています。

まとめ

出典 http://www.mirror.co.uk

小さい頃は平凡でも幸せで、どこにでもいるような無邪気な少年でした。きっかけは、誰もが経験するような一つの失恋。ただ、運悪く彼のすぐそばに、テロリストの育成をもくろむ過激派イスラムの集団がいたというだけです。トーマスの犯した罪は決して許されるものでも、正当化されるものでもありません。「地獄の業火で焼かれてほしい」そう言った母の言葉に嘘はないでしょう。ただ、サリーの葛藤、悲しみ、苦しみを、子を育てる同じ母として、考えさせられずにはいられません。

この記事を書いたユーザー

Maria このユーザーの他の記事を見る

オーストラリア在住。息子が生まれて一年半後、夫はアスベストが原因の悪性中皮腫という、これといって有効な治療法もない、強烈な癌を発症。そして、二年の闘病を経て他界しました。今は、5歳になった息子と二人、夫の眠る地で、毎日を大切に生きています。中皮腫の闘病記・アスベストの事・死別後の息子との二人三脚の毎日をブログに綴っています。http://ameblo.jp/maria1428

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