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アメリカ・ニューヨークのブロードウェイはエンターテイメントの最高峰として知られています。

今年は俳優の渡辺謙さんがミュージカル「王様と私」でトニー賞の最優秀主演男優賞にノミネートされたことも記憶に新しいですね。

実は先日、「王様と私」の上演中にちょっとしたトラブルがあり、出演中の俳優ケルビン・ローさんが自身のFacebookで当時の様子を投稿し、話題になっています。

一体何が起きたのかというと…

クライマックスのシーンで…

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観客の中に、自閉症の子どもとそのお母さんがいたのですが、公演中にパニックを起こし叫んでしまったのです。

この時、観客席では他のお客さんから親子に向けて「なんでそんな子を連れてきたの?」「早くその子を追い出せ!」と言った冷たい言葉がぶつけられていました…。

ケルビンさんの投稿によると、この日だけではなく1週間位前にも自閉症と見受けられない女の子が観に来ており、その時も同じ場面で叫んでしまったのですが、他の観客たちは咎めることもなかったため、「どうしてこんなにも対応が違うのか」と嘆く趣旨の記述をしています。

そして、親子に冷たい言葉をぶつけていた人達に対し、次のように反論を展開していました。

ケルビンさんが舞台から見ていたもの

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みんなには見えていなかったと思うけど、お母さんは一生懸命息子さんを落ち着かせて外に連れ出そうとしていたんだ。僕は、舞台の上でお母さんから目が離せなかった。

公演を中断して「みんな落ち着いて!お母さんは頑張っているよ!見えないの?」と叫びたかった。

出典 https://www.facebook.com

どんなお母さんだって、お子さんに騒ぐことを奨励しているわけではありません。

叫んでしまったお子さんを落ち着かせること、そして周囲の迷惑にならないように退席しようと必死なお母さんの姿が、ケルビンさんには見えていました。

しかし、他の観客席からそれが見えるはずもなく、罵声を浴びせられているお母さんと子どもに胸を痛めていたのです。

ケルビンさんは、さらにお母さんに対しての思いを綴っています。

「お母さんは勇敢だと思う」

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僕は、お母さんが息子さんを劇場に連れてきたことをとても勇敢だと思います。

みんなお母さんがどんな生活を送っているのか分からないと思うけど、もしかしたら息子さんは普段はじっと座っていられる子で、今回のように騒いでしまうことは稀なのかもしれません。

色々考えた上で、お母さんは怯えながら生きることをやめて、息子さんに経験させることへの妥協をやめることにしたのではないでしょうか。

多分お母さんは、このミュージカルが人気の作品だからこそ、万が一のことを考えて通路側の席を取っていたのだと思います。

出典 https://www.facebook.com

障害の有無に限らず、様々な経験をしたい、経験をさせたいと思っていても「周囲に迷惑をかけないだろうか」「大丈夫だろうか」と悩み、一歩を踏み出せない方は少なくありません。

このお母さんは、こういった悩みを抱えながらもお子さんに様々な経験をして欲しいと考え、勇気を出して劇場に連れてきたのではないでしょうか。

ケルビンさんは、この投稿の最後に自身の考えを述べています。

「全ての人のための劇場を」

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僕はジョセフ・パップのような、全ての人のための劇場が作られると信じています。

僕が出演するショーは、全ての家族のためのものです。

ブロードウェイの「王様と私」も障害の有無は関係なく、全ての家族のための劇です。劇場での夜は、どんな夜であっても特別なのです。

出典 https://www.facebook.com

障害のある人もない人も、全ての人が楽しめる劇場が作られることを望んでいました。

どんな人も心配なく、気軽に観劇ができる環境が作られれば、もっと経験できることの幅も広がるのではないでしょうか。

日本でも、赤ちゃんや小さいお子さん、何らかのハンディキャップを持っている方が、外出する際には「気楽に」と言い難い状況がしばしば見受けられます。

どうすれば「気軽に」なるか、私たちもできることを考えていきたいですね。

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動物が大好き。会社員であり、流浪のライターとしても活動。
興味を持ったことを色々書いてみます。

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